B.A.ツィンマーマン(Bernd Alois Zimmermann)の Concerto Pour Violoncelle Et Orchestre | Photoptosis | Tratto II を聴く
続けてベルント・アロイス・ツィンマーマン(Bernd Alois Zimmermann, 1918/3/20 - 1970/8/10)ですね。
□ このブログのB.A.ツィンマーマン(Bernd Alois Zimmermann)関連投稿記事
これはLP時代のWERGOレーベルのCD化(このタイプのジャケット studio reihe)、録音はツィンマーマンが命を絶って2年後の1972年でまさに前衛の衰退期真っ只中。そんな気配を聴きながら後期の作品を楽しめます。
Concerto Pour Violoncelle Et Orchestre | Photoptosis | Tratto II / Bernd Alois Zimmermann
■ Concerto Pour Violoncelle Et Orchestre En Forme De "Pas De Trois" (1965/1966年)
Cello – Siegfried Palm, Conductor – Ernest Bour, Orchestra – Sinfonieorchester Des Südwestfunks, Baden-Baden
「パ・ド・トロワの様式によるチェロとオーケストラのための協奏曲」は5 partの代表曲ですね。当時はこの曲の録音が他(cpo他)にもありました。このブログでも既に2回(ツェンダー, ギーレン)インプレ済みですね。
弦楽器のグリッサンドやトリルで前衛ノイズ系と、ジャズの様な和声とポリフォニー・クラスターの混沌、そしてチェロの技巧ですね。パート毎に表情の違いも存在し、part5はこの先を暗示しますね。
今となると突出したものは感じませんが当時の前衛時代を感じます。現在は制約のない多様性の前衛もしくはインスタレーション系ですから、コラージュのツィンマーマンの方が印象的でしょうか。もちろんこれも好きですがw
チェロはツェンダー指揮でも録音している現代音楽チェロのジークフリート・パルムですね。
★試しにYouTubeで聴いてみる?
上記のギーレン指揮、シフのチェロ盤です。
■ Photoptosis - Prélude Für Großes Orchester (1968年)
Conductor – Hans Zender, Orchestra – Radio-Symphonie-Orchester Berlin
「フォトプトーシス」も他に録音を残している代表曲でしょう。楽風は変化して唸りの様なロングトーンが終始底流にあり、そこに囀りやクラスターが絡みます。そして後半は強音の支配が増し、そこへ引用の旋律が顔を出します。ラストは強烈なポリフォニーのクラスター混沌・狂気です。空間音響系と言っていいのではないでしょうか。やっぱり好きですね。
★試しにYouTubeで聴いてみる?
以前の紹介と同じメッツマッハーです。
■ Tratto II (1969年)
1968年大阪万博に書かれた曲("Tratto" Electronic composition 1967年)が元で、ライナーノートによると伊語Trattoは"伸縮(時間の伸縮 - 空間)" "stretch of time - space"だそうで、まさにツィンマーマンの時空とコラージュの世界の一端ですね。本人も音楽と空間に関する初期エレクトロニクス曲と言っているそうです。
フォトプトーシスの延長線上にあり、ホワイトノイズが空間に反響し脳に共鳴させる様な音です。そこに呼吸の様な音やらが薄く絡みます。もはやクラスターやポリフォニーは存在せず、"宇宙空間のノイズ"です。
特にヘッドフォンで聴くと脳の中での反響が強く、浮遊感が強く感じられて面白いかもw
当時を反映する代表曲2曲が入っていて、その延長の電子音楽もあります。B.A.ツィンマーマンの一つの方向性と作風変化がよく見えるアルバムです。もちろん、おすすめの一枚です!!
□ このブログのB.A.ツィンマーマン(Bernd Alois Zimmermann)関連投稿記事
これはLP時代のWERGOレーベルのCD化(このタイプのジャケット studio reihe)、録音はツィンマーマンが命を絶って2年後の1972年でまさに前衛の衰退期真っ只中。そんな気配を聴きながら後期の作品を楽しめます。
■ Concerto Pour Violoncelle Et Orchestre En Forme De "Pas De Trois" (1965/1966年)
Cello – Siegfried Palm, Conductor – Ernest Bour, Orchestra – Sinfonieorchester Des Südwestfunks, Baden-Baden
「パ・ド・トロワの様式によるチェロとオーケストラのための協奏曲」は5 partの代表曲ですね。当時はこの曲の録音が他(cpo他)にもありました。このブログでも既に2回(ツェンダー, ギーレン)インプレ済みですね。
弦楽器のグリッサンドやトリルで前衛ノイズ系と、ジャズの様な和声とポリフォニー・クラスターの混沌、そしてチェロの技巧ですね。パート毎に表情の違いも存在し、part5はこの先を暗示しますね。
今となると突出したものは感じませんが当時の前衛時代を感じます。現在は制約のない多様性の前衛もしくはインスタレーション系ですから、コラージュのツィンマーマンの方が印象的でしょうか。もちろんこれも好きですがw
チェロはツェンダー指揮でも録音している現代音楽チェロのジークフリート・パルムですね。
★試しにYouTubeで聴いてみる?
上記のギーレン指揮、シフのチェロ盤です。
■ Photoptosis - Prélude Für Großes Orchester (1968年)
Conductor – Hans Zender, Orchestra – Radio-Symphonie-Orchester Berlin
「フォトプトーシス」も他に録音を残している代表曲でしょう。楽風は変化して唸りの様なロングトーンが終始底流にあり、そこに囀りやクラスターが絡みます。そして後半は強音の支配が増し、そこへ引用の旋律が顔を出します。ラストは強烈なポリフォニーのクラスター混沌・狂気です。空間音響系と言っていいのではないでしょうか。やっぱり好きですね。
★試しにYouTubeで聴いてみる?
以前の紹介と同じメッツマッハーです。
■ Tratto II (1969年)
1968年大阪万博に書かれた曲("Tratto" Electronic composition 1967年)が元で、ライナーノートによると伊語Trattoは"伸縮(時間の伸縮 - 空間)" "stretch of time - space"だそうで、まさにツィンマーマンの時空とコラージュの世界の一端ですね。本人も音楽と空間に関する初期エレクトロニクス曲と言っているそうです。
フォトプトーシスの延長線上にあり、ホワイトノイズが空間に反響し脳に共鳴させる様な音です。そこに呼吸の様な音やらが薄く絡みます。もはやクラスターやポリフォニーは存在せず、"宇宙空間のノイズ"です。
特にヘッドフォンで聴くと脳の中での反響が強く、浮遊感が強く感じられて面白いかもw
当時を反映する代表曲2曲が入っていて、その延長の電子音楽もあります。B.A.ツィンマーマンの一つの方向性と作風変化がよく見えるアルバムです。もちろん、おすすめの一枚です!!