B.A.ツィンマーマン(Bernd Alois Zimmermann)の un petit rien - das gelb und das grün - omnia tempus habent - metamorphose を聴く

10枚ほどインプレしたベルント・アロイス・ツィンマーマン(Bernd Alois Zimmermann, 1918/3/20 - 1970/8/10)ですが、まだ面白いアルバムが一枚残っていました。
中後期のアンサンブル作品集で、指揮はペーター・ヒルシュ(Peter Hirsch)、コレギウム・ノヴム・チューリヒ(Zürich Collegium Novum)の演奏です。

un petit rien - das gelb und das grün - omnia tempus habent - metamorphose / Bernd Alois Zimmermann

Un Petit Rien (1964年) musique légère, lunaire et ornithologique d'après de marcel aymé
 1. Ouverture Des Belles De La Nuit - 2. Métamorphose Lunaire I - 3. Pas Trop Militaire - 4. Petite Valse Lunaire - 5. Berceuse Des Petits Oiseaux Qui Ne Peuvent Pas S'endormir - 6. Métamorphose Lunaire II - 7. Boogie-Woogie Au Claire De Lune
セリエル以降、作風が多様性になってからの作品ですね。フランス人作家マルセル・エイメ(Marcel Aymé)の Les oiseaux de lune (月の鳥) にちなんで作られた6分半(7parts)の小曲です。
まるでおとぎ話の音楽の様で、調性感の中にキラキラとした煌めきがある曲です。ツィンマーマンとしてはとても不思議な楽風です。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?

Das Gelb Und Das Grün (1952年) musik zu einem puppentheater von fred schneckenburger
 1. Prolog - 2. Burleske - 3. Kleiner Walzer - 4. Phantasmagorie - 5. Marsch - 6. Epilog
副題の通り人形劇場のための6parts9分の短い曲です。十二音技法・セリエル時代の楽曲で、その色合いが強いのですが、点描音列配置の背面に弦楽の揺らぎが配されます。それが情景描写的になり、劇音楽を感じさせてくれますね。パート毎に表情変化も豊かで、純粋なセリエル主義者から見たら異端だった事がわかりますね。今の時代のセリエルベース現代音楽としたら十分面白いのですが…

Omnia Tempus Habent (1957年) kantate für sopran-solo und 17 instrumente
ソプラノ声楽曲です。楽器編成はやや多いですが、多分に "月に憑かれたピエロ" の影響・類型を感じます。目新しさは感じられませんね。

Metamorphose (1954年) musik zum gleichnamigen film von michael wolgensinger für kleines orchester
 1. Introduktion (Vision) - 2. Invention (Reflexe) - 3. Romanza (Kontakt) - 4. Kanon (Largo) - 5. Habanera (Paso) - 6. Gigue (Burleske)
副題から、スイス人映像作家?ミヒャエル・ヴォルゲンジンガー(michael wolgensinger)の為のフィルム・ミュージックです。
これまた十二音技法・セリエル時代ですが、処々ジャズ風のサウンドが強く感じられる映画音楽です。確かに点描的ですが、動機の組合せのメロディーラインが感じられますね。ここでもシーン毎の表情変化が強いです。partVではボレロの引用の様な感じも聴き取れますが、これは先入観?w



三曲目以外、とても興味深い音楽が並びましたね。それぞれ、おとぎ話・劇音楽・フィルム音楽、という標題音楽になり、当時のセリエル系絶対音楽の印象と真っ向対比的です。まさにこれがB.A.ツィンマーマン!!
この折衷的、今なら多様性主義、な前衛が本人を苦しめたのかもしれません。興味の尽きないアルバムです。




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