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バーバラ・ハンニガン(Barbara Hannigan) の CRAZY GIRL CRAZY を聴く


バーバラ・ハンニガン (Barbara Hannigan, 1971 - )
今や指揮者としても活躍の場を広げるカナダのソプラノ歌手 バーバラ・ハンニガンの最新作です。
現代音楽を得意とし、狂気さえ見せるハンニガンのソプラノは好きな一人です。このブログでも何回かインプレ済みですが、ジャケット写真を見ると『エクサン・プロバンス音楽祭 2016 オペラ「ペレアスとメリザンド」』のシーンを思い出しますね。


CRAZY GIRL CRAZY
本アルバムではベリオ/ベルク/ガーシュインを取り上げて、ハンニガン本人が指揮をしています。ガーシュインの曲では編曲にも関わっていますね。まさにハンニガン色のアルバムです。
ライナーノートではこのアルバムの三曲が、それぞれ奔放に生きた女性「ルル」を映し出していると言っていますね。演奏はルートヴィヒ管弦楽団 (Ludwig Orchestra)です。



Sequenza III for female voice (Luciano Berio)
ベリオの代表作でソロ曲シリーズの「セクエンツァ」その#3は楽器ではなく女性の声です。歌詞はMarkus Kutterの"Give me a few words for a woman to sing a true ..."でシンプルですが、前衛技巧で狂気に至る様な表現力を最大限必要とします。まさにハンニガンの実力を見せてくれます。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?

Lulu Suite (Alban Berg)
 I Rondo - II Ostinato - III Lied Der Lulu - IV Variationen - V Adagio
ベルクの未完のオペラ『ルル』から1934年に組曲化(Symphonische Stücke aus der Oper „Lulu“)された交響小作品ですね。第二幕のシェーン博士の息子アルバのシーンから第三幕ラストの切り裂きジャックにルルが刺されるまでで、歌唱パートは「3.ルルの歌」ルルがシェーン博士を前に歌うアリアです。
もちろん無調無拍的な前衛ではなく、薄い調性の中に美しい旋律と激しさを作っている楽曲です。シーンを頭に浮かべながらでも楽しいです。ここでは情感強めに展開しますね。やはり聴き処はハンニガンのアリアでしょう、よく伸びるsopの声が楽しめます。(ラストにも入っています)
もちろんオペラ「ルル」のハンニガンも好評を博していますね。

 ★試しにYouTubeで観てみる?

Girl Crazy Suite (George Gershwin)
ガーシュウィンのガール・クレイジー組曲ですが、ハンニガンとオーケストレーションのビル・エリオット(Bill Elliott)が編曲しています。
ガーシュインらしいらしいポップさをそのままに生かして、"I Got Rhythm" 等を歌うところはまるでMGMのミュージカル・サントラ盤の様です。この歌い方もハンニガンのもう一つの顔と言えるのかもしれません。これはこれで楽しさいっぱいです!


ハンニガンの前衛ソプラノ、手短に情感強く味わえる「ルル」、ミュージカルの様な楽しさ、異なる3つそれぞれ詰まったのがこのCDですね。これはおすすめです
20'ほどの映像も付いていてハンニガンの様子がわかるのも嬉しいですね。
α(アルファ)レーベルは楽しいアルバムを作りますよね。




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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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