B.A.ツィンマーマン(Bernd Alois Zimmermann)の Complete Works for Piano Solo を聴く

連続インプレ中のベルント・アロイス・ツィンマーマン(Bernd Alois Zimmermann, 1918/3/20 - 1970/8/10)、初期からセリエルまでのピアノ・ソロ全曲集ですね。

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作風の変化を見ると、初期は新古典主義(Neo-classical)時代、そして無調・十二音技法・セリエルの流れに対応した中期、ツィンマーマンらしさ全開のコラージュと時空を迎える後期となります。残念ながら無伴奏ピアノ曲の後期作品はありません。

嬉しいのは年代順になっている事ですね。ピアノは現代音楽を得意とするアンドレアス・スコウラス(Andreas Skouras)です。
例によって小曲の集まりですので、パート毎の演奏時間を入れてあります。

Complete Works for Piano Solo / Bernd Alois Zimmermann

Extemporale, Five Pieces For Piano (1939-46年)
 No.1 Sarabande [3:13] - No.2 Invention [1:11] - No.3 Siciliano [3:08] - No.4 Bolero [3:25] - No.5 Finale [1:55]
21歳から28歳の最も初期の作品です。美しいSarabandeやミステリアスなBoleroを始めパート毎に表情豊か、機能和声をベースに不協和音の挟まれる流れです。特異性はさほどでありませんが、ボレロでは早くもラベルの引用があります。

Drei Frühe Klavierstücke, Three Early Piano Pieces (1940年)
 No.1 Scherzettino [2:58] - No.2 Intermezzo [2:52] - No.3 Fugato [2:22]
ここでは不協和音も少なく、ラベルやドビュッシーを思わせる曲調が印象的です。38/39年にケルン音楽大学でのセミナーによる秀作的意味合いが強そうですね。

Capriccio, Improvisations On Folk Song Themes (1946年)
 [10:08]
基本的な流れは変わらず、仏印象派の様な楽風が感じらる美しさです。特徴的なのは副題通り変奏と引用?が用いられている事でしょう。特に後半は、後のスタイルを見せる様に引用と共に強弱の出し入れがあります。面白いです。
一曲(1パート)で10'を超えるのはこの曲だけですね。

Enchiridion I, Little Pieces For Piano (1949年)
 No.1 Introduktion [1:53] - No.2 Ekloge [2:59] - No.3 Rondino [0:48] - No.4 Bourrée [0:49] - No.5 Meditation [3:19] - No.6 Aria [1:10] - No.7 Estampida [1:10] - No.8 Toccata [1:21]
このあたりから表情が変わります。点描音列配置を感じさせ、今聴くと没個性の前衛現代音楽に聞こえてしまいます。形式的にはneo-Baroqueを標榜しているそうです。また、表題はギリシャ語でmanualの事だそうです。

Enchiridion II, Exerzitien (1952年)
 No.1 Vigil [2:09] - No.2 Hora [1:42] - No.3 Ostinato [1:07] - No.4 Matutin [2:30] - No.5 Imagination [2:06]
音の強弱、出し入れが強くなります。美しい旋律は存在しません。強打鍵音と響き、走るアルペジオ、そして音数を減らした点描。時代を感じますが "I" よりは面白いですね。

Enchiridion Anhang, Appendix
 Intermezzo [1:29] - L’après-midi D’un Puck [0:43] - Hommage à Johann Strauß [0:42]
点描音列配置が濃厚になります。パートにより強弱のコントラスト、多少なりと旋律感がある気はしますが...
Hommage à Johann Straußでは引用が聴けます。

Konfigurationen, Eight Pieces For Piano (1956年)
 No.1 [0:57] - No.2 [0:57] - No.3 [0:37] - No.4 [0:29] - No.5 [1:09] - No.6 [1:11] - No.7 [0:43] - No.8 [1:01]
この曲は音価と強度を記すセリエルの楽譜で書かれているそうです。点描で音の飛躍、つまらないですよねぇ。この後1960年代に入って楽風がブレークするわけですが...



まずはツィンマーマンのピアノ・ソロが全曲で時系列的に変化が楽しめるのが嬉しいですね。
特に新古典主義からセリエルの時代変遷がよくわかります。そしてツィンマーマンが早くからインプロビゼーションやオマージュで引用を採用し、強弱のコントラストを付けていた事を今更ながら再発見でしょうか。





テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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