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デンマークの現代音楽:デュオ・カポウ!(Duo KAPOW!) の「バースト, Burst」を聴く


Burst
Duo KAPOW!
本アルバムは6人のデンマーク人現代音楽家の作品集です。以前は北欧系の音楽は欧州前衛とは異なるスタンスが多かった気がしますが、今では新しい世界を展開して注目が上がっていますね。

 ▶️ 北欧現代音楽CD(作曲家別)一覧

デュオ・カポウ!は、サックス(saxophone)のクラウス・ウールセン(Claus Olesen)とパーカッションのヘンリク・クナルボリク・ラーセン(Henrik Knarborg Larsen)二人のデンマークDuoですね。ライナーノートには短い紹介しかなく、二人はデンマークの王立音楽アカデミー(Royal Academy of Music)の学生時代から新しい音楽を目指していたそうです。また、ラーセンは現在Royal Academy of Music Aarhus/Aalborgの教職についているそうです。








ニールス・マルティンセン
(Niels Marthinsen, 1963 - )
マルティンセンはデンマークのオーフス王立音楽アカデミー(Royal Academy of Music in Aarhus)でペア・ノアゴー(Per Nørgård)の下学んでいます。

Burst (1990年)
 マルティンセンは楽曲イメージを呼び起こす様なタイトルをよく付けるそうですが、ここではそれほど強烈な印象ではありません。即興的前衛ですが、ズバリ "フリー・ジャズ"です。構成もややフラットに感じますね。演奏者のスクリームもありますが、あまり先端性も感じません。




シモン・ステーン=アナセン
(Simon Steen-Andersen, 1976/4/24 - )
本ブログ一押しの前衛現代音楽家の一人で、コペンハーゲンで習った後 デンマーク国内のオケで在籍作曲家として活躍しています。現在ベルリン在住で、2018年からはスイスのベルン芸術大学で作曲の教授職にもついています。本作品は少々古いですが、現在の楽風は過激なインスタレーション系ですね。

Study for alto saxophone and percussion (1998年)
 "Can percussion and saxophone play in unison - that is, the same note?"と本人が言っている通り、ユニゾンの曲です。途中までは完全にリズム同期させてわかり易いユニゾンを狙っていますが、変拍子やディレイを使い始めるとユニゾンっぽく聴こえません。"どこがユニゾンか?!"などと耳をそばだてて聴く事になるわけですが、そこが面白い!! 一本取られましたね。




イェクスパー・ホルメン
(Jexper Holmen, 1971/2/16 - )
ロイヤル・デンマーク音楽院でイブ・ノルホルム(Ib Nørholm)に学んでいます。インスタレーション系を得意としている様ですね。

Oil, for alto saxophone and percussion (1996年)
 スローで陰鬱な旋律感のあるサックスとヴィブラフォンのDialogueです。奇妙な和声を感じ、不気味な空間を作ってきます。サックスは時に無調即興的な演奏もし、打楽器は音程のない他の楽器も交えます。独特な音空間で面白いですね。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?




モーテン・ラデホフ
(Morten Ladehoff, 1978 - )
オーフス王立音楽アカデミーでオルガンと作曲を学んでいます。作曲はカール・ラスムセン(Karl Aage Rasmussen)他に師事し、その後シュトゥットガルトでも学んでいます。

Pyr, ami spy, ram isp yra mis (2003年)
 奇妙なタイトルですが、三つの"Pyramis"(ピラミッドのラテン語)を不自然に区切っています。7つの単語の区切りを変えるの同様に、音楽のパラメーターを変えて意味を変化させるといったコンセプトがあるそうです。
それらしい打楽器とサックスは感じますね、解説を聞いているとw 基本的には無調のサックスとティンパニー他太鼓系のデュオです。単純な即興系でも特殊奏法でもなくて、表情を変える様にリズムと音色を変化させています。ステーン=アナセン同様コンセプトを聞いているので、なるほど感はありますが…




ニルス・レンスホルト
(Niels Rønsholdt, 1978 - )
レススホルトもオーフス王立音楽アカデミーでカール・ラスムセンに学んでいますね。その後ベルリンに渡り、前衛現代音楽フェスからの委嘱を受ける様になりました。前衛のオペラやインスタレーションを得意としている様で、声楽のアルバムが出ていますね。

Drink me, make me real (2002年)
 特殊奏法です。やっぱり楽器が単純構成なのでこう言ったテクがある方が楽しめます。と言う訳で当然ながらノイズ系になります。目新しさはありませんが、"これだよねっ!"的な楽しさは味わえますね。




カスパー・ヤルナム
(Kasper Jarnum, 1971/7/14 - 2011/4/5)
ラスムッセンやノアゴーに習い、パリでも学んでいます。ジャズや特殊奏法をベースとした前衛ですね。40歳を前に夭逝しています。

Der Totenschläger und der Rattenfänger (2001年)
 "ハーメルンの笛吹き男"を元にしたタイトルです。ネズミを除去した笛吹き男が、村人に裏切られて子供達を連れて行ってしまう恐ろしい話ですよね。曲はそのストーリーに沿って笛吹き男の変化を表しているそうです。
と言われても、です。打楽器が乱打される背景にサックスが潜んだ前半、後半は逆になります。ラストの静のコーダ?は面白いです。とはいえ両楽器の基本的な音は変化が薄くフラットです。無調前衛ではありますが、それ以上でもそれ以下でもない様な。水○橋あたりの実験音楽系ライヴハウスでも聴けるかも。




面白いのはJ.ホルメンの独特の和声とN.レンスホルトの特殊奏法ですが、突出感は低めです。サックスとパーカッションという制約だからかもしれませんね。
とは言えこれだけのヴァリエーションがデンマークのセットで聴けるのは嬉しいです。

Denise Burtのジャケットも不気味で面白いですねw





テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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