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フィリップ・グラファン(Philippe Graffin) と イェルゲル・ブランケン(Jelger Blanken) の「Pijper & Escher / Violin Sonatas」を聴く


フィリップ・グラファン (vn. Philippe Graffin)
イェルゲル・ブランケン (pf. Jelger Blanken)
ビッグネームとの共演も多いフランス人ヴァイオリニストのグラファンが、オランダ人ピアニストのブランケンをパートナーにした近現代のヴァイオリン・ソナタ集ですね。
この二人は2010年9月のGergiev Festivalでオランダの初期現代音楽家のヴァイオリン・ソナタを演奏しています。これはその延長線上にあるアルバムになり、作曲家は全てオランダ人が選ばれていますね。




ウィレム・ペイペル (Willem Pijper, 1894/9/8 - 1947/3/18)
ユーレヒト音楽院で学びアムステルダム・ロッテルダム両音楽院で指導にも当たっていたオランダ国内で活動した現代音楽家です。初期はマーラーの影響があり、1920年頃より無調に踏み込みますが調性を放棄する事は無かった様です。この時代のオランダ現代音楽を代表する一人です。
■ Sonata No.1 for violin and piano (1919年)
僅かに不協和音を混じえますが、後期ロマン派と印象派、民族和声を合わせた様な折衷さです。強弱もあり美しい調べと言っていいでしょうね。

■ Sonata for violin solo (1931年)
四楽章のソロで和声の自由度は広がり、調性を大きく飛び越す事はありませんが表現は豊富になっていますね。ちょっと技巧性も感じて面白いです。ただ、四楽章とも似た感じなのは気になりますが。

■ Sonata No.2 for violin and piano (1922年)
NO.1の3年後ですが無調に一歩踏込んだ事がわかります。美しい音色を基調としているのは同じですが、俄然面白くなって来ていますね。三曲の中では一番興味深いです。

 ★ 試しにYouTubeで聴いてみる?



ルドルフ・エッシャー (Rudolf Escher, 1912/1/8 - 1980/3/17)
ロッテルダム音楽院で上記ペイペルに師事しています。仏印象派や宗教曲の影響を受け、ポリフォニー構成が特徴ですね。画家のエッシャーは叔父にあたります。
■ Sonata for violin and piano (1950年)
即興的ポリフォニーではなく変奏的な旋律を絡めます。pfの二声部もポリフォニー的ですね。無調でしょうが混沌ではなく調性の延長線上にあるので聴きやすいですね。新古典派を無調化したらこんな感じ?!



アレクサンデル・フォールモーレン (Alexander Voormolen, 1895/3/3 - 1980/11/12)
ユーレヒト音楽院の同級生にペイペルがいますね。パリ留学でルーセルに師事し、ラヴェルやディーリアスに厚遇されていたそうで、仏印象派の傾向です。後年にはM.レーガーらの影響を受けている様です。
■ Pastorale for oboe and piano (1940年)
まさに印象派の音色ベース、機能和声の美しい楽曲です。悪く言うと時代錯誤的かもしれません。なぜここに?!



トン・デ・レーウ (Ton De Leeuw, 1926/11/16 - 1996/5/31)
メシアンに習い、若い頃はベルトークの影響もある様です。インドやジャワも訪れ民族音楽を志向していましたね。技法的には微分音を駆使する作曲でした。
■ Sonatina for violin and piano (1955年)
基本は機能和声の速度変化の揺さぶりをつけた曲です。明確な微分音はわかりませんが後半に不協和音を挟んでいます。もちろんpfは微分音を出せませんね。(調律や特殊奏法なら別ですが)

■ Improvisation on the Dutch Christmas carol 'Midden in de winternacht'
特殊奏法らしき音色の静音vnと点描pfでクリスマスキャロルをやっています。一番前衛的で面白いです!!



いずれも完全無調、セリエルの様な、ではなく調性ベースに無調化の様な和声ですから違和感は薄いですね。「ちょっと気持ち悪いけど楽しめる」的でしょうw
前衛隆盛へ向かう時代、当時の前衛先端メンバーからは攻撃の対象となった様な気がしますね。

グラファンのvnに特筆する様なものは感じられませんでした。音色も細くも太くもキレキレでもありませんね。ブランケンのpfは少し煌きがあって悪くない感じですね。




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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。





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