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新しい複雑性 リチャード・バーレット(Richard Barrett) の Music for cello and electronics を聴く


リチャード・バーレット (Richard Barrett, 1959/11/7 - )
英国の現代音楽家ですが、ダルムシュタット夏季講習会でブライアン・ファーニホウの『新しい複雑性*』の影響を受けた一人です。スタンスは即興性かつ電子音楽と生楽器とのコラボを得意としていますね。オランダでソノロジー(Sonology, 電子音楽)の教授も務めていました。
2016年には13年をかけて作られた8部作(6時間!)最後の"CONSTRUCTION"も完成させています。

*このブログでいう現代音楽」でも紹介していますが、演奏の複雑さ(超絶技巧)だけでなく読譜の難解さも含めての複雑性ですから、音楽を聴いただけでは演奏の難易度はわかりませんね。"ツェルニー"の初歩の練習曲でも10本の指を個別に楽譜10段(10声部)に譜面化されたら弾くのは難解ですよね。


Music for cello and electronics
2CDのチェロ(アルン・デフォルス, Arne Deforce)とエレクトロニクス(作曲家本人とパトリック・デルゲス, Patrick Delges)曲集で、2曲目にはピアノ(Yutaka Oya, 大宅裕)が入ります。



Life-Form (2011-12年) For Cello And Electronics
 チェロはグリッサンド、サルタート等々の技法を繰り出します。エレクトロニクスはホワイトノイズ系で、いずれにも調性に関わらず旋律は存在しません。互いの関係性は薄い即興的ノイズ系のカオス前衛音楽になりますね。
もう一つのパターンは、チェロの特殊奏法も含めたソロパートです。過激な音も出しますがノイズ系ではなく、現代チェリストのソロ・コンサートで取り上げられたら面白そうです。
最も興味深いのは作者本人がB.A.ZimmermannのIntercomunicazione(インプレ有り)と結び付けを語っている事でしょう。(kokotonPAPAはB.A.ツィンマーマン好きですw)

Nacht Und Träume (2004-2008年) For Cello, Piano And Electronics
 紹介文の8部作、第7パートでもあります。
上記"Life-Form"とは違いロングトーンのノイズと残響が使われています。そこにpfの単音が入る事で異なる表情を見せます。一番の違いは旋律らしき音階が存在するポリフォニカルな即興系音楽が同居する事でしょう。ラストのテープ(事前録音)もツィンマーマンを思わせますね。

Blattwerk (1998-2002年) For Cello And Electronics
 作曲年代順が逆なので一番古い曲になりますね。長いチェロ・ソロの技巧パートが特徴的で、多重録音の様なエレクトロニクス(テープなのかディレイなのかループなのか…)も使われています。

チェロは旧来の尖った技巧演奏からノイズまで広くパターンを網羅しています。エレクトロニクスの主体は電子ノイズ、ただどう言った技法・形態なのかが不明です。(ラップトップMIDIの使用やQuadraphonic出力の記述がありますが、実際のサンプリング等々は不明ですね)

何れにしても表情の多いノイズ系前衛音楽・ポリフォニカル即興系音楽で興味深いカオスです
残念なのはライナーノートに譜面のかけらもないので『新しい複雑性』の様相は演奏からしかわかりませんね。




♬ 現代音楽CD(作曲家)一覧


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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。





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