モートン・フェルドマン(Morton Feldman) の「バニタ・マーカスのために, For Bunita Marcus」を M.ヒンターホイザーとM.A.アムランのピアノで聴き比べ


モートン・フェルドマン (Morton Feldman, 1926/1/12 - 1987/9/3)
「ニューヨーク楽派」最後の米現代音楽家?フェルドマンと言えば、後期の静的平坦長舌な流れを思い浮かべる人も多いと思います。図系譜で知られていますが早々に放棄しており「新しい複雑性」の読譜の困難性と同じ様に前衛隆盛期に生まれた現代音楽の技法になりますね。
➡︎ このblogで言う現代音楽


For Bunita Marcus (1985年)
フェルドマン晩年の傑作「コプトの光」の前年に書かれた唯一の長いピアノ曲で、1'-3'ほどの小曲36パート切れ目なしの72'ほど、弟子の米女性現代音楽家Bunita Marcus(1976年から11年間作曲活動を共にした)に贈られています。彼女はこのブログではおなじみのBang On A Can all-stars等へ曲を書いていますね。



マルクス・ヒンターホイザー(Markus Hinterhäuser, 1958/3/30 - )はイタリア生まれのオーストリア人ピアニスト、現代音楽を得意とするヴィルトゥオーゾですね。Arditti Quartetとの共演、またフェルドマン他 J.ケージやG.ウストヴォーリスカヤの作品で知られています。
ペダルによる残響音が共鳴する様に残りながら静的アルベジオの音が流れます。もちろん無調で特徴的な旋律はなく、演奏は抑揚を排した音列配置的な単音の並びを無機的に奏でます。柔らかさと冷たさのバランスもありますが、印象は透明感の強い硬質さで氷の部屋の雫と反響の様、耳と脳に共鳴します。





このブログでも10CDくらいはインプレしているカナダ人ヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、マルカンドレ・アムラン(Marc-André Hamelin, 1961/9/5 - )ですね。今年(2018年)6月に久々の来日が決まって、私もヤマハホールのチケットを入手済みです。
まず表情があります。音の並びに速さ(アゴーギク)と休符の長さを付けています。タッチもより柔らかく繊細で譜面指示pppの気配が強いです。冷たいながら有機的な音色は、静寂な氷の世界の小生命体の様な気配です。その分聴きやすいのではないでしょうか。



静寂平坦な単音羅列のピアノの音、5/16拍子, 3/8拍子で一小節1音と2/2拍子の全休符がメイン、が一時間以上続くわけですから集中して全曲聴き通すが難解なのも事実でしょう。それが後期フェルドマンの音楽ですね。

それでも二人の演奏は明らかに異なり、ヒンターホイザーは硬質無機的アムランは表情有機的です。抑揚の異なる二人の演奏が♩= 63-66 指示でほぼ同じ72分強(数秒違い)というのも面白いですね。
個人的好みですと、作品(スコア)にタッチとアゴーギクで色付け(表情付け)したアムランに一票でしょうか。もしフェルドマン本人が聴いたらヒンターホイザー?、楽譜を演奏者の解釈で変えられるのが嫌いだったそうですからね。




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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。

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