FC2ブログ

クールで洒脱なBGM:エレーヌ・グリモー(Hélène Grimaud) の『メモリー Memory』を聴く


エレーヌ・グリモー
(Hélène Grimaud, 1969/11/7 - )
グリモーも今年で50歳になるんですねぇ。前回のアルバム『Water』と同じ様なジャケットを見ると髪を切ってショートにしてさすがに老けたかな。っていうくらいお馴染みの米在住フランス人ピアニストですね。
全集物やその他もあるのですが今ひとつスタイルがわかりづらいというのが個人的印象です。レパートリーがドイツやロシアの大物作曲家というのもあるかもしれません。(ピアノ曲は敬遠気味w)


メモリー
サティにドビュッシー、Waterに続きグリモーらしからぬエモーショナルな曲を並べて来たアルバムです。ピアノソロはこの手の楽曲の方が人気が出るからでしょうか?!w 11月来日公演予定で、もちろん本アルバムのレパートリー(+ラフマニノフも入れてますね、やっぱり)ですね。

アリス=紗良・オットが先日リリースした『ナイトフォール Nightfall』と曲が被ります。印象の違いは最後にインプレしておきましょう。両方ともDGなのでツアーも合わせて販売路線w






シルヴェストロフ:バガテル第1番, 第2番
両曲ともに透明感のある抑揚を殺した静&スローです。曲の持っている穏やかで澄んだ旋律が生きていて素晴らしいですね。


ドビュッシー:アラベスク第1番, レントより遅く, 月の光, 夢想
緩やかなアゴーギクがかかったアラベスクは明るく明瞭さが強いですね。"レントより遅く"と"夢想"はさらにディナーミクも付けて表情があります。"月の光"は美しさとエモーショナルさを緩いアゴーギクとディナーミクで強調して甘美です。


サティ:グノシエンヌ第1番, 第4番, ジムノペディ第1番, 冷たい小品/2.ゆがんだ踊り第1,2曲
グノシエンヌは冷たい音色と緩いアゴーギクのマッチが良く繊細なサティらしさが出ていましたね。ジムノペディではより表情を抑えて実にクールで好きですね。


ショパン:ノクターン第19番, マズルカ第13番(作品17の4), ワルツ第3番
ショパンの選曲は技巧パート強調がない事でしたね。ノクターンとワルツはディナーミクを他の曲より強めに付けて感情表現を入れていました。マズルカでは冷めた流れにディナーミクの波を挟んでいましたね。


ニティン・ソーニー:ブリージング・ライト
Waterの時とは違い普通のピアノ曲で、一番強いタッチの表現でした。



作曲家毎に揺さぶり具合が違うのが興味深いです。ディナーミクやアゴーギクを抑えたシルヴェストロフとサティのクールな情感表現は素晴らしかったですね。ショパンやドビュッシーあたりの色付けが本来のグリモーかもしれませんが、いずれ部屋で静かにかける洒脱なBGMとしてはクールな一枚でおすすめです。

透明感あるピアノの音色は良いのですが、エコーがかかった様な残響音が少し気になります。(ペダリングではありませんね)




《アリス=紗良・オットNightfallと重なる四曲*の印象の違い》
*サティ (グノシエンヌ#1, ジムノペディ#1)、ドビュッシー (夢想、月の光)
オットは揺さぶりを抑えスローで静、淡々としたクールな表現でした。グリモーもクールですが、澄んだ音色の中にアゴーギクとディナーミクを入れて表情を付けていますね。
アルバムとしてはオットNightfallには強音パートで知られるラヴェル"夜のガスパール"が入っているので全曲エモーショナルではありません。






テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kokoton

Author:kokoton
.
    




・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




カレンダー
11 | 2018/12 | 01
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
ようこそ
カテゴリ
ありがとう