R.シュトラウスの「英雄の生涯」を カラヤンBPOの3CD + シュトラウス本人指揮で聴き比べ

リヒャルト・シュトラウス(Richard Georg Strauss, 1864/6/11 - 1949/9/8) の代表作の一つで最後の交響詩『英雄の生涯, Ein Heldenleben (作品40)』ですね。

次週(2017年8月24日) ファビオ・ルイージ/読響のコンサートがあるので予習です。
➡︎[後日記] コンサートのインプレです

R.シュトラウスといえば、やっぱりカラヤン(Herbert von Karajan, 1908/4/5 - 1989/7/16)とベルリンフィル(BPO)。3CD出していますので聴き比べしましょう。そしてR.シュトラウス本人の指揮も残っていますので参考に。全て第2稿を採用しているのでラストは盛り上げです。(ルイージは第1稿を採用)

この曲は途切れ目がないのでポイントは以下ですね。
[1. 英雄] ➡︎ 木管楽器で [2. 英雄の敵] ➡︎ ヴァイオリン・ソロで [3. 英雄の伴侶] ➡︎ トランペットのファンファーレで [4. 英雄の戦場] ➡︎ 4.の英雄の凱旋の後が [5. 英雄の業績] ➡︎ 5.の最後一呼吸の"間"、その後全休止で [6. 英雄の隠遁と完成]



Karajan BPO / 1959
[DG]
「1.英雄」は見通しの良い演奏、vnのBPOコンマスのミシェル・シュヴァルベ(Michel Schwalbé)が感情移入と切れ味を見せる「3.英雄の伴侶」は、オケの英雄との会話が素晴らしいですね。「4.英雄の戦場」は抑え気味、「5.英雄の業績」ではR.シュトラウス自身の曲の引用をスケール大きく奏でます。「6.英雄の隠遁と完成」は叙情性が高い演奏です。
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切れ味と表情豊かな流れがスマートな「英雄の生涯」で好きな演奏です。古い録音ですがリマスターで音質が良くなったのは嬉しいですね。
iTunesに入れてあるのはこの演奏ですから一番馴染みがあります。




Karajan BPO / 1974
[EMI]
「1.英雄」で音に華やかさが増しました。抑揚は抑え気味になりましたが重厚です。「2.英雄の敵」では木管のヒソヒソ話の様な音色がよりそれらしく、流れは陰影が強くなっています。「3.英雄の伴侶」のvnは同じくシュヴァルベですが控え目軽めで、オケの英雄もややフラットに感じます。(録音上の問題?) 「4.英雄の戦場」はアゴーギクを強くしてより切れ味と激しさを追求、その後の2パートも彫りの深さが増しました。
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華やかで重厚に、「4.英雄の戦場」も激情的になってカラヤンらしい展開になりました。ですが「3.英雄の伴侶」のフラットさは残念、「6.英雄の隠遁と完成」が憂いから見晴らし良くなったのは迷う処ですね。



Karajan BPO / 1985
[DG]
「1.英雄」は より華やかで重厚に、「2.英雄の敵」では敵を密度高く、「3.英雄の伴侶」のヴァイオリンはBPOコンマスですがレオン・シュピーラー(Leon Spierer)になり、エモーショナルさを優先してオケ英雄とのバランスが良いですね。「4.英雄の戦場」「5.英雄の業績」も聴きごたえがあり、「6.英雄の隠遁と完成」では英雄の心を穏やかに描きます。
・・・・・
カラヤンの「英雄の生涯」完成形でしょうね。華やかさ・重厚・見通しの良さ、隙のない完成度にカラヤンらしさを感じるのは先入観?!



R.Strauss Bayerisches Staatsorchester / 1941
[DG]
R.シュトラウスが音楽監督(1894 - 1896)を務めたバイエルン国立管弦楽団との演奏です。このBox(Strauss Conducts Strauss, 7CDset)ですとドン・ファン、ドン・キホーテの他、ベートーベンの第5番や第7番・等で指揮者としても大活躍だったシュトラウスが楽しめますね。

「1.英雄」はモノラルながら出し入れの良い雄大さを感じ、「2.英雄の敵」は敵と英雄の不安さの対比を明確に感じます。「3.英雄の伴侶」のvnはプラチドゥス・モラーシェ(Placidus Morasch)で表現良くオケ英雄と絡みます。「4.英雄の戦場」「5.英雄の業績」録音音域の問題で迫力に欠けるの仕方ありませんが、キレのある演奏、一番気になった「6.英雄の隠遁と完成」の英雄の表現は "翳りはなく最後に静かな死を" の感じでした。
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的確な表現と演奏のマッチングと流れが良く、聴き易い演奏です。もったいぶったタクトを剥がしてコアにした感じでしょう。なるほど、これが本人の「英雄の生涯」か!! といった感じです。
1941年録音としては音は良く、今から見れば当時の速さが再認識できる事ですね。(全てにおいて現在はスロー重厚化してのが事実ですね)






①オススメなら、最後のカラヤンBPO(1985年 DG)
②個人的好みは、最初のカラヤンBPO(1959年 DG)
一度は絶対聴いておきたい、シュトラウス本人指揮の演奏
という事になりますね。
^^

個人的には「3.英雄の伴侶」でのvnとオケの掛け合い、「6.英雄の隠遁と完成」の英雄の表現がポイントなのですが、さてルイージ/読響はどう楽しませてくれるでしょうか。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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