アルヴォ・ペルト(Arvo Pärt) の「交響曲集 The Symphonies」を聴くと、背景にあるのが前衛の衰退とわかりますね


アルヴォ・ペルト (Arvo Pärt, 1935/9/11 - )
現代音楽家としては日本でも最も人気がある一人なのでは? 何回かインプレしているペルトですが、前衛とは対極のマニエリスムの現代音楽家です。ペルトは初期の1970年くらいにそれまでの無調や新古典主義的な楽風から、plainsong(単旋律聖歌)ベースのミニマルであるティンティナブリに推移します。1984年からはECMから作品リリースされている事でも楽風がわかるのではないでしょうか。(ECM New Seriesはペルトからスタートしていますね)

このブログであまり取り上げていないのは初期ロマン派以前のクラシック、そして現代音楽では宗教系と旧来の流れを汲むマニエリスムです。ペルトはその全てをバックボーンにするので恐ろしくハードルが高いですね。
どこかでペルトくらい聴かないと、と言った脅迫概念wが脳裏にある様で再チャレンジです。(もちろん何回かインプレしていますが、途中で聴くのを諦めたりとか…笑)

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The Symphonies
今回見つけた新譜は初期の二曲、転換点と現在までそれぞれ一曲づつ四つの交響曲を一枚で聴き比べられるのであえて購入してみました。初期作品が二曲入っているのがポイントですね。



交響曲第1番「ポリフォニック」(1963年)
時は前衛最盛期。二楽章形式で第一楽章は出し入れの強い新古典主義で4拍子旋律のショスタコーヴィチ感と静音パートの暗さはバルトーク印象と言った風です。第二楽章はバルトークぽさが濃い中、中間部?でショスタコ風行進曲に推移します。然程のポリフォニー感も特徴的な個性もありませんね。

交響曲第2番 (1966年)
前衛が衰退に向かい始めた時代です。ペルトの無調の前衛曲で具体的な旋律は存在せず、管弦楽器がそれぞれ共鳴音をポリフォニー的に響かせます。特別な技法技術、ノイズ系や空間音響と言った、はなく旋律と調性を排除しただけの様な構成ですね。ラストはちょっと面白く引用が入っているかもしれません。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?

交響曲第3番 (1971年)
前衛が衰退期に入った1970年代初頭。それと共にペルトは作風を変えています。その過渡期作品で静かで美しく響きの良い作品ですがまだ抑揚と表情の変化を付けて新古典主義が顔を出しています。明確に言えるのは前衛に背を向けた事でしょう。第三楽章では宗教曲風となり聴くのが難しくなってきましたw
(ペルトはこの時期に正教会に入信しているそうです)

交響曲第4番「ロサンゼルス」(2008年)
現在の作風に繋がるティンティナブリ作品、聖風ミニマル?、になります。音の密集のないスロー静的主体の美しいペルトの音楽、です。興味軌道から外れましたw
心の荒むジジイの駄耳にはやっぱり縁がない様です。m(_ _)m

 ★ 試しにYouTubeで聴いてみる?


ペルトの楽風推移が前衛現代音楽の時代変化と対応しているのが良くわかるアルバムです。
ペルトの一番の才能は時代の波を見抜く力だったのかもしれませんね。






テーマ : クラシック
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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。

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