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フィンランド国立歌劇場公演 ファーゲルルンドの 歌劇「秋のソナタ」を NHKプレミアムシアターで観る

イングマール・ベルイマン(Ingmar Bergman)原作の1978年の映画「秋のソナタ, Höstsonaten」をベースに、フィンランド独立100周年を記念してフィンランド国立歌劇場が委嘱し、セバスチャン・ファーゲルルンド(Sebastian Fagerlund)が手がけた全2幕のオペラ作品ですね。フィンランド現代音楽家ファーゲルンドの第二作目のオペラです。

2017AutumnSonataFNO.jpg
(画像はwebよりお借りしました)


あらすじ
有名ピアニストの母と残された娘の葛藤を描く暗く鬱な内容です。

《第一幕》
著名ピアニストのシャルロッテが7年も会っていない娘エヴァに会いに来ます。エヴァは夫ヴィクトルとの息子エリックを3歳で亡くし、妹ヘレナは難病です。そしてシャルロッテ自身もパートナー、レオナルドを亡くなっています。
全て自分の世界しか話のない母と、不満を抱えるエヴァは折り合いが付きません。シャルロッテは、そこで難病の次女ヘレナをエヴァが引き取った事を知ります。その夜二人は感情のもつれを剥き出しにします。
《第二幕》夜の場の延長
母への不満を爆発させるエヴァ、演奏家としての不安を表出させるシャルロッテ、二人の心が対比されます。自分の世界に生きる母と僻みの娘の本音の錯乱にヘレナも加わりながら、シャルロッテは改心を誓います。ツアーに戻った母にエヴァは侘びる手紙を書き、まだ時間はあると願います。


演出

世界初演ですから、このブラウンシュヴァイク演出が基本となる訳ですね。音楽は北欧現代音楽ですから調性は薄く、ストーリーも鬱的で演出はシンプルになっています。プロジェクション・マッピングは使っていますがアヴァンギャルドさはありません。


舞台・衣装

広い舞台にシンプルな道具立、衣装は現代、まさに今の時代のオペラ設定です。


配役

明瞭な旋律を持つアリアや歌唱はありませんが、前衛的な歌唱跳躍のシュプレッヒゲザングもなく、感情爆発的激しさもありますがフラットな印象です。エヴァの葛藤の爆発も主に表情で表現することになるのでズンネガルドとシャルロッテのオッター二人の対比は重要で、見事でしたね。


音楽

曲は北欧現代音楽の流れで、演奏は陰影を付けて舞台を引き立てる様に感じました。


細川俊夫さんのオペラでも感じますが、現代音楽オペラらしい葛藤を描く作品です。動きの少ない中で人の心を描くのは現代音楽に合っていと思いますね。

とは言えストーリー展開は単純で、娘の中絶等々の話を挟んでも深みに欠けてしまいます。音楽に寄りかかれない分、演出が重要になるのかもしれません。
今回はオッターの老練?(62歳ですw)さが魅せてくれましたが、もう一回観たいかと言われれば、どうでしょう…



<出 演>
シャルロッテ・アンデルガスト:アンネ・ソフィー・フォン・オッター[Anne Sofie von Otter]
 ・世界で活躍するピアニスト
エヴァ:エリカ・ズンネガルド[Erika Sunnegårdh]
 ・シャルロッテの娘
ヴィクトル:トミ・ハカラ[Tommi Hakala]
 ・エヴァの夫
ヘレナ:ヘレナ・ユントゥネン[Helena Juntunen]
 ・シャルロッテの次女、難病で身体が不自由
レオナルド:ニコラス・セーデルルンド[Nicholas Söderlund]
 ・亡くなったシャルロッテのパートナー、回想シーンで登場
エリック:オットー・レトネン[Otto Lehtonen]
 ・3歳で亡くなったエヴァとヴィクトルの息子、思い出で登場
  (どう見ても3歳とは思えない年齢でしたがw)

<合 唱> フィンランド国立歌劇場合唱団[Finnish National Opera Orchestra]
<管弦楽> フィンランド国立歌劇場管弦楽団
<指 揮> ヨーン・ストルゴーズ[John Storgårds]
<演 出> ステファン・ブラウンシュヴァイク[Stéphane Braunschweig]


収録:2017年9月23日 フィンランド国立歌劇場(ヘルシンキ)


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。





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