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ベルトルト・ゴルトシュミット(Berthold Goldschmidt) の「The Goldschmidt Album」を聴く


ベルトルト・ゴルトシュミット
(Berthold Goldschmidt, 1903/1/18 - 1996/10/17)
先日もデッカ退廃音楽(DECCA Entartete Musik)シリーズの「The Concertos」を紹介しましたが、もう一枚同シリーズでの所有がありました。

今回はゴルトシュミットの三つの作曲年代、①在ドイツ時代、②イギリス亡命後、③1982年作曲再開後(1958年からの活動休止)、から①と③です。前回は②の1950年代作品集だったので、これでゴルトシュミットの全貌ですね。


The Goldschmidt Album
1930年代までの初期作品と、1990年代終盤期作品です。前衛時代背景は前回アルバムの1950年代の前衛セリエル真っ盛りから、今回はその前後。前衛黎明期と多様性時代で興味深いです。

ライナーノートには「Berthold Goldschmidt talks about his life and music」の質問形式の語りがあり、ブゾーニやシェーンベルクに習った事、前衛や十二音技法の影響、ショスタコーヴィチとの対面、等々語られています。


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Passacaglia, Op.4 (1925年)
City of Birmingham Symphony Orchestra, Simon Rattle (cond.)
多少の調性の怪しさを感じるものの、後期ロマン派の流れを感じますね。無調に入る前のシェーンベルク的と言ったらわかってもらえるでしょうか。この時代らしいのかもしれませんね。
本人はバッハのパッサカリアの影響であり、ヴェーベルンのパッサカリアは知らなかったとの事です。


Comedy of Errors - Overture (1936年)
City of Birmingham Symphony Orchestra, Berthold Goldschmidt本人 (cond.)
シェークスピアのコメディにインスパイアされた、より機能和声的な前奏曲です。もちろん怪しげな、大した事はありませんが、旋律感とショスタコーヴィチ色を感じますね。


Ciaconna sinfonica (1936年)
City of Birmingham Symphony Orchestra, Simon Rattle (cond.)
三楽章形式です。上記二曲を合わせた様な印象で、前回紹介も含めて この辺りがゴルトシュミットの作風と感じますね。


Chronica (1932-1985年)
Sinfonieorchester Komische Oper, Yakov Kreizberg (cond.), Timothy Hutchins (flute), Janet Creaser Hutchins (piano)
アンチファシストのバレエ曲としてドイツで1932年に書かれて、1985年に委嘱作品として完成させたそうです。
楽風はショスタコ風のままで、本人もアンチ・ロマン派的なスタンスに影響を受けたと言っていますね。展開感がやや平板で長く感じます。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  part1 Passacaglia のみです(3'弱)



Les Petits Adieux (1994年)
Montreal Symphony Orchestra, Charles Dutoit (cond.), François Le Roux (baritone)
四人の詩人のTextを使ったバリトンの歌曲ですね。1990年代に入り、強烈なショスタコ色は無くなっています。代わりに調性回帰が強く、時代が逆戻って後期ロマン派の歌曲の様です。どこかで聴いた様な…っていう感じでしょうか。


Rondeau (1995年)
Berlin Radio Symphony Orchestra, Berthold Goldschmidt本人 (cond.), Chantal Juillet (violin)
室内楽風の単一楽章ヴァイオリン協奏曲ですね。ここでも後期ロマン派的な流れに終始します。旋律感も強い流れで調性を超える様な和声は殆ど感じません。21世紀を目の前にどうしたのでしょう、マニエリスムと言うにしても?!って感じです。



主たる楽風がショスタコーヴィチの影響下にあった事が明瞭にわかるアルバムですね。
極初期と最後は類似的で特徴が薄い事もわかり、この一枚で全体像が見えるかもしれません。本人の言葉通りで前衛には組みさなかったと言う事でしょう。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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