H.ラッヘンマン(Helmut Lachenmann)のピアノ曲集 2CD「„…Zwei Gefühle…“, Pression, Piano Works」と「Klaviermusik」本人のピアノとR.ケラーで聴き比べ


ヘルムート・ラッヘンマン (Helmut Lachenmann, 1935/11/27/ - )
何枚もインプレしている欧現代音楽ビッグネームの一人ラッヘンマン、昨年も来日していますね。紹介は割愛ですw

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ラッヘンマンのピアノ・ソロ曲集を2CD。■印の三曲(Weigenmusik, Guero, Ein Kinderspiel)が重なっていますので、本人とローランド・ケラーのピアノで聴き比べしてみましょう。
ラッヘンマンの楽曲は様々なCDでラップしていますが、とりあえずはこの二枚で。



„…Zwei Gefühle…“, Pression, Piano Works

ピアノはラッヘンマン本人です。


Weigenmusik (1963) for piano solo
ラッヘンマンが名付け親であるピアニスト/ヨースト・クレーマー(Jost Cramer)の娘スザンナの為に書いた"揺かごの曲"だそうです。
硬質で不協和音のシンプルな3'半ほどのピアノ曲です。静音と金属的な共鳴音が印象的ですね。

Guero (1970) for piano solo
バッタやコオロギの音をイメージするそうで、特殊奏法バリバリの小曲です。ギリギリギリ…ゴンゴッゴン…的なw 所謂(いわゆる)ピアノの音色はありません。おとなしめな演奏に感じますね。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  もちろん本人の演奏で特殊奏法が明瞭にわかります。


Ein Kinderspiel (1980) for piano solo
息子のデイヴィッドの為に書いた7曲からなる小曲集です。子供用練習曲とはいえラッヘンマンですから単純ながらの強烈な表現主義。基本は単純音階+和音+不協和音で、強烈なディナーミクの高音から低音までの展開です。タイトル「子供の遊び」の通り楽しさいっぱい、特に強音パートは子供が弾いて喜びそう?!

„…Zwei Gefühle…“, Musik mit Leonardo (1992) for speaker and ensemble
 ・Helmut Lachenmann, narrator, ・Ensemble Signal, ・Brad Lubman, conductor
室内楽と本人の語り、Textは本人の代表作"マッチ売りの少女"からになりますね。強烈な出し入れと特殊奏法で構成される1990年代後半のラッヘンマンそのものです。静と間の間にパルス的強音とノイズ、それが嵐の様に襲いかかってきます。刺激的な21'のやっぱりこの曲がメインでしょう。

Pression (1969-70) for cello solo
 ・Lauren Radnofsky, cello
特殊奏法のチェロ曲です。ほとんどチェロとは思えません。作曲年代も1970年で目一杯特殊奏法ですしね。その中に旋律が存在して、これぞラッヘンマンでしょう。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  チェロはJonathan Gotlibovichです。


本人のピアノは無機硬質で単純明快さが響きますね。"Guero"ではラッヘンマンらしい特殊奏法が印象的ですが、他二曲は子供の為の曲?、それでも"Ein Kinderspiel"ではラッヘンマンらしさを感じました。
でもやっぱり室内楽曲の„…Zwei Gefühle…“にはかなわないですね。Pressionもラッヘンマンらしさ炸裂で、おすすめのアルバムです





Klaviermusik

こちらは全曲ピアノ・ソロ、pfはローランド・ケラー(Roland Keller)です。
右は再発盤ですね。


Weigenmusik (1963) for piano solo
ラッヘンマンに比べると表情、アゴーギク、を感じます。その分無機的共鳴は低くなりますが、細く弱い抑揚が生きている感じですね。(M.A.アムランに弾かせたら、こうなりそうw)

Guero (1970) for piano solo
ライナーノートに特殊奏法の技法が写真入りで解説されています。より特殊奏法性が強く、強弱が明確もになります。演奏時間が1'以上長いのはどうしてでしょう? それほどスローには思えません。

Ein Kinderspiel (1980) for piano solo
ここでもアゴーギクで表情を付けています。子供が喜びながら弾く感じではなく、明らかに単純な表現主義からピアニストの曲になっている感じです。楽しさよりも単純さの裏にあるものを見せようという感じです。ただラストの"Schattentanz"は個性的で素晴らしかったですね。

Five variations on a theme of Franz Schubert (1956) for piano
ドイツ舞曲を元にしているそうですが、シューベルトは範疇外なので…^^; もろにシューベルトがヴァリエーション化によって動機を活かしながら不協和音と調性自体を崩して行きます。それはそれで面白いかも。ラッヘンマン本人が弾いたらどうなるのでしょう?!

Echo Andante (1961) for piano
初期作品で、間と音のピアノ曲です。音列配置的な印象で、古さを感じますね。

ピアニストとしての楽曲になっていますね。その割に今ひとつ強烈な印象が残らないのは残念です。
「ラッヘンマンのピアノ曲ね…ふぅ〜ん」的な。(汗)




やっぱりオリジナルw、ピアノはラッヘンマンの硬質で金属的な響きがいい感じです。特に"Ein Kinderspiel"の印象は、強烈な楽しさでやられました。
ケラーはピアニストとしての独自表現を出していますね。
アルバムとしては『„…Zwei Gefühle…“, Pression, Piano Works』が楽しめます。



最後にラッヘンマンが「猫踏んじゃった」を演奏するシーンをYouTubeで。

これを見ると「Ein Kinderspiel, 子供の遊び」の気持ちが伝わりますね。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。

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