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米現代音楽 Bang On A Can の『The Carbon Copy Building』を聴く


Michael Gordon, David Lang, Julia Wolfe
(マイケル・ゴードン、デイヴィッド・ラング、ジュリア・ウルフ)
CDのクレジットは"Bang On A Can"(以下BOAC)ではなく創設メンバー三人になっています。でも、BOACのHPにも載っていますし、レーベルも"Cantaloupe"ですから事実上BOACのアルバムでしょう。
ただ演奏がBOAC All-Starsではないからなのでしょう。演奏はクァルテットで、John Benthal(E-Guitar), David Cossin(perc.), Martin Goldray(Keyboards), Bohdan Hilash(cl)になります。(D.Cossinは唯一BOAC All-Starsメンバーですが)

このブログ一押しの米現代音楽[組織]BOACについては数々インプレしているので、過去記事を参照下さいね ▶️ 例えば 'こちら'

♬ 現代音楽CD(作曲家別)一覧 にも入っています



The Carbon Copy Building (2006年)
米N.Y.のcomic-strip(新聞等掲載の漫画)作家ベン・カッチャー(Ben Katchor)脚本と絵による"コミック・ブック・オペラ (Comic Book Opera)"です。

『1929年に表通りに出来たビル"The Palatine"、それを元に20ブロック離れた路地に建てられたカーボン・コピーのビル"The Palaver"、そこに関わる人達(経営者、ビル管理人、従事する人々、他)の不満や葛藤の話です。69年後、両方のビルは依然として存在していましたが、華やかな"The Palatine"と寂れた"The Palaver"の差は歴然。後者では建物や管理者、テナントの軋轢が増しています。
そんな中、リニュアルを企てるEmetine(The Ichor Foundation社長)は思わぬ訪問客を迎え高級レストランで誕生日の満ち足りた時を過ごしました。デザートのチェリー・チーズケーキは配慮で届けられる事に。その届け先と添えられた言葉は…』

構成は全16シーン15曲になりますね。







①Opening Slide Lecture ②*The Palatine Building ③Early Birds ④Chewing Gum ⑤At Dusk ⑥Where Is That Boy ⑦City Walk ⑧Panel Review ⑨I Blame The Tenants ⑩Emetine And The Palaver Manager ⑪Delivery Boy Biography ⑫August 13th ⑬Cherry Cheesecake ⑭Funeral March Of The Unfinished Desserts ⑮Closing Slide Lecture

音楽
elec-ギター, パーカッション、キーボード、クラリネット、という楽器構成を生かした"いかにもBOAC"らしい米現代音楽ですね。というわけで、基本はミニマルになります。不安定な不協和音を交えたり、ジャズの風合いにしたり、バラード風と曲ごとの表情変化は豊かです。でも個々の曲は良い意味でフラット、全体としての完成度を高めていますね。
個性を見せるのは②*のポップベース曲のロック、そして特徴的無調のポリフォニーで歌も一連となった⑤、無調歌曲⑩でしょうね。
* ②だけがM. Gordon作との情報もありますが…



まず個性的に聴こえるのは、歌詞の一つ一つの英単語を明瞭に発音している事でしょう。それによって感情表現は完全に抑えられて演奏同様にvoice楽器の様です。一般的なオペラの様に歌手が際立つ主役という感じではありません。
楽曲としては⑤の無調ポリフォニーの歌は斬新さと難しさを感じさせますね。


ステージ
 ★まずはYouTubeで観てみる?
  "シーン9 楽曲⑧"になります ("Scene8"は記述ミスですね)


ステージにはカッチャーの画像がプロジェクション・マッピングされて、動きは最小限、歌い方も抑揚を抑えている事がわかりますね。



抑えた演技に曲も特にオペラらしさはなくBOACサウンド、舞台にはPMでカッチャーの漫画が写さ出されます。オペラですがインスタレーション現代音楽という見方も出来るでしょう。

TheCarbonCopyBuilding.jpg

ジャケットは変則サイズ書籍風で画像にText入り、CD面は漫画だけで何の表記もないとう面白さです。思い出してはページをめくりながら絵と会話を楽しめる おすすめの一枚です。


ストーリーと歌詞がわからないと楽しさは半減以下になってしまいます。中には歌詞などわからなくても音楽だけで十分楽しめるという方もいらっしゃる様ですが、不器用な自分には難しいです。^^;





テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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