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グロリア・コーツ(Gloria Coates) の「String Quartet No.9, Sonata for Violin Solo, Lyric Suite for Piano Trio」を聴く


グロリア・コーツ (Gloria Coates, 1938/10/10 - )
ミュンヘンで活躍する米女性現代音楽家で、カノン(十二音技法以降で逆行・反行が技法的に復活)を用いたポスト・ミニマルと言われています。技術的な特徴は四分音(#のまた#, 半音の半分。これを進めると微分音に)とグリッサンドの多用でしょうね。交響曲を得意としていますが、弦楽四重奏曲も多く書いています。


String Quartet No.9, Sonata for Violin Solo, Lyric Suite for Piano Trio
コーツの室内楽アルバムですが、2CDに分けた弦楽四重奏曲の#1-8のアルバムに入らなかった#9をフィチャーしたものですね。コーツは現在まで第10番(少々別扱い的)まで書いています。
演奏はKreutzer Quartet(vn-soloはメンバーのPeter Sheppard Skærved), とpfはRoderick Chadwickになります。



String Quartet No. 9 (2007年)
三曲の中では一番新しい作品で、幽玄な旋律を持つ無調の弦楽トリル, グリッサンドの四重奏曲です。特殊奏法の様な音色も入り、主に対して追従するホモフォニー的な展開はベースをカノンにしている事がわかります。四分音・微分音の違和感、そして反復も明確に存在してポスト・ミニマルの様相ですね。混沌ポリフォニーとは異なる方向性の、欧米合体的な現代音楽でしょうか。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?

Sonata for Violin Solo (2000年)
四楽章のvn-soloです。ここでもパワーやハイスピードを排したグリッサンドの積み重ねが基本です。楽器が一本になった分、より幽玄さを感じますね。面白さは弦楽四重奏曲の方が上でしょうが、美術館で四枚の絵画をみている様な気配です。

Lyric Suite for Piano Trio, 'Split the Lark - and you'll find the Music' (1996年)
7パートの小曲からなる楽曲です。調性感の強い弦楽器の旋律とpfの和音、そしてトリル。pfの和音がクラスター的に響くパートがあるのも一味違いますね。一見フラットにも感じる流れに美しさを感じる幽玄さ、その中に表情がうまく表されています。なぜか「展覧会の絵」が浮かびます。


幽玄な気配のポスト・ミニマルで技法は微分音を入れたグリッサンド主体のカノン展開、と言ったG.コーツらしさが全開です。無調ですが存在する旋律、単調に感じる流れの中に表情を作るのは彼女の特徴でしょう。




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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。





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