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「 Suidobashi Chamber Ensemble 」で ヴァンデルヴァイザー(Wandelweiser)楽派 を聴く / Jürg Frey, Michael Pisaro and Antoine Beuger


Suidobashi Chamber Ensemble
昨日に続き実験音楽Ftarriさん(東京-水道橋)のmeennaレーベルのインプレです。今回はヴァンデルヴァイザー(Wandelweiser)楽派の音楽家三人を取り上げたアンサンブル作品集になりますね。
演奏はタイトル名のアンサンブル(SCE)で、Ftarriさんでのライブとセッションです。SCEは池田若菜さん(リーダー)が杉本さんの協力の元に編成された現代音楽/実験音楽の室内楽でメンバーは以下になりますね。

 ・池田若菜 (フルート)
 ・池田陽子 (ヴィオラ)
 ・内藤彩 (ファゴット)
 ・大蔵 雅彦 (クラリネット、バス・クラリネット)
 ・杉本拓 (ギター)


本アルバムは作曲者三人に連絡をとりアドヴァイスをもらって演奏しているとの事です。







ユルク・フレイ
(Jürg Frey, 1953/5/15 - )
ヴァンデルヴァイザー(Wandelweiser)楽派のスイス人現代音楽家にしてクラリネット奏者、スイス在住でクラリネットの指導もしています。Wandelweiser Komponisten Ensemble(ヴァンデルヴァイザー楽派のトップメンバーで構成されています)のメンバーとしても活躍していました。

Exact Dimension without Insistence, for flute, clarinet
ほぼ無音の世界にほんの時折フルートとクラリネットの音が鳴ります。それも緩い単音一回、鳴るのは1回/1分程度です。耳を攲てると何かゴソゴソと音も聴こえますが、スコアがないので環境音かもわかりません。それも含めて"音(楽)"なのかもわからないのですがw
部屋の中にも色々な微音が存在しているのも意識されます。それがヴァンデルヴァイザー(Wandelweiser)楽派の典型でしょうね。この曲が一番極端な静音です。




マイケル・ピサロ
(Michael Pisaro, 1961 - )
米現代音楽家でギタリスト、J.フレイと同じくWandelweiser Composers Ensembleのメンバーですね。詩をテーマにした音楽やフィールドレコーディングも精通して、楽曲は欧米やアジアの音楽祭でも取上げられています。ノースウェスタン大学で作曲と音楽理論の教職にもついていました。

Flux [Harmony Series No. 8A], for viola, guitar
ハムノイズの様な音、弦を擦る音、そんなノイズ"音"が静かに単音域で発生します。フレイに比べると無音空間は少なめですが、気配は同じです。

Pas [Harmony Series No. 8C], viola, bassoon
[8A]に比べると音は明瞭な音色になります。そこが大きく変わりますね。単音(多分一つの音でしょう)が楽器を入れ替えて出てくる感じです。もう一つ違うのは二つの楽器が同時に音を出すという事があります。

Festhalten / Loslassen, flute, bass clarinet, bassoon, guitar, viola
ノイズ系ですね。静音の特殊奏法の音色がひっそりと互いに強調しながら発音しています。明瞭な音階はありません。(後半に一部音階変化があります) また静音の中にディナーミクと合奏音の音色で表情が作られています。という意味で"音楽"になっているかもしれません。




アントワン・ボイガー
(Antoine Beuger, 1955/7/3 - )
オランダのヴァンデルヴァイザー楽派の現代音楽家でフルート奏者ですね。本格的に作曲活動に入ったのは1990年代からで遅咲きかもしれませんね。もう少し知りたいのですが情報が不足です。

Vegetable Rustling, flute, bassoon, guitar, viola
無音の中に各楽器が発する単音(同一音ではない)でハーモナイズされています。そこが一番の違いでしょう。一楽器単音の方が少ないくらいです。各楽器の音は機能和声で倍音的な色合いを感じます。この曲も表情があると言って良いと思いますね。




無音の中に静かな単音が発せられるだけで旋律はありません。時に単一楽器、時に複数、そして音はp,pp,ppp、そんな感じがヴァンデルヴァイザーです。

曲によってはCDでは無音でも耳を攲てていないと何か"音"が出ているかもしれません。FtarriさんのLiveでもそうですが、空調音に負けてしまう様な細い音も存在しているので、静かな部屋で張り詰めて"音"を探るのも楽しみです。(ステージがあると何らか音を出しているかも…なんてわかりますがw)

杉本拓さんの「いつも聴く音楽ではなくディズニーランドの様に楽しみたい時に聴く」(意訳)、というのがピッタリきますね。




♬ 現代音楽CD(作曲家別)一覧


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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後期ロマン派以降、現代音楽とマーラー交響曲(#5, #6, #9)を中心に楽しんでいます。


[2017年12月9日]
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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