ツェムリンスキー(Alexander Zemlinsky) の交響詩『人魚姫』を聴く


アレクサンダー・ツェムリンスキー (Alexander Zemlinsky, 1871/10/14 - 1942/3/15)
音楽感よりもアルマ・マーラー(シントラー)を恋仲の弟子にしていた事や、妹がシェーンベルクと結婚した事の方が知られている様なツェムリンスキーの印象です。
音楽的には当初ブラームスの尽力を得た事や、その後新ドイツ学派から後期になって調性感の薄い表現主義になっていますね。無調や十二音技法といったこの時代の前衛現代音楽には手を染めませんでした。

今回は、次週(2018-1/10)の大野和士/都響のコンサートを前に交響詩『人魚姫』の予習です。


交響詩『人魚姫』, Die Seejungfrau (1903年)
『人魚姫』はブラームス派から離れ、後期ロマン派的な新ドイツ楽派への変化の作品ですね。
演奏はリッカルド・シャイー(Riccardo Chailly)が首席指揮者だったベルリン放送交響楽団*(Radio-Symphonie-Orchester Berlin)を振っています。1990年代に話題となったDECCA頽廃音楽(Entartete Musik)シリーズ一枚ですね。
(カップリング曲Psalmは聖歌でインプレできない為割愛です)

*日本語では同名オケの"Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin"、旧東ドイツに属した、とは違います。ドイツのオケの名前は煩わしいですね。



三楽章の標題音楽で、アンデルセンの童話『人魚姫』を基にしています。
【第一楽章】暗い海底の音色からsolo-vnの奏でる人魚姫の動機が現れます。この辺りは派手さはワグナー、solo-vn旋律はシュトラウスを強く感じますね。後半の海が荒れて難破から王子との出会いは激しさから穏やかさでストーリー性が明確です。
【第二楽章】声を引換に痛みのある足をもらい人間になった喜びを派手に、その苦痛や王子が姫と結婚する悲しみを情感のコントラストを強く奏でます。処々でマーラー似の旋律が顔を出し、いかにも後期ロマン派的です。
【第三楽章】人魚姫が海に身を投じて泡となり風の精に生まれ変わって行くまで。緩徐楽章ですが(死の)山場を作るのはマーラー風に感じます。死を迎えた後は暗い緩徐パートとなりラストは細い音色の人魚姫のsolo-vnが入って天に登り救済されるシーンを奏でて閉じます。

後期ロマン派最後の時代20世紀初頭らしい音楽ですね。この時代を象徴するR.シュトラウスやG.マーラーの気配と、ストーリーを感じる標題音楽構成が明確です。人魚姫の物語を浮かべて聴くのは必須でしょう。
シャイーのコントラストある演奏もいいですね。

さて、次週の大野/都響は"うねる様"なこの曲をどう奏でてくれるでしょうか、楽しみです。




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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。

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