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コリン・カリーとホーカン・ハーデンベルガー の『The Scene of the Crime』を聴く


Colin Currie (perc.)
Håkan Hardenberger (tp)
コリン・カリーと言えば浮かぶのはスティーヴ・ライヒとのパーカッション・マッチアップでしょう。2017年3月の「Steve Reich 80歳記念公演」での好演が浮かびますね。
このアルバムは本人のパーカッションを主体としたレーベル"Colin Currie Records"第二弾です。

ホーカン・ハーデンベルガーはマルメ出身のスウェーデン人トランペット・ヴィルトゥオーゾですね。バロック・古典から現代音楽初演まで数々のバリエーションを残しています。行っていませんがソリスト来日もありますね。

二人のヴィルトゥオーゾによる現代音楽ですが、中堅・ベテラン勢による作品を並べた感じです。







アンドレ・ジョリヴェ (André Jolivet, 1905-1974)
本CDで唯一20世紀に生きたフランス人現代音楽家で、個人的な印象は「赤道コンチェルト」に代表される劇的な展開ですね。

Heptade
 ジョリヴェらしい曲調の、実際には曲調の幅は広いのですが個人的に、明瞭なサウンドです。調性の音楽ですが、インパクトがあってtp/perc.のコントラストが良く、独特の和声と鳴りの良い響が特徴的ですね。とても聴きやすいと思います。




ジョー・ダデル (Joe Duddell, 1972- )
マンチェスター生まれの英人音楽家で指揮者、ロックにも精通していますね。歳は上ですが、コリン・カリーの生徒だった様です。

Catch
 マリンバとフリューゲルホーンのミニマルで、アンビエントな楽風になっていますね。反復・変奏の基本となる動機自体がアンビエントになっているので、強音・弱音共に流れを損なう事はありません。美しい楽曲です。




トビアス・ブロシュトレム (Tobias Broström, 1978- )
ヘルシンボリ生まれのスウェーデン現代音楽家で、マルメ音楽院でパーカッションを、作曲をR.マッティンソンとL.フランチェスコーニに師事しています。この曲は二人の奏者に献呈されていますね。

Dream variations
 The Dream - Mirror - Déjà vu の3パート曲です。パーカッションはカウベルやヴィブラフォン等を使っていますが、曲の流れはタイトル通りに幻想的・瞑想的でスロー基本になりますね。




ダニエル・ベルツ (Daniel Börtz, 1943- )
スウェーデンを代表する現代音楽家の一人で、作曲はH.ルーゼンベリ、K-B.ブロムダール、I.リドホルムといった大物に師事しています。

Dialogo 4 - Ricordo
 30"に渡るほぼ無音から細い超静音の音色がクレシェンドしてきます。ミュートtpとヴィブラフォンの音色が絡みながらパーカッションが打音を挟み、曲調は激しさを増してtpとパーカッションDuoになります。無調で先鋭な楽風が楽しめます。強烈なヴィルトゥオーゾ性があればもっと良かった様な。




ブレット・ディーン (Brett Dean, 1961- )
オーストラリア人現代音楽家で、ヴィオラ奏者としてBPOにも在籍していましたね。活動の拠点はオーストラリアです。2017年のマルメ室内音楽祭の委嘱作品で二人に献呈、初演されていますね。

… the scene of the crime …
 無調でスローですが陰湿な暗い流れから入るのがここまでの楽曲との大きな違いです。そこからリズム変化を加えてテンポアップで表情を変化させてきます。静かな中に暗い緊張感が漂う面白い流れで、一番面白いですね。

 ★試しにYouTubeで観てみる?




二人のヴィルトゥオーゾ披露というよりも、作曲家の曲調を生かしたアルバムという感じですね。概ね穏やかで洗練されたBGMとしてもいいかもしれません。

個人的には二人のヴィルトゥオーゾの丁々発止的な競演を味わいたかったのですが、そこが残念な気がしてしまいます。




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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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