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ザルツブルク音楽祭2018 チャイコフスキー 歌劇「スペードの女王」を NHKプレミアムシアターで観る

SALZBURGER FESTSPIELE 2018 "PIQUE DAME"、チャイコフスキーのオペラ『スペードの女王』ですね。プーシキン原作ですが、台本は弟モデスト・チャイコフスキーで大きく改変されています。


SALZBURGER-FESTSPIELE-2018-PIQUE-DAME.jpg
(写真はオフィシャルサイトより)


何にしても注目は演出のハンス・ノイエンフェルスでしょう。かの2011年のバイロイト音楽祭の『ネズミのローエングリン』で大センセーションを巻き起こしたのが記憶に残りますね。
エンディングも弄ってアヴァンギャルドになるでしょうか。今の時代の演出ですから期待は大ですね。
人気のマリス・ヤンソンス/VPOも楽しみです。



演出

18世紀末のロシアが舞台ですが時代設定は当然無視、前衛で予想通りの表現です。
プロローグでいきなり主人公二人が前振りで登場、夏の公園で遊ぶ子供達は檻に入れられ、女性達は首から大きな乳房をぶら下げる。女帝エカチェリーナII世は骸骨で登場、伯爵夫人は丸坊主で赤い靴、と要所でアヴァンギャルドです。でもエンディングも殊更は無く、要所だけでしたね。

第二幕の仮面舞踏会などは格好な表現の場と思いましたが、多少面白い出で立ち程度の気がしてしまいます。全員羊でも良かったのではw


舞台・衣装

黒い舞台に背景は時にプロジェクションマッピング、単純化された舞台道具。衣装はもちろん年代に関係ない現在のデザイナー作品でしょう。脇役は白や黒基本、各配役には赤や青、緑のビビッドな色使いがされています。シンプルそのもの。


配役

全員が十分に楽しませてくれたと思います。
男性陣、まずは全7場に登場するゲルマン役のジョヴァノヴィチですが、プロポーション的に顔がとても大きく 被り物でもしているみたいですw 演技は狂気も見せて熱演・熱唱でしたね。エレツキーのゴロヴァテンコ、トムスキーのスリムスキー、チェカリンスキー役クラベッツ、三人いずれもバランスの良い演技・見栄えで存在感は素晴らしかったですね。ポリフォニカルな多重唱もバランス良く歌われていました。

女性陣ではタイトルロール「スペードの女王」老伯爵夫人のシュヴァルツ75歳の存在感ですね。第二幕ではその老練さが見事さでした。リーザのムラヴィエワは伸びのある美しいソプラノで演技も良かったですが、少し余裕が欲しい印象を受けました。


音楽

抑えの効いた落ち着きとまとまりの良さを感じる演奏で、木管の鳴りが美しいのはウィーンフィルらしさでしょうか。



全体としてはノイエンフェルスらしい前衛性は控え目。フルに発揮されていたとは思えませんでした。ストーリー上の表現、ヴィジュアル表現ともに抑え気味で、どうせならもっとアヴァン・ギャルドな舞台を期待しますね。

素晴らしかったのはキャスト全員が見事で楽しめた事!!ですね。
シュヴァルツの坊主頭はズラでしたが、どうせなら本当に剃ってしまえば良かった様な…




<出 演>
ゲルマン:ブランドン・ジョヴァノヴィチ [Brandon Jovanovich]
エレツキー公爵:イゴール・ゴロヴァテンコ [Igor Golovatenko]
リーザ:エフゲニア・ムラヴィエワ [Evgenia Muraveva]
伯爵夫人:ハンナ・シュヴァルツ [Hanna Schwarz]
トムスキー伯爵/プルータス*:ヴラジスラフ・スリムスキー [Vladislav Sulimsky]
       (*第二幕劇中劇)
チェカリンスキー:アレクサンダー・クラベッツ [Alexander Kravets]


<合 唱> ウィーン国立歌劇場合唱団
     ザルツブルク音楽祭および劇場児童合唱団
<管弦楽> ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 [Wiener Philharmoniker]
<指 揮> マリス・ヤンソンス [Mariss Jansons]
<演 出> ハンス・ノイエンフェルス [Hans Neuenfels]


収録:2018年8月2・10・13日 ザルツブルク祝祭大劇場(オーストリア)




(公式Trailer:ノイエンフィルスのインタビューも入っています)



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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