FC2ブログ

ヤニス・クセナキス(Iannis Xenakis) の電子音楽曲集『Electronic Music』を聴く


ヤニス・クセナキス
(Iannis Xenakis, 1922/5/29 - 2001/2/4)
ギリシャ系フランス人(ルーマニア生まれ)の現代音楽家ですね。ビッグネームで今更なのですが箇条書き的紹介文です。
・第二次大戦時代にレジスタンス活動で左目を失い耳も損傷を受ける。 ・建築家として活動、その数学的素養をベースに現代音楽を始める。(パリ音楽院でメシアンから数学を生かす事を諭された話は有名ですね) ・ドナウエッシンゲン音楽祭成功やH.シェルヘンからの賛辞を受け、図形楽譜から電子音楽にも手を広げUPICを完成させる。 ・晩年はアルツハイマーで苦しみ、来日では弟子であり盟友の高橋悠治の手を借りていた。 ・最後は自ら音楽活動を終止させた。

といった感じでしょうか。その音群的サウンドはヴァレーズを思い起こさせて、管弦楽や電子音楽に素晴らしさを感じますね。

実はこのブログでは、クセナキスの他 ブーレーズ, シュトックハウゼン, といった前衛現代音楽の古典、黎明期(=最盛期?w)ポスト・セリエルのビッグネームのインプレは避けています。もちろん大好きでしたしアルバムもそれなりの枚数になりますが、今の時代に今更のインプレも腰が引けるのも事実ですね。



Electronic Music
というわけですが、久しぶりにクセナキスの電子音楽を聴いてみたくなりました。このアルバムは好きな一枚で初期を中心に1957年作から晩年の1992年までの電子音楽曲が並びます。その楽曲変化も楽しめるのが素晴らしいですね。

建築家時代の師ル・コルビュジエがブリュッセル万国博覧会(1958年)でフィリップス館の建設時、エドガー・ヴァレーズの大作電子音楽『ポエム・エレクトロニーク』と共に演奏された『Concret PH』や、大阪万博で披露された壮大な『ヒビキ-ハナ-マ (響-花-間)』が入っているのも嬉しいですね。実は中学生の時に現地で聴いているのですがグァーンとした音印象しか残っていませんw







Diamorphoses (1957年)
ロケットの噴射音に雷鳴や通信ノイズ(所謂ホワイトノイズ的)が絡む様な音です。今の時代だと一捻り足りない気もしてしまいますが、まだシンセサイザーの姿形もない60年前に作られた事が凄いですよね。


Concret PH (1958年)
パビリオンのConcret Paraboloïde Hyperbolique(コンクリート双曲線放物面)の略ですね。
プチプチ・キラキラとしたノイズ系サウンドです。その中にガラス片を混ぜる様な音が絡んでいます。3'弱、そんな音ですね。音底に低いドローン音も見えます。


Orient-Occident (1960年)
ユネスコ委嘱作でロングトーンの反響音の様になっていますね。中後期に繋がる作風の変化が見られ、切れ味の鋭いポリフォニーなクラスター音塊が発生してきます。それまでのノイズ一辺倒から、ノイズ系音楽への進化ですね。今の時代にあっても違和感がありません。


Bohor (1962年)
静的な空間に音を散りばめる様な変化を見せていますね。洞窟で採掘している音をキラやかにしたみたいです。それが緩やかに増幅して空間を満たし、混沌の音塊となって行きます。空間音響的クラスター、まさにクセナキスですね。


Hibiki-Hana-Ma (1970年)
オリジナルのアナログのダイナミックレンジを生かすためにノイズ・リダクションをかけていないとの事です。
強烈な弦楽グリッサンドの様なノイズ音が空間を縦横無尽に走り回り、空の中にキラキラとした音や花火の弾ける様な音、三味線(何かの打音?)等々のサンプリング音、全てが炸裂して狂気させ感じる強烈な大洪水コラージュです。ちょっとB.A.ツィンマーマンを思い出させますね。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる? 是非!!


S. 709 (1992年)
通信ノイズのキョロキョロ・ジャリジャリとした音、そこに音階を見せながら進んで行きます。楽風としたら1950年代のノイズに戻った様な気配です。



今更クセナキスもないとは思うのですが、三曲目"Orient-Occident"ではノイズ系電子音楽の、次の"Bohor"は空間音響系の 原点を感じ、今でも通用する欧前衛エクスペリメンタリズムでしょう。それに"Hibiki-Hana-Ma"が頂点をなす三曲はやっぱり最高、素晴らしい混沌の空間音響クラスターの炸裂です

音空間にして聴く事を強くお勧めします。ヘッドフォンで大音量もいいのですが、出来れば空間に音を満たしてその中にいる気分が良いかと。(難しいのは承知で恐縮です)

録音技術進化で後年アルバム化された素晴らしい管弦楽(全集)・他もあるので、いつの日かインプレしたくなりました。




♬ 現代音楽CD(作曲家別)一覧
🎶 北欧現代音楽CD(作曲家別)一覧




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kokotonPAPA

Author:kokotonPAPA
.
    




・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。





カレンダー
09 | 2018/10 | 11
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
ようこそ
カテゴリ
ありがとう