オッリ・ヴィルタペルコ(Olli Virtaperko) の「Romer's Gap – Three Concertos」を聴く


オッリ・ヴィルタペルコ (Olli Virtaperko, 1973/12/29 - )
注目のフィンランド現代音楽の一端、前衛系のジャズやロックとの融合、を展開するO. ヴィルタペルコですね。更に一味違うのはバロックも視野に入れている事でしょう。
エジンバラ大でピーター・ネルソンに、シベリウスアカデミーでタピオ・ネヴァンリンナやマルック・ルオラヤン= ミッコラに師事しています。チェロに明るいのはミッコラの影響ですね。名前が知られる様になったのは彼のバロック・アンサンブル「Ensemble Ambrosius」がフランク・ザッパを取上げたアルバム「The Zappa Album」で、その後ロックの「Ultra Bra」でも活躍しています。ちなみにEnsemble Ambrosiusはバロック音楽そのものではなく、バロック楽器で現代音楽を演奏するユニットでチェロを担当していました。


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Romer's Gap – Three Concertos
タイトル曲を含む三つの協奏曲と言うことになります。アンプを使ったチェロ、バリトンサックス、モノラル・シンセサイザー、といった興味深いソロ楽器構成ですね。オケはヴィッレ・マトヴェイェフ(Ville Matvejeff)指揮、ユヴァスキュラ・シンフォニア(Jyväskylä Sinfonia)です。



Romer's Gap (2016年), for amplified cello and sinfonietta
I. Cadenza, II., III.
チェロはフィンランドのチェロ・ロックバンド「アポカリプティカ, Apocalyptica」のリーダーであり現代音楽家のペルットゥ・キヴィラークソ(Perttu Kivilaakso)です。
初めは少しアンビエント系の様な気配も見せながら調性感の強い新古典主義的チェロ協奏曲ですが、I. Cadenzaの終盤でチェロにアンプを使ってディストーションをかけています。II.では音数の少ないアンビエント、III.は電子処理したチェロは面白いですが、オケは物分かりの良いフィルム・ミュージック風になります。
特異性や冒険はないです。アンプを使ったディストーションのチェロ以外はマニエリスムで、イマイチです。

Multikolor (2014年), for baritone saxophone and small chamber orchestra
サックスは現代音楽を得意とするヨナタン・ラウティオラ(Joonatan Rautiola)ですね。
ここでもアンビエントの顔つきでサックスは特殊奏法も見られます。無調前衛風の表情を見せていますが多調で括れそうな機能和声の楽曲でしょう。ロングトーンが主体ですが音響系でもありませんね。長い16'です。

Ambrosian Delights (2016/2015年), for Knifonium and chamber orchestra
I. Fat & Filth - Cadenza (attacca), II. Ambrosian Delights (attacca), III. Passacaglia, IV. More is More
元Ensemble Ambrosiusのメンバーで真空管式モノトーンのシンセサイザー「クニフォニウム(Knifonium)」を製作者の一人であるヨンテ・クニフ(Jonte Knif)が弾きます。
楽器構成を変更しただけで音楽は同じ流れになります。処々でポップ感や今更シンセの懐かしい音色を奏でられても…(キース・エマーソンが草葉の陰で笑ってます ^^;)

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  2013年バロック・オーケストラ版になります。


もっとハチャメチャで はじけていて欲しかった気がします。ベースになる管弦楽はアンビエント風か、米オケが好んで委嘱しそうなフィルム・ミュージックや新古典主義的な音楽です。そこに個性的なソロが絡むと言う構成ですね。
真面目さが強く、経歴から期待するほどの新しさや楽しさが見られないのが残念です。




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・2017年12月9日
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