米現代音楽アンサンブル eighth blackbird の strange imaginary animals を聴く

続けて米現代音楽アンサンブル、シカゴで活躍中の現代音楽セクステットのエイト・ブラックバード*です。以前FILAMENT(2013年)とスティーヴ・ライヒ(Steve Reich)のDouble Sextet / 2x5で紹介していますね。
名前の由来は米モダニズムの詩人ウォーレス・スティーブンス(Wallace Stevens, 1879 – 1955)の代表作の一つ『クロウタドリの13の見方, Thirteen Ways of Looking at a Blackbird』の第8句**からとっています。

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*なぜか日本語はエイと記されますが、もちろんエイですね。
**8番目の詩句は以下で、「上品なアクセントと、明晰で究極(不可避)なリズム」です。
 I know noble accents
 And lucid, inescapable rhythms;
 But I know, too,
 That the blackbird is involved
 In what I know.


オハイオ州のオベリン音楽院の現代音楽アンサンブルから始まり、メンバーは以下ですね。
violin/viola:Matt Albert (➡︎ Yvonne Lam [2011年])
cello:Nicholas Photinos
flutes:Molly Barth (➡︎ Tim Munro [2006年] ➡︎ Nathalie Joachim [2015年])
clarinets:Michael Maccaferri
piano:Lisa Kaplan
percussion:Matthew Duvall
この構成はシェーベルクの「月に憑かれたピエロ」のアンサンブル"Pierrot ensemble"にパーカッションを足した編成だそうです。ちなみに"ピエロ"のオリジナル演奏スタイルを創作した事もあるとか。

本アルバムは米現代音楽家5人の作品で構成され、2008年のグラミー賞 室内楽部門(BEST CHAMBER MUSIC PERFORMANCE)を受賞しています。

strange imaginary animals / eighth blackbird

1. Zaka:Jennifer Higdon (2003)
ジェニファー・ヒグドンは米女性現代音楽家でフルート奏者で米国オケの専属作曲家や教授職を務めピューリッツァー賞も受賞していますね。楽風は調性内の新ロマン主義ですが、無調も使います。
 調性が感じられますが奏法は過激なパターンをとり、ハードな前衛に近い匂いを奏でます。前衛の仮面を被った機能和声の現代音楽ですね。ライヴ向きで、CDでは折衷的で物足りなさバリバリですがw

2. Violence:Gordon Fitzell (2001)
カナダの現代音楽家ゴードン・フィッツェルはB.フラーやS.シャリーノといった欧エクスペリメンタリズムの師事も受けています。電子処理も得意としていますね。
 静的響の中にグリッサンドとパルスが歩きます。まさに上記欧エクスペリメンタリズムの息吹きです。野獣の唸りの様な音はまるでシャリーノですね。もちろんバリバリ無調です。好きなパターンですが、類型が多数ありそうですね。

3. Indigenous Instruments:Steven Mackey (1989)
 part I, II, III
米現代音楽家でギタリストのスティーブン・マッキーはジャズやロックをベースとした前衛の楽風が特徴的です。
 単音で音列配置の進化系の様な無調前衛風なのですが、実はポスト・ミニマルですね。part IIでの美しさは半端な調性感で退屈な香りが漂います。ピチカートとグリッサンドの対話のpart IIIが俄然面白いですね。

4. Friction Systems:David M. Gordon (2002; revised 2005)
デイビット・M・ゴードンはタングルウッドでもお馴染みの米現代音楽家です。本アルバムのデザイン、想像上の奇妙な動物たち、も彼の作ですね。
 ハイテンポのトリルが高音・低音で高密度に響きます。弦は微分音を使っている様な音色、背景には刻まれる様なパーカッション、そして特殊奏法。前衛系ポスト・ミニマルと見ました。表情変化がある強音構成の流れが良いですね

5. Evanescence:Gordon Fitzell (2005)
ゴードン・フィッツェルの二曲目になり、この曲では自身がプロデュースしています。
 無調のノイズ系空間音響音楽ですが、2.Violenceに比べると音数が増して電子処理のノイズも入っている様に聴こえます。刺激があり、こちらの方がより面白いのですね。電子ノイズが特徴的に生きている感じです。

6. Strange Imaginary Remix:Dennis DeSantis (2006)
デニース・デサンティスは米現代音楽家でパーカショニスト、そしてマルチアーティストです。電子音楽を得意としていますね。これも本人のプロデュースです。
 どこまでが生なのか電子処理なのか不明です。全て電子処理かも。リズムの明瞭なミニマルで、不自然に切れる音も入りますがファンクです。ファンキー・ポスト・ミニマルで、これが一番アメリカンな現代音楽の香りです。



エイス・ブラックバードの楽しさは現代の米現代音楽家の作品を一同に、そして冴えた演奏で楽しめる事でしょう。
今回は前衛系が多くなりますが、やっぱり米現代音楽ですとポスト・ミニマルをベースにしている曲が興味深いですね。







テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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