FC2ブログ

インゴ・メッツマッハーで聴く『英雄の生涯:R.シュトラウス | アメリカ:E.ヴァレーズ』& 『アメリカ』はミヒャエル・ギーレンと聴き比べ


インゴ・メッツマッハー (Ingo Metzmacher)
ベルリン・ドイツ交響楽団 (Deutsches Symphonie-Orchester Berlin)
新日フィルの"Conductor in Residence"(2013-2015)も務めて日本でも人気のドイツ人指揮者メッツマッハーですね。その最後のコンサートも行ってきましたが、演目はR.シュトラウスとE.ヴァレーズでした。メッツマッハーが得意としていたのは間違いなく、これは首席指揮者を務めた(2007-2012年)ベルリン・ドイツ交響楽団との録音です。

実は今週末(2018-12/15)のジョナサン・ノット/東響のコンサートがこの組合せなので、予習も兼ねてのインプレですね。







リヒャルト・シュトラウス
(Richard Strauss, 1864-1949)
言わずと知れたR.シュトラウス最後の交響詩ですね。個人的にも好きな後期ロマン派の一曲で、全6パートがアタッカで繋がっています。メッツマッハーは極少数派の第1稿を使っていますのでフィニッシュの盛り上げは無く、その前の静かな終焉になりますね。そこがポイントだったのですが。
「カラヤンのCDx3録音とシュトラウス本人のCDで聴き比べ」をインプレ済みです ➡️ こちら

英雄の生涯, Ein Heldenleben (1898年)
 緩やか優美なテーマ[1.英雄]から入り、嘲笑する敵と沈む心をコントラストを付けた[2. 英雄の敵]、vnの伴侶とオケの英雄が優美に語る緩徐の[3. 英雄の伴侶]はとても表情が豊かで素晴らしいですね。
敵や戦闘シーンを抑え気味にして落ち着きのある[4. 英雄の戦場]、[5. 英雄の業績]も後半の静的な美しさから最後の最終パートへ繋げています。この流れがメッツマッハーの意図した構成なのでしょう。最後[6. 英雄の隠遁と完成]も同じ構成で緩やかで心穏やかな流れを作って死を迎えます。看取るvn音色に心が動かされました。
"英雄"の勇ましさや勇敢さよりも心の表現を重視した流れで、人間としての英雄を描いた新しい"英雄の生涯"像です。




エドガー・ヴァレーズ
(Edgard Varèse, 1883-1965)
1915年にフランスから米国に渡ったヴァレーズはその初期作品を一曲のみ残して廃棄していますね。その後の第一作目がストラヴィンスキーの影響を感じるこの"アメリカ"になります。その後はクラスターを中心に空間音響や電子音楽を作り出して現代音楽の流れの一つを築き上げている現代音楽家ですね。
「ブーレーズCDx2録音とシャイーで"ヴァレーズ作品集"の聴き比べ」をしています ➡️ こちら

アメリカ, Amériques (1920年)
 静的パートに重心を置いている様に感じます。強音はもちろん炸裂的で華やかですが、静音の煌めきと落ち着いたスローな流れはストラヴィンスキー感は薄めです。新世界の派手な喧騒クラスターやサイレンは強調された感が薄く、蠢く陰の側にスポットを当てた様に感じますね。




新日フィル最後のコンサートでもそうでしたが、際立たせる迫力よりも感情表現を感じますね。"英雄の生涯"では、自己を見つめる様な流れに新しさを感じて共感できました。この流れですと第1稿がとても合っていますね。
"アメリカ"でも新世界大都市的な派手さよりも、そこに潜むものを表現しているかの様です。ただ、こちらはヴァレーズらしさが薄まっている感は否めません。

今更ですが、メッツマッハー/新日フィル 最後のコンサートは、これを聴いてから行くべきだった気がします。







ギーレン:アメリカ

ミヒャエル・ギーレンと首席指揮者(1986-1999年)を務めたバーデン=バーデン・フライブルクSWR交響楽団のアメリカを聴き比べてみましょう。



初めの静音パートからテンポがあって明瞭さが強いです。挟まれる等拍パルスも印象的で、現れるクラスターはパルス的で力強さ漲ります。攻撃的で静音パートも彫りが深く先鋭、全体に厚めで緊迫感ある構成、ラストの躍動・混沌も見事です。これぞヴァレーズの響!!
(強音軸足のこの盤か、静的パートに透明感をみせるSony盤ブーレーズがおすすめですね)




♬ 現代音楽CD(作曲家別)一覧


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kokoton

Author:kokoton
.
    




・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




ようこそ
カテゴリ
ありがとう