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カイホスルー・ソラブジ(Kaikhosru Sorabji) の「オーパス・クラヴィチェンバリスティクム(Opus Clavicembalisticum)」を聴く


カイホスルー・ソラブジ (Kaikhosru Sorabji, 1892/8/14 - 1988/10/15)
ソラブジと言えばピアノ曲、超絶と長時間でしょう。ブゾーニに見出され、ゴドフスキーやシマノフスキに傾倒したという時点でその方向性は浮かぶのではないでしょうか。
1930年から、自曲の公開演奏を禁止していたのも知られる処で活動期は大きく三つの期間になりますね。その第一期はひたすら長大化した時代で「交響変奏曲(pf版)」は約9時間にもなります。第二期は1940年代を中心として"擬似トーン・クラスター"や長時間の中にパートを区切るといった技巧を凝らす様になっていて、代表曲「超絶技巧百番練習曲」をインプレ済みです。第三期は1970年代を中心に前衛の衰退期と重なって注目度が上がり、公開演奏解禁や演奏時間も短縮傾向になりました。日本で知られる様になったのはその後でしょう。


Opus Clavicembalisticum
約4時間の長時間で12パート区切りといった初期から第二期への特徴を併せ持った代表作ですね。超絶的な技巧とfffffといった極端な指示もあり難解曲でも有名です。本人の演奏後1930年に公開演奏が禁止された為それが解禁される1982年のマッジの演奏会まで日の目を見ませんでした。現在CDは今回紹介のマッジとオグドン盤がありますね。ちなみにマッジの演奏にはソラブジが賞賛したようです。今回紹介はマッジ盤になります。(オグドン盤はこちら)

ジョフリー・ダグラス・マッジ(Geoffrey Douglas Madge)は現代音楽を得意とし、ブゾーニ、ゴドフスキー、ソラブジ、そしてクセナキスといった音楽を紹介してきたオーストラリア人ピアニストです。



◼︎ Opus Clavicembalisticum (1930年)
1.Introito - 2.Preludio Corale - 3.Fuga I quatuor vocibus - 4.Fantasia - 5.Fuga II Duplex (A Due Soggetti) - 6.Interludium Primum (Thema Cum XLIV Variationibus) - 7.Cadenza I - 8.Fuga Tertia Triplex (A Tre Soggetti) - 9.Interludium Alterum (Toccata. Adagio. Passacaglia Cum LXXXI Variationibus) - 10.Cadenza II - 11.Fuga Quadruplex A Quattro Soggetti - 12.Coda-Stretta
もちろん機能和声の超絶技巧曲です。とはいえ美しい旋律や心和む緩徐の流れはありません。激しさと一息つくパターンで構成されて、山場は次々とやって来ます。即興的な技巧性の高い山場は常に強烈で、鳴り渡る感じです。ひたすらその流れが続きます。何か主題・動機でパッセージなのか不明、頭が痛くなりそうw
よく聴くと反復と変奏で構成されている事と旋律の中に古典以前の流れは感じますね。その辺りがソラブジの初期らしさかもしれません。特徴的なのは「6. Interludium Primum」静音パートの中にシマノフスキやスクリャービン的和声が、「9. Interludium Alterum」では民族音楽和声が感じられます。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
 「7. Cadenza I」オグドンでスコア付きです。マッジより速く、揺さぶりも効いています


無調混沌でもなく調性の和みもない、とにかくピアノ超絶技巧性だけを全面に打出したソラブジらしさ炸裂ですね。4時間通してそれが味わえます。久しぶりに聴いたら、やっぱりキツかったです。(笑)
超絶技巧性の高い曲はどうしても聴きづらくなるので現代音楽の源流と今更ながら感じますね。個人的に面白さがかわかりませんが、ピアノの超絶曲を聴きたい人に超オススメですw 

次回は第三期の作品「交響的ノクターン」を紹介予定です。




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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。





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