ヘスス・トレス(Jesús Torres) の「Manantial de luz」を聴く


ヘスス・トレス (Jesús Torres, 1965/7/15 - )
スペイン人現代音楽家でマドリード音楽院に学び、作曲はフランシスコ・ゲレーロ・マリン(Francisco Guerrero Marín)に師事していますね。100を超える作品を持つ多作家で、60の管弦楽曲の他 様々な室内楽曲を書いています。テキストを用いる作品では同国の詩人ビセンテ・アレイクサンドレ(Vicente Aleixandre)の詩を元にする事が多いそうです。
多くの委嘱を受けていて、楽風は微分音や倍音を使ったポリフォニカルでノイジーな音という事ですが。


Manantial de luz
21世紀に入っての室内楽曲集でTrio Arbós(pf, vn, vc)を中心にフルート、クラリネット、ヴィオラ、パーカッションを曲により入れていますね。



Manantial de luz (2007年), for piano soloist. Flute, clarinet, percussion, violin, viola and cello
I. Onírico - II. Inmaterial, suspendido - III. Torrencial, inundado de luz - IV. Íntimo, con dulzura - V. Vivo, con absoluta precisión - VI. Intensamente damrático
調性ベースの楽曲です。静音スロー中心に対極に速い流れでホモフォニー的な流れを配しています。そこに特徴的な緊迫感と緊張感が張り詰めていますね。調性感の低いスローに対して、速い流れの時は明瞭な旋律と反復が強いです。

Poética (2007年), for clarinet, violin, cello and piano
I. Dedicatoria (sobre un poema de Novalis) - II. Visión (sobre un poema de Friedrich Hölderlin) - III. Los amantes (sobre un poema de Rainer Maria Rilke) - IV. Canto nocturno (sobre un poema de Georg Trakl) - V. Fuga de la muerte (sobre un poema de Paul Celan)
曲別にある通りドイツの詩人5人の詩を元にした作品でピアノトリオ+クラリネットです。クラの音色がスローパートで幽玄さを奏で、その音を元にした倍音構成の響も感じられますね。ここでもスロー静&ファスト強が基本で、強音パートにはポリフォニー的な構成も明確です。(ショートパートですが)

 ★ 試しにYouTubeで観てみる?
  全曲ではありません。


Trío (2001年), for violin, cello, and piano
この中では一番古い作品で、調性がより薄くスローとファストの組合せが混在的になります。その分ポリフォニー的な強音パートの印象が強くなって即興的な無調曲になりますね。個性は近年の方が強く、類型を見つけられそうな現代音楽の気がします。

Presencias (2002年), for piano
Liturgia - J.C. - Perspectivas - Yakarta
上記"Trío"の一年後の作品で同じ流れのピアノ・ソロになります。悪くありませんが、やや没個性的な現代音楽でしょうか。

Decem (2006年), for violin, cello and piano
ピアノ・トリオ3'の小曲で調性感が明確です。速い流れでラウド、スローパートがないのはイマイチで残念です。

後年の一・二曲目は前衛的流れから機能和声方向が強まって個性が際立つ様になり、そちらが面白いですね。スローvsファストの対比が基本ですが、音数の少ない静的な中に存在する緊張感は美しく今の時代のクラシック音楽です。コンサートで聴きたいですね。

根底に反復・変奏があり欧ポスト・ミニマルと言ったら言い過ぎでしょうか。




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・2017年12月9日
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