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グラインドボーン音楽祭 2018年 歌劇 バーバーの「ヴァネッサ」をNHKプレミアムシアターで観る

サミュエル・バーバーのオペラ「ヴァネッサ」Op.32 (1957年)ですね。欧州での評価は今ひとつの様ですが、米国ではメトで人気を博しピューリッツァー賞を受賞しています。


GlyndebourneFestivalOpera2018-vanessa.jpg
(写真はオフィシャル・サイトよりお借りしました)


注目は演出のウォーナーになるわけですが、英国ロイヤル・オペラ2017のオテロでカウフマンに狂人独り舞台にした印象が残っていますね。

【超あらすじ】
ヴァネッサは20年間待ちわびた恋人アナトールの訪問に心を躍らせますが、現れたのは同じ名の息子でした。そのアナトールはヴァネッサの姪エリカと関係を持ちながらヴァネッサと婚約します。婚約の日、身ごもっていたエリカは不幸な結末を迎えます。最後はヴァネッサとアナトールがパリに立つのを見届けて、エリカが待ちわびる人となるのでした。



演出

エリカの死産のシーンを冒頭に持ってくるのは"いかにもウォーナー的"ですね。主役二人に狂気を与え、エリカをヴァネッサのコピーに上手く設定していましたね。アナトールをチェーン・スモーカーにしているのも、好めませんが、嵌っていました。絵画の枠を巨大化した舞台道具はストーリーを生かして、覆われた布を取られると そこに裏の心理が映し出されるという演出ですね。
(ウォーナーと指揮のフルシャは2012年のデンマーク王立歌劇場のトラブルでもご一緒でしたね)


舞台・衣装

シンプルながら大きな道具設定、衣装は現代風。プロジェクション・マッピングとライティングの暗い表現も含めて今の時代らしい設定ですね。


配役

若き日のヴァネッサの様なエリカという基準にまさにぴったりのエマ・ベルとV.ヴェレーズですね。容姿・声ともによく似せています。この二人は声・演技ともに十分楽しませてくれたと思います。
老医師のD.R.アルバートは役得でしたし、アナトールのE.モントヴィダスも悪くなかったのですが、老男爵夫人のR.プロウライトを含めた三人の女性が文字通り主役でした。


音楽

調性感の薄さのある現代音楽的楽曲をフルシャはコントラストを付けた演奏で聴かせてくれましたね。演奏にも惹かれました



現代音楽のオペラらしい心理的葛藤の表現をウォーナーは上手く作った感じです。狂気のスパイスで三人の"待つ女"のテーマを生かしましたね。もちろんウォーナーですから衣装や舞台にアヴァンギャルドさを押し出す事はありません。楽しめました

一つ気になるとすれば、英語のオペラはなんとなくしっくり来ない事でしょうか。


<出 演>
 ヴァネッサ:エマ・ベル [Emma Bell]
 エリカ:ヴィルジニー・ヴェレーズ [Virginie Verrez]
 アナトール:エドガラス・モントヴィダス [Edgaras Montvidas]
 老男爵夫人:ロザリンド・プロウライト [Rosalind Plowright]
 老医師:ドニー・レイ・アルバート [Donnie Ray Albert]

<合 唱> グラインドボーン合唱団
<管弦楽> ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
<指 揮> ヤクブ・フルシャ [Jakub Hrůša]
<演 出> キース・ウォーナー [Keith Warner]


収録:2018年8月14日 グラインドボーン音楽祭歌劇場(イギリス)

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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