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マーラー 交響曲 第5番 名盤・珍盤 175CD聴き比べ! [#11 / CD:151-160]

グスタフ・マーラー(Gustav Mahler, 1860/7/7 - 1911/5/18)の交響曲第5番(Symphony No.5)の聴き比べも今回の10CDで160CD(含DVD/BD)まで来ました。まだありますね。
そのうち、indexでも作ろうかと思っています。^^ゞ


【参考】
 ★:名盤 (一般的いわれている…と思う盤)
 ☆:個人的お勧め
 ㊟:とっても変わっています (普通の演奏じゃ満足出来ない貴方にw)

[リスト] 現在 #12回 175CDまで
 #1:15CD
バーンスタイン[x5 ★☆], カラヤン, プレートル[★], 小澤征爾, ジンマン[★], モリス[㊟], ブロムシュテット, ドゥダメル, ドホナーニ, マーツァル[x2]
 #2:20CD
M.T.トーマス[★☆], テンシュテット[x6 ★☆], ベルティーニ[x2], ノイマン[x3], 小林研一郎[x4], ザンダー, シノーポリ, 飯森範親, 井上道義[☆]
 #3:25 26CD
インバル[x4], セーゲルスタム[☆], ノット, ダーリントン[☆], ルドルフ・シュワルツ[㊟], スワロフスキー, レヴァイン, 戸山雄三, ノリントン, ロジェヴェン[㊟], ズヴェーデン, 佐渡裕, 尾高忠明, 若杉弘, ルイージ, ホーネック, ヴィト, シェルヘン[x4 ㊟]
 #4:20CD
ハイティンク[x4CD ☆], ブーレーズ[x3 ★☆], メータ[x3], クーベリック[x3], ショルティ[x3 ★], デプリースト, バルビローリ, バルシャイ[☆], バレンボイム
 #5:5CD アバド追悼
アバド[x5 ★☆]
 #6:14CD
マゼール[x3], ナヌート, テミルカーノフ, ホーレンシュタイン, スウィトナー[☆], 上岡敏之, 井上喜惟, 西本智実, ベシェック, N.ヤルヴィ[☆], アルブレヒト, I.フィッシャー, 堤俊作
 #7:10CD
ガッティ, レヴィ, コンロン, リットン, ファーバーマン, クライツベルク, アブラヴァネル[㊟], フェルツ, 大植英次, マッケラス
 #8:15CD
サラステ[x2 ☆], ギーレン[x2], M.シュテンツ[x2], ジェラード・シュワルツ[x2], ヘルビッヒ[x2], フェドセイエフ, リンキャヴィチウス[㊟], フリーマン, タバコフ, ラート
 #9:15CD
カサドシュ, ヘンヒェン, ノイホルト, インキネン, コンドラシン[x2], オストロフスキー, ポポフ[㊟], ミュンフン, マック・カーロ, オラモ, ダニエル, アルミンク, アシュケナージ, ヴァイネケン
 #10:10CD
ゲルギエフ[x3 ☆], ラトル[★☆], ジークハルト, ロンバール, マデルナ[㊟], リーパー, ヒルシェ, 山田 一雄
 #11:10CD 本投稿
シャイー[x2 ★], スラドコフスキー, シーヨン, ワールト[☆], エッシェンバッハ, シップウェイ, P.ヤルヴィ, ネルソンス[☆], スターン
 #12:15CD
ハーディング, A.フィッシャー[☆], ロト, スヴェトラーノフ[x2], ヴァンスカ, ヤンソンス[x2 ★], ワルター[☆], ミトロプーロス, ケンペ, ロスバウト, パレー, ホーレンシュタイン, ラインスドルフ, アンチェル, 資料的音源(アダージェット)他



リッカルド・シャイー, Riccardo Chailly (2録音)

日本でもおなじみのシャイー。イメージはロイヤル・コンセルトヘボウとゲヴァントハウスでしょう。その両オケとマーラーの5番を残していますね。



(#1)

Royal Concertgebouw Orchestra
[Decca] 1997-10


常任指揮者を勤めていた時代のロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団との演奏ですね。

第一楽章・第二楽章
スローで重々しい葬送行進曲、第一トリオも激しさより重厚さの第一楽章。第二楽章第一・第二主題はコントラストを標準的に付けています。落ち着き払った第一部です。
第三楽章
スケルツォは緩めですが、レントラーは優美です。第二トリオ以降も今ひとつ切れが感じられないのは主役のオブリガート・ホルンの音色と抜けがすっきりしないのもあるでしょう。ややもっそりとした第二部です。
第四楽章・第五楽章
アダージェットはスローですが甘美さは抑えられクールな良い流れです。最終楽章ロンド-フィナーレは途中で微妙な気配はありますがバランスの良い演奏を展開し、山場からコーダ・フィニッシュを迫力で乗り切ります。


丁寧な演奏ですが何か吹っ切れないマーラー5です。個人的には演奏も含めて何かスカッとした感が欲しいところです。





(#2)
Gewandhausorchester Leipzig
[Accentus DVD] 2013-2/21,22


2005年から2016年までカペルマイスター(音楽監督でいいでしょうね)を務めたライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団とのDVDになります。

第一楽章・第二楽章
葬送行進曲は少し抑えて、第一トリオ(第二主題)は標準的な変化を見せます。アタッカで入った第二楽章第一主題は切れ味良く、第二主題はやや速めながらマイルドでクセのない主流派の第一部です。
第三楽章
スケルツォ主題はリズムカルに、そしてレントラーの優美さへ繋ぐ流れの良さ。第三主題はオブリガートホルンと弦楽器のバランス良く、続く展開部と再現部の心地よさ、シャイーらしさが発揮された第二部と思います。
第四楽章・第五楽章
心持ち速めで甘美さを避け、澄んだ美しさのアダージェットは良いですね。最終楽章も提示部でフーガ的良い流れをうまく作り、展開部・再現部の山場、そしてコーダ・フィニッシュを冷静に仕留めます。(シャイーはプレストを生かすためにラストのアッチェレランドを否定していますね)


音の揃いも良く、クセの少ないマーラー5ですね。人気のシャイーで映像付き、失敗のない選択肢です。

このセットで2014年に来日、マーラー第7番でしたが良かったですね。



アレクサンドル・スラドコフスキー, Alexander Sladkovsky

Tatarstan National Symphony Orchestra
[Melodiya] 2016

7CDsetで、マーラーの1, 5, 9番をコンドラシンとの聴き比べBOXです。コンドラシンの第5番がモスクワ・フィルになっていますが間違いで、ロシア国立交響楽団が正解です。(by Kaplan Foundation)

ロシア人指揮者スラドコフスキーが首席指揮者・芸術監督を務めるタタルスタン国立交響楽団を振った演奏ですね。

第一楽章・第二楽章
序奏ファンファーレから揺さぶります。スローな葬送行進曲、第一・第二トリオはやや速めで揺さぶりますね。第二楽章第一主題は速め、第二主題は標準的に、展開部以降も同じです。
第三楽章
スケルツォ主題はリズム良く、レントラーは優美で両者クセはありませんね。第三主題以降もクセは少なめ、ただ摑みどころが弱く感じますが。
第四楽章・第五楽章
アダージェットは当然スローでかつ微妙〜な揺らぎ、しっくりきませんねぇ。第五楽章は一番クセがありませんね。


スローか速めか標準的か。はたまた揺さぶりは? 何がやりたいのメインかよくわからないマーラー5です。




ソン・シーヨン, Shiyeon Sung

Gyeonggi Philharmonic Orchestra
[DECCA] 2016-6/9


韓国人女性指揮者シーヨンが首席指揮者を務める京畿道立オーケストラを振った演奏です。

第一楽章・第二楽章
派手なファンファーレから緩い葬送行進曲へ、第二主題(第一トリオ)はクセはなく第三トリオからの静的収束は尻切れトンボ感が残ります。第二楽章では第一主題は適度な激しさ、第二主題以降は緩さが支配します。緩さが気になる第一部です。
第三楽章
スケルツォ主題はスローで優美、レントラー風主題は超緩です。第三主題以降も緩さのアゴーギクが間延び感を強めユルユルの第二部です。
第四楽章・第五楽章
アダージェットは染み入る様な美しさですが、圧倒的静音スロー強調でやりすぎですw 第五楽章は軽快さで主題をからめて上げていきます。途中間延び感は残りますが、展開部山場を経て再現部は締まりを見せてコーダは華々しく、ラストは適度なアッチェレランドです。


静音スロー大重視、強烈な間延び感のマーラー5です。




エド・デ・ワールト, Edo de Waart


Netherlands Radio Philharmonic
[RCA] 1992-10/17



(個人的所有は下の全集になりますね)
mahler-EdoDeWaart.jpg

オランダ人指揮者エド・デ・ワールトがオランダ放送フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務めていた時のマーラー・チクルスからの演奏です。

第一楽章・第二楽章
遅めながら締まりある葬送行進曲から一転第一トリオ(第二主題)で派手にと、緩急があります。第二楽章は強い第一主題と落ち着いた第二主題でソナタを構成しますが、激しさより落ち着いた印象の第一部です。
第三楽章
重厚なスケルツォ主題から優美なレントラーへ、展開部・再現部・コーダともコントラスト良く気持ちの良い第二部です。
第四楽章・第五楽章
アダージェットは僅かなアゴーギクを使い澄んだ音色の好きなパターンです。最終楽章は見晴らし良く両主題をフーガ風展開して展開部の山場は適度に、そして再現部の山場を大きく盛り上げてコーダのコラールに繋げます。ラストはアッチェレランドでビシッと締めます。


ワールトらしくスローの美しさと迫力が好バランスのマーラー5です。いいですよね




クリストフ・エッシェンバッハ, Christoph Eschenbach

North German RSO
[ELS] 2001-1/12

ピアニストにして指揮者、エッシェンバッハが北ドイツ放送交響楽団の首席指揮者を務めていた時の演奏です。残念ながら非正規盤ですが、他に正規録音CDを2枚出しています。(未所有)

第一楽章・第二楽章
スローな第一主題の強音は暴れます。第二主題(第一トリオ)は適度にテンポアップですが、ここでも少々荒れる気配を見せて面白いです。第二楽章第一主題は荒々しく一転美しく第二主題へ繋げて、全体としては荒れる強音とスローのコントラストの第一部です。
第三楽章
スケルツォはそれらしく流れ良く、レントラーも優美で心地よいです。展開部・再現部も緩急で表情豊か、見晴らしの良い第二部ですね。コーダからフィニッシュはシャープです。
第四楽章・第五楽章
アダージェットは12'と長め、アゴーギクが振られて緩急強めですが悪くありません。第五楽章はテンポ速く主題を絡ませて展開部山場は荒れ気味に、そして壮大に再現部山場を築きます。ラストはそのままコーダからフィニッシュへ駆け上がります。


スローパートはともかく、緩急と荒れる強音パートが楽しいマーラー5です。DDDstereoとある通り非正規録音としては音もいいですね。




フランク・シップウェイ, Frank Shipway

Royal Philharmonic Orchestre
[RPM] 1996


所有盤とは異なりますが、同録音かと...(Kaplan Foudationにより録音は1996年一回)

シップウェイがロイヤル・フィルハーモニー管を振った英国セットの演奏です。

第一楽章・第二楽章
派手さと陰鬱さの第一楽章葬送行進曲、華々しい第二主題と目一杯鳴らします。第二楽章も派手な第一主題からソフトな第二主題へと目まぐるしさの第一部です。
第三楽章
華やかすぎるスケルツォから静的に引いたレントラー、このコントラストが全体を通していますがそれ以外の変化に乏しく長く感じます。ラストは激走ですがw
第四楽章・第五楽章
アダージェットはスローで冷たさを感じる美しい流れですが、強音パートの響きは大きすぎ。第五楽章は二つの主題がシャープな音色で上げていき、自然な流れで展開部山場を迎えます。再現部山場からラストまでは派手で華々しいです。


20bit録音32bit編集を売りにしてます。それだけでなくミキシング・マスタリングでの作意が大きく反映されていますね。
派手でキラキラ、不自然さが個人的には気になるマーラー5です。




パーヴォ・ヤルヴィ, Paavo Järvi

Frankfurt Radio Symphony Orchestra
[major BD] 2011-6/25,26


当時首席指揮者だったパーヴォ・ヤルヴィがフランクフルト放送交響楽団(現:hr交響楽団, hr-Sinfonieorchester)を振った演奏です。所有はBD(第6番とカップリング)で、DVDもありますがCD発売がありませんね。

第一楽章・第二楽章
落ち着いた葬送行進曲で始まる第一楽章、第二主題(第一トリオ)もテンポアップはしますが攻撃的ではなく、第二トリオも殊更に落としません。第二楽章第一主題は切れ味良く、第二主題は丁寧さを感じます。展開部のチェロパートは美しく、通して興奮よりも耽美な第一部ですね。
第三楽章
スケルツォはスローで入り、レントラー主題も入りはスローでまさに優美です。第二トリオもスローで美しく、*オブリガート・ホルンは指揮者横の起立演奏でソロの扱いです。厄介なこの楽章をうまくこなして、流麗な第二部ですね。
第四楽章・第五楽章
アダージェットは暖色系の流れですね。もうちょっと薄く細く演奏してもらえると嬉しかったですね。最終楽章はうまく間をとった入りで緩やかに上げていきます。展開部山場を広がり良く盛り上げて、再現部の山場からコーダは雄大で見事。ラストのアッチェレランドもビシッと決めました。
*オブリガートホルンをソロ風にコンマスの横に置いたのはメンゲルベルクが実施したわけですが着座でしたね。


hr響の演奏も丁寧でまとまりが素晴らしく、流れの美しいマーラー5です。アダージェットが好みなら☆です。BDの録音の良さもあるでしょう。




アンドリス・ネルソンス, Andris Nelsons


Lucerne Festival Orchestra
[accentus DVD] 2015-8/19,20


(所有はDVDサイズのデジパック仕様ですが...)

ラトビア人指揮者ネルソンスがアバドの後を引き継いたルツェルン祝祭管弦楽団の音楽監督時代の演奏ですね。所有はDVDでCDは出ていない様です。

第一楽章・第二楽章
ファンファーレから第一主題へは大きく落とします。憂いを帯びた葬送行進曲から第一トリオへはテンポと切れ味を上げた展開になりますね。第二楽章は第一主題の激しさに始まり第二主題ではトーンを落として展開部・再現部も癖のない流れでコーダ前の雄大感が良いですね。
第三楽章
スケルツォ主題は優美、レントラーは美しさが溢れますね。第三主題オブリガート・ホルンの鳴りも良く、優しを感じる提示部です。展開部もスローを美しく描きます。コーダの切れ味とのコントラストも見事です。
第四楽章・第五楽章
第四楽章は、それまでの良さを最大限生かした流れで山場の甘美さも殺し透明感の静音をクールに奏でます。屈指のアダージェット、好きなパターンです。第五楽章も序奏・第一主題・第二主題が優美に流れます。その後の二つの山場を見事に超えて、コーダは切れ味、そしてラストは見事なアッチェレランドでした。

拍手喝采、最後はスタンディングオベーションで、指揮者への拍手では演奏者は起立を譲り足踏みで答えるという最高のコンサートの姿がありました。(DVD/BDでapplauseを最後まで見たのは初めてですw)

スロー静音の美しさを生かし、激しさよりも憂いと優美、広がりを感じる一味違うマーラー5番ですね。演奏もまとまりが良く、おすすめの一枚。ネルソンス侮れず!

BD盤もあります。えっ、高いですねぇ。



マイケル・スターン, Michael Stern

Rundfunk Sinfonieorchester Saarbrücken
[SR] 1997-7/12


(所有はCDですが見つかりません…DL版になります)

米人指揮者スターンが*ザールブリュッケン放送交響楽団の首席指揮者に就任して1年後の演奏ですね。*現 ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団(Deutsche Radio Philharmonie Saarbrücken Kaiserslautern)

第一楽章・第二楽章
葬送行進曲は落ち着いて、第二主題(第一トリオ)では適度な激しさ、第三主題からトーンを強めに落とします。第二楽章は速めな第一主題から、第二主題も陰鬱ながら速めに変化させます。基本速めの中、特徴的なのは展開部のトリオ?の静音スローですね。ややアゴーギクにクセのある第一部です。
第三楽章
第一主題はスケルツォらしさ、第二主題レントラーも優美ですが、いずれ速めです。その後も同展開で、時折静音パートでスローになります。落ち着かない感の第二部ですね。
第四楽章・第五楽章
アダージェットは予想通りにスロー、あっさり風味は良いのですがフラットです。最終楽章は良いリズムで主題をフーガで絡めます。山場、コーダは見事。この楽章が一番クセがありません。


速めベースで一部静音ではスロー、落ち着かないマーラー5です。ここまで感情を殺したアダージェットも珍しいかも。







次はいよいよ残しておいた、ワルターやメンゲルベルク(アダージェットのみCDあり)と言ったマーラーを知っている人、米国にマーラーを紹介しバーンスタインにバトンタッチしたミトロプーロスと言った古い音源のインプレをしようと思います。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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