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ストラヴィンスキーの『春の祭典』四手ピアノ版 聴き比べ || バヴゼ&ギィ、ラベック姉妹、マルカンドレ・アムラン&アンスネス

ストラヴィンスキー(Igor Stravinsky, 1882/6/17 - 1971/4/6)の『春の祭典, Le sacre du printemps, The rite of spring』前回はオケ版でインプレしましたが、今回は 4-hands piano版ですね。注目の顔ぶれ3CDの聴き比べです。

以前アシュケナージとガブリーロフのピアノでもインプレしていますね。


ジャン・エフラム・バヴゼ(Jean-Efflam Bavouzet)
フランソワ・フレデリック・ギィ(François-Frédéric Guy)
個人的に好きなピアニストの一人バヴゼですね。フランス人音楽家のピアノ曲ならバヴゼが一番です。相方もフランス人ピアニストのギィですね。


序奏は繊細さが光ります。繊細スマートの「春のきざし - 誘拐」でも強音は爆裂的ではなく切れ味です。「敵の部族の遊戯」の躍動感もいいですね。第二部の序奏、そこから続く繊細なタッチのパートもこのDuoの聴かせ処でしょう。一転「選ばれし生贄への賛美」のパワーも光りますね。「生贄の踊り」のリズムの組合せも切れ味を感じます。

興奮を排した繊細さがバヴゼらしいスマートな春祭ピアノ版ですね。あくまでも冷静沈着クールなスタイルです。

同時収録されているバルトーク:2つの映像、ドビュッシー:遊戯(2台ピアノ版バヴゼ編曲)も素晴らしく、おすすめ盤ですね。




ラベック姉妹 (Marielle et Katia Labèque)
フランス人カティアとマリエルの姉妹ピアノDuo、2016年のシェーンブルンでも楽しい演奏を披露してくれましたね。
アルバム「Invocations」からです。


序奏ではソフトで柔らかさを感じますね。不協和音も生きています。「春のきざし - 誘拐」では強音パートと弱音パートのコントラストが見事です。ディナーミクとアゴーギクの組合せがうまく、パワー主体に美しさが同居しますね。「春の輪舞」の影のある緩やかさも聴き処でしょう。「生贄の踊り」では厄介なリズムが見事に表現されます。でも印象はなんといってもパワープレイのピアノでしょうね。

カラフル迫力の春祭ピアノ版です。楽しさとパワーの組合せは得意のパターン。
見方を変えると大向こうを唸らせるショーマン的タイプかもしれませんが、それが彼女たちの個性ですよね。




マルカンドレ・アムラン(Marc-André Hamelin)
レイフ・オヴェ・アンスネス(Leif Ove Andsnes)
6月に久々の来日を控えたM.A.アムラン、ノルウェーのアンスネスという強力布陣ですね。


序奏から硬質な響きで、音の粒立ちの良さが明瞭です。「春のきざし - 誘拐」でもこれ見よがしの表情を見せずに細かく速いアルペジオを聴かせます。この切れ味こそが まさにアムラン(主導)でしょう。「春の輪舞」の沈んだ気配も美しいです。全体として揺さぶる様なアゴーギクを振らずに流れるのも印象的で「大地の踊り」ではそこにパワーが発揮されます。

印象は硬質、とにかく個々の音の粒立ちが明瞭でキレキレ・シャープな春祭ピアノ版です。まさにヴィルトゥオーゾなDuoピアノ。
いつものアムランよりも弾けて(はじけて)いる?!




ホールでじっくり味わうバヴゼ&ギー、フェスティバル向き熱狂のラベック姉妹、ヴィルトゥオーゾに酔うアムラン&アンスネス。
それぞれ個性際立つ楽しい3枚ですね。






テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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