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ミカエル・ジャレル(Michael Jarrell) の朗読オペラ「Cassandre」を聴く


ミカエル・ジャレル (Michael Jarrell, 1958/10/8 - )
スイス人現代音楽家で、クラウス・フーバーに師事していますから基本は「新しい複雑性」のフライブルク楽派という事になりますね。その証は技巧性を基本とするスコアや、スコア自体を32分音符グリッドの様なものに見られる様です。IRCAMで電子音楽コースにも入っていますね。
楽風の変化は多様性に変わる今の時代のメインストリームにあり、機能和声や穏やかさを見せる様になっています。


カッサンドラ
ジャレルの代表作の一つで、サブタイトルに『アンサンブルと女優のための朗読オペラ』とある様に劇音楽で16の小曲構成、約55分ほどのギリシャ神話を元にした小作品になります。
演奏はスザンナ・ マルッキ(Susanna Mälkki)指揮、アンサンブル・アンテルコンタンポラン(Ensemble intercontemporain)で、IRCAMがエレクトロニクスという問答無用のメンバー。女優はアストリッド・バス(Astrid Bas)です。


あらすじ
タイトルロールのカッサンドラはトロイ*の統治者の娘の一人で、アポロから予知・予言能力を授かりながら見棄てられ、その予言を誰も信じない様に呪いをかけられてしまいます。彼女はトロイの悲運を予言しますが、誰も信じません。トロイの木馬の話ですね。

*近年はトロイア表記の方が多い様です



Cassandre (1994年), a spoken opera for ensemble and actress
1.Apollon te crache dans la bouche… - 2.Hecube, ma mere… - 3.Le cypres… - 4.Vers le soir… -5.Quand je remonte… - 6.1er interlude instrumental - 7.Polyxène, ma sœur - 8.C‘était la veille du départ... - 9.Remarquez bien... - 10.2e interlude instrumental - 11.C‘était une journée pareille... - 12.Je vis mon frère hector... - 13.Enée vint à la nouvelle lune... - 14.Depuis qu‘en ce lieu... - 15.L‘effondrement vint vite... - 16.Oui, ce fut ainsi...
音はタンギングの連続音やトリル・トレモロを多用した重なりで流れ、それにロングトーンや打楽器の残響が入ります。旋律の類はなく、全体としては抑揚を抑えた空間音響系でしょう。エレクトリック処理の詳細は分かりませんが、サンプリングによる背景音やエコー処理だけということはないでしょう。

「新しい複雑性」とはいえ曲調は穏やか、ライナーノートのサンプル・スコアを見てもその気配はありません。唯一感じたのはCass.パートは歌詞だけなので合わせるのが難しそうに見えた事でしょうか。そのA.バスの語りはまさに朗読で、表現力は見せますが所謂(いわゆる)シュプレッヒゲザングの様な狂気はありません。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  残念ながら少しだけです。ヴィユアライズされていてインスタレーション化の方向にありますね


現代音楽アンサンブルをバックにした一人芝居か朗読で、相性は良い感じです。ただ全体としてはフラットで、実際に観るか、空間音響系音楽に集中して聴くか、という事になろうかと思います。Textはフランス語で英訳はありますが平行記述ではないので着いていけませんw

好きな曲調ですが抑揚に薄いのが足を引っ張っている気もしますね。




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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。





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