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フィリップ・グラス(Philip Glass) の The Complete Piano Etudes を 滑川真希 のピアノで聴く

前回に続きフィリップ・グラス(Philip Glass, 1937/1/31 - )のピアノ曲、今回はエチュードですね。エチュード(練習曲)というとピアノを得意とする作曲家がパートごとに技巧・技術を織り込んだテクニカルな小曲集をイメージしますよね。P.グラスのEtudesはどうでしょうか。

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コンプリートとある様に全20曲の内No.1-10を第1集、後に残り10曲を第2集として完成させています。第1集は自分自身の新しいソロ・ピアノ曲の提供と演奏技術の価値を高め広げる事、第2集はテクニカルとは異なりリズムとハーモニーの表現だそうです。
そして最後のEtude20は米映画監督ゴッドフリー・レッジョ(Godfrey Reggio)のドキュメント作品"Visitors" (2013年, 音楽はグラス)直後に書かれて似たコンセプトだそうです。

ピアノはドイツ在住の滑川真希(Maki Namekawa)さんで、国立カールスルーエ音楽大学のピアノ科講師を務めながら演奏活動をされています。現代音楽ではダルムシュタット国際現代音楽セミナーにも参加して、このブログでもお馴染みのジョルジュ・クルタークにも習ってもいますね。

これも以前P.グラス来日で全曲演奏の日本公演がありましたよね。

The Complete Piano Etudes / Philip Glass

Etudes for piano, Volume 1 (No.1-10, 1994–1995年), Etudes for piano, Volume 2 (No.11-20, 2012年)
 多少なりとエチュードらしさを感じたのはNo.1, 3, 6, 13, で後は2パターン。シンプルなミニマルの美しさでフラットに終始するか、Vol.2に多い映画音楽的な叙情性です。(譜読みが出来なければ 込められた物はわからないのかもしれませんが)
演奏技術向上を目指したというVol.1でさえも、個人的なエチュードのイメージとは正反対の感じです。Vol.2でもハイスピードの旋律が多用されていますが反復であり技巧とは言えない気がします。

曲として面白いと感じたのは少し色合いの異なるNo.10でした。室内楽にしても面白いポスト・ミニマルかも。えっ、ライヒに似ている?!w



いずれも単純反復のミニマル色が強く表情変化が薄いです。ミニマルと括ってしまうとまずいでしょうね。どこを突ついても似た様な調性感と甘さで出来ているフィリップ・グラスの"映画音楽風マニエリスム・ミニマル"です。

例えばショパンのエチュードの様に技巧的パートが色濃く、ピアニストの技巧表現聴き比べが楽しめるかと言えば…さてどうでしょうか。"グラス的美の表現"聴き比べなら良いかもしれませんが。

全曲で約二時間、やっぱり美的感性とセンスの薄いkokotonPAPAにはバッハと同じくらい難しい音楽ですねぇ。
隣でkokotonMAMAいわく「私はかけておいても大丈夫だよ」だそうです。







テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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