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カロル・ラートハウス(Karol Rathaus) の「交響曲 第1番, 最後のピエロ」を聴く | デッカ退廃音楽(DECCA Entartete Musik)シリーズ


カロル・ラートハウス
(Karol Rathaus, 1895/9/16 - 1954/11/21)
ウィーンでF.シュレーカーに学んだユダヤ系オーストリア人近現代音楽家ですね。旧オーストリア=ハンガリー帝国生まれで、ナチスに退廃音楽の烙印を押されてドイツ(ワイマール)から逃れパリ、ロンドン 最後はニューヨークで活動していました。
楽風は前衛ではなく、映画音楽も手がけて20世紀初頭の最後の後期ロマン派末裔でしょうか。


Sinfonie Nr. 1, Der letzte Pierrot
前回に続きデッカ退廃音楽(DECCA Entartete Musik)シリーズから、ラートハウス初期の修行時代の作品です。得意とする交響曲とバレエ音楽ですね。
演奏はイスラエル・イーノン(Israel Yinon)指揮、ベルリン・ドイツ交響楽団(Deutsches Symphonie-Orchester Berlin)です。






交響曲 第1番, Sinfonie Nr. 1 Op.5 (1922年)
二楽章形式です。幽玄な美しい旋律には若干の不協和音がありますが、所謂(いわゆる)現代音楽感はありませんね。少しクラスター的な管楽器の響きを重視している第一楽章、やや不安定な流れで緩徐的な第二楽章。現代音楽的イメージがあるとすれば、印象的な主題・動機といった明確さがない事でしょう。


最後のピエロ, Der letzte Pierrot Op.19 (1927年)
全三幕のバレエ音楽です。5年間での楽風変化は少なく、バレエ曲という事で単一楽器のソロ・パート表現が増えているのが特徴的でしょう。そしてそれが調性を強く感じさせて聴き易さを感じさせますね。当然表情変化も大きく取られているので展開感があり、こちらの方が楽しめると思います。ストラヴィンスキーの影響を取りざたされますが、従来音楽の延長線に感じられますね。

 ★ 試しにYouTubeで観てみる?
  第二楽章ピアノver.です。ピアノ・アレンジはラートハウス本人ですね。




時代背景(1920年代)は、無調から十二音技法が生まれてセリエルに向かう前衛黎明期でしょう。この時代のクラシック音楽らしく、多少の不協和音(調性拡張のための無調?)と象徴的な旋律を作らない流れです。もちろん前衛現代音楽とは無縁ですが、怪しげに聴こえるかもしれませんね。

前衛現代音楽の対抗がマニエリスム(調性回帰)だとすれば、そこにも入らず時代の折衷的象徴の感じですね。でもバレエ曲は悪くないので、中後期作品も聴いてみたくなりました。



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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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