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B.A.ツィンマーマン「"Monologues" for two pianos」聴き比べ | コンタルスキー兄弟 vs エンリサ/シュフDuo


Monologues, for 2 pianos (1960-64年)
ベルント・アロイス・ツィンマーマン (Bernd Alois Zimmermann, 1918-1970)
B.A.ツィンマーマンは今までに数多くインプレ**しているので紹介は割愛です。ピアノ・デュオとオーケストラのための『Dialogues』(1960年) のピアノ・デュオ曲版として本人によりトランスクリプションされた曲ですね。
中期から後期に入るこの作品の後に、傑作「兵士たち (1965年)」と「ある若き詩人のためのレクイエム (1969年)」が世に送り出される事になるわけで、興味深いですね。

**♬ 現代音楽CD(作曲家別)一覧

今回はトルコ人ピアニスト:ギュルル・エンサリとルーマニア生まれでドイツのピアニスト:ヘルベルト・シュフのピアノ・デュオが同曲をリリースしたので、鉄板のコンタルスキー兄弟と聴き比べしてみようと思います。



ギュルル・エンサリ/ ヘルベルト・シュフ
Gülru Ensari / Herbert Schuch

ケルン在住のお二人はご夫婦だそうで、B.A.ツィンマーマンの生誕100周年としての選曲とか。(その年に亡くなったドビュッシー没後100年でもあります)
このピアノ・デュオ アルバム『DIALOGUES』にはドビュッシーとモーツァルトのDuo曲も入っていますが、直接B.A.ツィンマーマンの引用に使われている曲ではありません。




 "Hommage à Claude Debussy" とある通り、ドビュッシーへの5パートのオマージュ曲です。実際に"花火 (Feux d'artifice)"の引用が#4と#5のMonologuesに使われています。

点描音列配置をツィンマーマン風にしたMonologues I、それを炸裂的にコントラストを付けた II、強コントラストで暗い印象の III、ドビュッシー色の混沌 IV、ドビュッシー色に強烈さのコントラストが増す V、といった流れです。中期のセリエル時代作品の楽風で 圧倒的に最後の"Monologues V"がいいですね。
#2, #3, にモーツァルト、#4, #5にドビュッシーの引用が挟まれています。と言うかオマージュという通り、後半は新しいドビュッシー像?!の様です。
演奏は全体的に柔らかさを感じ、もっとバリバリに強音を弾いた方がB.A.ツィンマーマンらしい気がしますね。




コンタルスキー兄弟
Alfons & Aloys Kontarsky

ドイツ人兄弟ピアニスト・デュオ、兄のアロイスと弟アルフォンスですね。現代音楽で言えば、ダルムシュタット夏季現代音楽講習会での講師で長年活躍し、数々の初演をこなしてきました。20世紀を代表するピアノ・デュオでしたね。
本アルバムはコンタルスキー兄弟によるB.A.ツィンマーマンのピアノ曲集(二重奏曲・三重奏曲あり)になります。




I. ではより表情を深くタッチに彩りがあります。II. でも切れ味と激しさをディナーミクとアゴーギクで表現、引用パートの美しさも聴かせます。III. も響きの良さと間の取り方が素晴らしく引用は混沌化、IV. ではドビュッシー色というよりも前衛表現的です。V. も静と烈のコントラストを明瞭に打ち出してドビュッシーの引用ながら、より現代的な透明感と切れ味の流れです。
テクニック的にも表現的にも激しさと美しい透明感の見事なコントラストが際立ちますね。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?




セリエルを基にしながら、引用やトリルといった約束無視の強烈さ、まさにB.A.ツィンマーマンの魅力が詰まっていますね。
圧倒するコンタルスキー兄弟の演奏は、楽曲に磨きをかけて素晴らしい充実密度です。エンサリ/シュフは同CDのモーツァルトの様な軽快な流れを心地よく弾くパートに良さを感じました。

柔らかい表現のギュルル・エンサリ/ヘルベルト・シュフ、激しさと静美のコンタルスキー兄弟と言った感じでしょう。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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