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Lindquist - Hosokawa - Sørensen - Norderval | Trondheim Sinfonietta の「MANTRA」を聴く


MANTRA
Trondheim Sinfonietta
1998年にノルウェーで設立された現代音楽アンサンブル"トロンハイム・シンフォニエッタ"の創設20周年記念アルバムで、興味深い四人の現代音楽家の作品を集めていますね。
指揮は、作曲家としても活躍するノルウェーのカイ・グリンデ・ミューラン(Kai Grinde Myrann)です。






細川 俊夫
(Toshio Hosokawa, 1955- )
今更紹介不要の細川さんですが、個人的には近年のオペラ作品にとても魅力を感じています。今回は少し古い室内楽ですね。

Drawing for eight players (2004年)
 fl, ob, cl, pf, perc, vn, va, vc, の室内楽です。静的ドローン風の流れが基本構成ですから、ロングトーンの響きですね。そこに煌めきを加える様に各楽器が絡み、響きは増して空間を占める様になります。なんとも言えないこの美しさこそ細川さんのサウンドで、やっぱり素晴らしい!

 ★試しにYouTubeで観てみる?



ベント・セアンセン
(Bent Sørensen, 1958- )
デンマークの現代音楽家で、イブ・ ネアホルムやペア・ノアゴーに師事しています。オペラを始め管弦楽や室内楽と広く作曲活動をしていますが、残念なことに電子音楽には手をつけていません。欧前衛とは一線を画す北欧系現代音楽の姿勢ですね。

Minnelieder – Zweites Minnewater for chamber ensemble (1994年)
 『愛の歌 - 第二の愛の湖』もちろん無調ですが、トリル・トレモロのミニマルがベースにありそうで、その全体の流れが波を打つ様にうねった変化をし、とても面白い曲になっています。各楽器も協調性はありますが、基本ポリフォニーで北欧ポスト・ミニマルでしょう。



エレン・リンドクヴィスト
(Ellen Lindquist, 1970- )
北米と欧州で活躍する米人女性現代音楽家ですね。ソロから室内楽、管弦楽や歌曲と幅広い活動ですが、特徴的なのはダンスや詩を交えるパフォーマンスにあります。インスタレーションへの移行もありそうですね。

Mantra Concerto for gamelan and sinfonietta (2016年)
 CDタイトルナンバーで副題の通り「ガムランとシンフォニエッタのための協奏曲」です。静的な空間を使い「ガムラン=バリ民族音楽」の印象をうまくコントロールした空間音響系の現代音楽です。ガムランも空間の中に響きを作る一つのperc.楽器として使われていて、その旋律にバリ民族音楽和声が使われていても気になりませんね。



クリスティン・ノーダーヴァル
(Kristin Norderval, 1957- )
米女性現代音楽家にして前衛即興パフォーマンス活動家で、ニューヨークの"Ensemble Pi"のメンバーとしても活躍しています。声楽を得意として、前衛電子音楽との組み合わせに特徴があります。

Chapel Meditation for voice and plucked piano (2001年)
 即興で作られた曲で、スロー&シンプルなヴォーカリーズとピアノのDuo曲です。ピアノは弦を直接弾きます(plucked)が単音残響です。「礼拝堂の瞑想」とある通りでインド的な民族和声を使い、まさにインドの寺院で瞑想しているしているかの様です。




現代音楽アンサンブルと言ってもノイズやクラスターの前衛混沌ではなく、ドローンや空間音響といったアンビエント系の現代音楽ですね。民族音楽和声も取り入れていますが、うまく消化できている感じで違和感がありません。
騒々しさは無く、静的陶酔感もあるのでBGMとして流しておくのも'あり'のおすすめの一枚です。




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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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