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現代音楽の『MUSICA VIVA』シリーズについて:MUSICA VIVA 03 / Ustwolskaja, Rihm, B.A.Zimmermann


MUSICA VIVA
まずはMUSICA VIVAシリーズについてですね。
『ムジカ・ヴィヴァ・ミュンヘン (Musica Viva München)』シリーズはCol Legnoレーベルのヴルフ・ヴァインマン(Wulf Weinmann, owner and label manager)が、バイエルン放送局主宰の同音楽祭(設立は1945年Karl Amadeus Hartmann)の音源をリリースしたものになりますね。

基本的には欧州エクスペリメンタリズムで、ダルムシュタットやドナウエッシンゲンと同列の音楽祭でお馴染みの顔ぶれとなります。現代音楽ファンには知られたシリーズですね。
その後ヴァインマンが新たに設立したNEOSレーベルに引き継がれる事になります。


MUSICA VIVA 03
三人の現代音楽家を取り上げていますね。いずれもビッグネームで、演奏はバイエルン放送響(Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks)になります。

Galina Ustvolskaya (ガリーナ・ウストヴォーリスカヤ, 1919/6/17 - 2006/12/22)
後期の反復とクラスターとモノフォニーの個性的な音が一時期人気を博しました。少し古い20世紀の現代音楽家としては好きな一人です。

Wolfgang Rihm (ヴォルフガング・リーム, 1952/3/13 - )
言わずと知れたドイツの現代音楽家で三人の中では唯一存命、まだ66歳、ですね。後期ロマン派との折衷的な作風で当時の前衛シュトックハウゼンやブーレーズとは相反するものでしたね。前衛の衰退後「新しい単純性」などを標榜しますが、ラッヘンマン達のエクスペリメンタリズムとは歩調を合わせませんでした。アコースティックに拘り、作品数が多い、個人的には聴く機会が少ないです。

Bernd Alois Zimmermann (ベルント・アロイス・ツィンマーマン, 1918/3/20 - 1970/8/10)
好きなちょっと古い20世紀の現代音楽家B.A.ツィンマーマンです。10CDほどですがインプレもしてあり、その中に全体印象を残してあります。→ こちら


♬ 現代音楽CD(作曲家別)一覧




Sinfonie Nr. 3 - Jesus Messias, Errette Uns! (1983年) / Galina Ustwolskaja
 [Conductor – Markus Stenz, Voice – Valeri Scherstjanoi]
旧ソ連時代、中後期の作品「交響曲第3番」ですね。副題に"救世主イエスよ、われらを救いたまえ"と付いています。この時代のソ連では日の目を見る機会は皆無に近い無調の現代音楽ですが、不協和音で斜に構えた様な機能和声的な旋律も顔を出しますね。基本はウストヴォーリスカヤらしい等拍的なリズムとホモフォニー(mono的)反復でしょう。ウストヴォーリスカヤらしさ全開ですね。演奏はややスローな気がします。

 ★ 試しにYouTubeで観てみる?
  ゲルギエフ指揮、ミュンヘン・フィル。2016年8月22日のBBC・Promsですね。

Musik Für Klarinette Und Orchester [Über Die Linie II] (1999年) / Wolfgang Rihm
 [Clarinet – Jörg Widmann, Conductor – Sylvain Cambreling]
「クラリネット協奏曲」で、clは来日も控える人気の現代音楽でもあるJ.ヴィトマンですね。序盤は静的スローで12音を使った様な不協和音をロングトーンで並べたクラリネット独奏が前面にいます。以降もテンポが早くなったり協奏的になったりもしますが、音数は決して多くなく印象は幽玄で美しさです。片足は調性にいて今の時代のクラシックでしょうね。

Photoptosis - Prelude Für Grosses Orchester (1968年) / Bernd Alois Zimmermann
 [Conductor – Markus Stenz]
「フォトプトーシス」はB.A.ツィンマーマンの後期を代表する知られた曲の一つですね。暗く淀んだ混沌、ロングトーンと各楽器の絡み、から始まります。そこに混沌とした管楽器の強音が出現して緊張感が増していきます。中程でベートーヴェンの引用が入るのも"らしい"ですね。そしてラストに向けてはポリフォニーで各楽器が渦を巻くような混沌とした流れを作り激しさを増して終わります。強烈でやっぱり素晴らしい!!

この曲は今までにハンス・ツェンダー(Hans Zender)の指揮で2回ほどインプレしています。本演奏を③として比べてみました。
フォトプトーシス3CD聴き比べ
 ① ザールブリュッケン放送交響楽団 (Rundfunk-Sinfonieorchester Saarbrücken)
 ② ベルリン・ドイツ交響楽団 (Radio-Symphonie-Orchester Berlin)
対比で言うと①が序盤の暗い淀みが強く②は弱いです、③は静かに潜んだ感じです。強音の割込みは①はパルス的刺激で②と③は流れを強調でしょう。後半の激しい混沌は①は脅迫的、②はキラメく混沌を感じますが③は弱さを感じました。
①は淀んだ混沌とパルスの対比、②は管楽器の鳴りとラストの混沌で聴かせてくれますね。本CD③は①②と比べると静的で落ち着いた流れを意識しますね。
単独で聴けばどれも素晴らしいですが、好みは両極の①と②で甲乙つけがたいでしょうか…



時代背景を考えて聴くとウストヴォーリスカヤとB.A.ツィンマーマンは本当に素晴らしいですね。リームも前衛ではありませんが、美しい響は拒絶反応が少ないと思います。







テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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