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2018年8月25日 イェルク・ヴィトマン《室内楽》Chamber Music Works, in サントリーホール サマーフェスティバル2018

残暑厳しい東京の午後3時、楽しみにしていた『サントリーホール国際作曲委嘱シリーズ』で六本木まで行ってきました。

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毎年恒例、今年No. 41回のテーマ作曲家はイェルク・ヴィトマン(Jörg Widmann)、監修は細川俊夫さんという楽しみなセッテイング。今日は室内楽で全曲ヴィトマン作、そしてブルーローズ(小ホール)は演奏者が間近に感じられて楽しめるのがポイントですね。

 クラリネット(cl):イェルク・ヴィトマン
 ヴァイオリン(vn):カロリン・ヴィトマン
 ピアノ(pf):キハラ良尚
 ホルン(hr):福川伸陽
 オーボエ(ob):吉井瑞穂
 ファゴット(fg):小山莉絵
 弦楽四重奏:辺見康孝:Vn, 亀井庸州:Vn, 安田貴裕:Va, 多井智紀:Vc








ミューズの涙 (1993/1996年)

cl, vn, pfの三重奏曲です。clとvnで幽玄な流れを作ると、pfが加わって表情が変わります。静と即興的な激しさにポリフォニー、モノフォニー、ホモフォニーが入り乱れます。19歳の作品で短二度短三音の下降音階で成り立っています。


エア (2005年)

ホルン・ソロ曲です。無調の旋律が流れるのですが、奏者の背後に置かれたピアノが共鳴するのがポイントですね。技法的には別に新しくもないのですが、素晴らしく美しい残響音を残して空間音響の楽しさが味わえました。盛込まれた技巧よりも演奏のエモーショナルさが良かったです。


3つの影の踊り (2013年)

ヴィトマン本人のクラリネット・ソロ曲です。ステージの左右と中央に譜面台がセットされて、三ヶ所で演じます。一番面白かったのは左で、特殊奏法、クラッタリング?、を中心に最後は叫び声で締めました。タメスティ(va)をフィーチャーしたアルバムでもやってましたね。


弦楽四重奏曲第3番「狩の四重奏曲」 (2003年)

作曲の基本はスケルツォで、明るさだけでなく影になった攻撃性などを表現しているそうです。民族音楽の色合いも感じるクイックで激しい即興的ポリフォニーな流れで、掛け声付き。凶暴なボウイングで弓の糸はボロボロです。最後はvn,va三人が弓を振ってチェリストを打ち付ける様にして終わります。なんでも狩をする側が最後は狩られるのだとか。チェロの「やられたッ!!」っていうのも含めて笑いが起こる楽しさでした
この曲はアルディッティ弦楽四重奏団に献呈されたとの事、これでイメージ湧きますかねw


「エチュード」第1巻 (第1~3曲) (1995,2001,2002)

ヴァイオリン・ソロ曲で、妹カロリンさんですね。ここでもステージに7つの譜面台が置かれ、向かって右から左へ移動します。エチュードなのですが、現代音楽なので音楽的な技術の盛込みはわかりません。解説では、1.楽器の持つ残響の検証、2.コラールからヴィルトゥオーゾへ、3.左手の為のエチュードだそうです。微分音パートや三曲目の技巧性は印象的でしたね。


五重奏曲 (2006年)

cl, pf, hr, ob, fg編成の興味深い五重奏です。同編成で曲(K.452)を作ったモーツァルトに敬意を表しているそうで短い18のフラグメントから出来ています。
鬱で幽玄ななかに、対位法を配している様ですが、例によってポリフォニー・ホモフォニー・モノフォニーが絡んでいます。そして静の中のクラスター出現、協調した短いタンギングでの表情付けや無調ですが旋律は存在すると言ったヴィトマンらしさが全て盛込まれた楽曲ですね。時に調性までも感じました。


アフタートーク [ヴィトマン&細川俊夫]

面白かったですが、ヴィトマンはお話が長いですねw 技巧的な話はありませんでしたが曲にまつわる話は聞けました。
8/31の《管弦楽》でのサントリーホール委嘱・世界初演の『ヴァイオリン協奏曲第2番』は日本のオーディエンスへの感謝を表し、妹カロリンさんの為に作ったとの事。特に始めのパートの響はサントリーホールをイメージしたそうです。行かれる方は楽しみに!!
(遅れていてパート譜が出来ていない処もあるとか。細川さんがバラしてましたw)



ソロから五重奏までヴァリエーション豊かに楽しませてもらえました。
特にホルン・ソロの『エア』の美しさ、楽しさいっぱいの『狩の四重奏曲』、ヴィトマンのヴァリエーションを揃えた『五重奏曲』は、魅力溢れるヴィトマンの世界が堪能できましたね。もちろん全楽曲特殊奏法バリバリで、日本人演奏者の皆さんも素晴らしかったです。

次は31日の《管弦楽》ですが、残念ながら都合が付かず。行ける皆さんが羨ましいです。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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