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ルトスワフスキ(Witold Lutosławski) の 交響曲第3番、ルトスワフスキ本人とエサ=ペッカ・サロネンで曲構成も合せて聴きいてみましょう


ヴィトルト・ルトスワフスキ
(Witold Lutosławski, 1913/1/25 - 1994/2/7)
ポーランドの現代音楽家としてはシマノフスキと並んで好きな一人です。楽風等は前回の「交響曲全集」で書いていますので割愛です。
今回はヴィト指揮/都響コンサート(2018/9/6)の予習ですね。本当はヴィト/ポーランド国立放送交響楽団[NAXOS]を聴くべきでしょうが未所有なので次の2CD(本人とサロネン)で聴き比べしておきます。



交響曲 第三番, Symphony No.3
完成までに手間がかかったシカゴ交響楽団からの委嘱作品で、第二番と並ぶ代表作ですね。一楽章形式とある事が多いですがルトスワフスキによると二楽章で以下の様な構成だそうです。

 ① 導入部  (短い4連音:運命のリズム)
 ② 第一楽章 (三つのエピソードの後には短く緩やかな間奏が入る)
  - #1エピソード《祈り, Invocation》速く
  - #2エピソード《一連の練習曲, Cycle of Etudes》遅く
  - #3エピソード《トッカータ, Toccata》より遅く
 ③ 第二楽章 《讃歌, Hymn》(連続4連音の後にトゥッティからの流れ)
 ④ エピローグ  (ロマンティックな長調)
 ⑤ コーダ    (短く速いラスト)

とは言え、個人的には "第一楽章は自由なソナタ(提示/展開/再現, コデッタ/コーダを感じます)、第二楽章は長い一つのエピソード" といったイメージです。

技術的には木管中心にad lib.動律(アドリブ)、チェーン形式(ad lib.動律と通常の繰り返し)が盛り込まれて「管理された偶然性(アレアトリー, Limited Aleatorism)」が展開されています。



ルトスワフスキ指揮 / ベルリンフィル


第一楽章 #1エピソードはもやっとした弱音アレアトリーパートに4連音の刺激です。何かが蠢く様な印象ですね。#2エピソードでは各楽器がややスローなアレアトリーを作りますが音色は鮮明になります。人気のない夕暮れ時の様な気配です。#3エピソードは#1回帰の弱音ですが、流れはより緩やかになっています。(ルトスワフスキが言う"基本テンポは変わらずにリズムユニットが長くなる"のがわかりますね) 全体的にこもった弱音の印象です。
第二楽章 激しい4連音に続きトゥッティと弦楽主体に暗く澱んだスローの組合せで動と静のコントラストです。澱んだ静音パートがここでも今ひとつ、トゥッティはBPOらしさ?でしょうか。混沌刺激的なパートは良いですね。
エピローグ やや沈んだ気配の弦の旋律と蠢く木管の後、美しい弦楽の音色で現れます。大きく広がって弦のレチタティーヴォを経てテンポアップのコーダから4連音で閉じます。


スローなアレアトリーにもやった印象が残る演奏です。強音パートは悪くないのですが、全体的に表情が薄く感じますね。

BPOはちょっと… 本人指揮はいつかポーランド放送響で聴いてみたいと思っています。






エサ=ペッカ・サロネン / ロサンジェルス・フィル


(右は交響曲全集になります)

第一楽章 #1エピソードのアレアトリーパートでは小刻みですが明確に音を作ってきます。やや速めで明瞭さを感じますね。#2エピソードではややスロー化、魍魎の世界を歩く様な気配です。#3エピソードはスローな背景になり、そこに各楽器が刺激的に乗ってきます。音の表情を感じますね。
第二楽章 トゥッティの激しさは抑えめですがシャープですね。弦の沈んだスローのアレアトリーをうまく生かしています。スローとトゥッティの入れ替わりで表情があります。
エピローグ 終盤緩やか穏やかに現れます。スローで広がりを見せて美しさが光ります。コーダはカラフルですね。


音の鳴りが明瞭に使われてシャープな演奏です。華やかな色彩感がありますね。




陰鬱と刺激のルトスワフスキ、色彩と明瞭さのサロネン、といった感じでしょうか。個人的な好みはサロネンですね。

数回聴いて曲の構成がわかってくるとより面白くなりますね。ルトスワフスキの方がレチタティーヴォなど明確です。当然の事ですがw



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後期ロマン派以降、現代音楽とマーラー交響曲(#5, #6, #9)を中心に楽しんでいます。


[2017年12月9日]
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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