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アルベルト・ポサダス(Alberto Posadas)の「Glossopoeia・他」を聴く


アルベルト・ポサダス
(Alberto Posadas, 1967 - )
マドリッドの音楽院で習ったスペインの現代音楽家です。二つの方向性があり、一つは数学をベースとしてフラクタル理論やトポロジー変換の様な変移性の技法を用いている事。もう一つはエレクトロアコースティックや空間音響系音楽で、IRCAMでも電子音楽を学んでいます。
この経歴だけで欧州エクスペリメンタリズムと見事にわかりますね。


Oscuro abismo de llanto y de ternura, Nebmaat, Cripsis, Glossopoeia
室内楽集になります。いずれもIRCAM絡みで、演奏もアンサンブル・アンテルコンタンポラン(Ensemble intercontemporain)とういうのが特徴的でしょうね。一番の問題は実は4曲目です。構成から見て"インスタレーション系"である事に違いありません。さてCDでどこまで味わえるのか…
それ以外は指揮者が存在して、フランソワ=グザヴィエ・ロト(François-Xavier Roth)ですね。興味深いでしょ!!






Oscuro abismo de llanto y de ternura (2005) for ensemble
29人という大編成の室内楽曲で、ポサダスとアンテルコンタンポランの初共演作だそうです。空の中に現れるノイズ、時に静的であり時にクラスター的、で無調の混沌です。明らかな特殊奏法は感じられませんが、ストレッチされたロングトーンにトリル・トレモロ、グリッサンドが絡み、打楽器がポリリズムを刻みます。楽器編成が多彩なので表情も多彩なカオスですね。無調混沌の緊張感が空間に蠢く空間音響系のサウンドです。


Nebmaat (2008) for quintet
バスクラ、チェロ、ヴァイオリン、ソプラノサックス、ヴィオラという五重奏曲です。少しテンポ設定が速めで楽器編成が少なくなったのでコンパクトな感じになっています。ロングトーンの共鳴を感じさせる静的パートが印象的で、そこにトリル等の速い流れが時折挟まれています。
エジプトにインスパイアされたそうですが、さて??


Cripsis (2007) for ensemble
15人編成の室内楽で、緊張感が漲ります。それは明確なポリフォニー感が設定されているからでしょう。もちろんロングトーンの静音パートではいつもの空間系ですが、特徴的なのは音の展開を持った楽器同士の無調ポリフォニーですね。これが一番面白いかもしれません。


Glossopoeia (2009) for 3 dancers, 4 musicians, video and electronics
バスクラ、パーカッション、ヴィオラ、チェロの四重奏曲+エレクトロニクスですが、大事な"ダンサー"と"ビデオ"がCDでは味わえません。例によってロングトーンとトリル・トレモロの組合せですが、刺激性が強く感じられます。パルス的な音使いがされているからでしょうか。トリル・トレモロは"ダンス"をイマジネートさせるものもありますが、なにぶん視覚反映はありませんから…
この曲が表情変化は一番大きい事ですが、確実に言えるのは 本来ダンサーとビデオ映像が使われるインスタレーション現代音楽ですからCDでは本当の姿がわからない事でしょう。

 ★試しに動画で観てみますか?
  エレクトロニクスの印象がやや異なり、一部カットがあります。
  振付はRichard Siegalになりますね。




ロングトーンとトリル・トレモロを基調とした無調混沌の空間音響系音楽ですね。今の時代の欧前衛の一つの主流でしょう。

なおかつ約10年前にインスタレーションとしてCD化されていた事実も素晴らしいですね。



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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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