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マーラー交響曲第6番 "悲劇的" 名盤珍盤 110CDを聴き比べてみました [#1 : 5-20]


マーラーの5番、6番、9番はコンサートで聴く機会が多いので、CD(DVD含め)も徐々に増えますね。

第6番は今までバルビローリの4枚のCDを紹介していますが、これからも少しづつインプレしていこうと思います。今回 、実質第1弾は大物三人を中心に16CDのインプレです。これでまずは20CDになりますね。


【マーラー6の不確定要素】
皆さんご存知の件、おさらいです

 ① 第二・第三楽章の順序  (普通は "スケルツォ - アンダンテ")
 ② 最終楽章のハンマーの数 (普通は二発、たまに三発)
 ③ 第一楽章提示部の繰返し (スコアはあり、カットする人も)

なぜそんな事が起きるかはググって下さいねw 指揮者によって異なるので、現代音楽で言う "管理された偶然性" の様な聴き方もw



Mahler Symphony No.6 -- 110 CDs 

 ★:名盤 (一般的にいわれている…と思う盤)
 ☆:個人的お勧め
 ㊟:とっても変わっています (普通の演奏じゃ満足出来ない貴方にw)


 #0:4CD バルビローリ聴き比べ
バルビローリ[x4]
 #1:16CD 本投稿
バーンスタイン[x3 ★☆], アバド[x5 ★☆], カラヤン[x3 (★)☆], ゲルギエフ, 小澤征爾, 井上道義[x2], プレートル[㊟]
 #2:20CD
ヴァンスカ, ダーリントン[☆], ラトル[x3 ☆], P.ヤルヴィ[x2], N.ヤルヴィ[x2 ☆], ジークハルト, セーゲルスタム[☆], パッパーノ, ザンダー[x2], ショルティ[☆], ヴィト, シェルヘン[㊟], ズヴェーデン, ノット, J.サイモン, アブラヴァネル, パク・ヨンミン
 #3:20CD
テンシュテット[x4 ☆], シャイー[x2], ヤンソンス[x2], MTトーマス[x2], ハーディング, 朝比奈隆[x2 ㊟], スヴェトラーノフ[x2 ㊟], セル[x2], バルシャイ, 井上喜惟, 山田和樹, クルレンツィス[★]
 #4:20CD
ギーレン[x3 ☆], シノーポリ, メータ, サロネン[☆], サラステ, ヤング, 大植英次[㊟], ボンガルツ[㊟], シュテンツ, ヘンヒェン[x2], アシュケナージ[x2], ヴロンスキー, タバコフ, シュワルツ, マーツァル, ネトピル
 #5:20CD
ブーレーズ[x4 ★☆㊟], ベルティーニ[x3 ☆], インバル[x3], ルイージ[x3 ☆], レヴァイン[x2], フェルツ, ツェンダー[㊟], ガッティ, ファーバーマン, ドホナーニ
 #6:10CD
ハイティンク[x5 ★☆], ジンマン[x2], ペトレンコ, ハーヴェイ, ワールト




レナード・バーンスタイン, Leonard Bernstein (3録音)

何はともあれ、やっぱりレニーからですね。バーンスタインのマーラー6と言うとハンマー3発の印象が強いでしょうか。リリースは正規盤が3録音ですね。



(#1)
New York Philharmonic
[CBS (Sony)] 1967-5/2, 6


(今なら右の全集がお買い得ですね)

今更素人が何をインプレしても始まらないでしょうが、マーラーと言えばバーンスタインのお約束と言う事でCBS時代のNYPからです。


【第一楽章】
第一主題は速めで切れ味抜群の立ち上がり、アルマの主題でもシャープです。展開部も挿入部で穏やかさを見せますが、なぜか緊張感が漂うのは速めという事があるかもしれませんね。再現部は提示部の切れ味をいっそう増しての回帰、コーダは切れ味とスピード感を見せて締めくくります。

【第二楽章】
スケルツォです。主要主題は一楽章のコーダに続くようにかなり速い入りです。トリオは明確にテンポを落として心地良い優美さを見せ、続く木管動機も合わせて緩みはありません。緩急もしっかり付けていますが、主部の速さが主張していますね。

【第三楽章】
アンダンテ主要主題は前楽章の沈む様な終わりからの繋がりが良く緩やか、第一トリオも同じ流れをキープ。哀しみに近い情感を引きずる様に進んで中間部(第二トリオ)で明るさを見せますが、すぐに哀愁の色を濃く戻します。この楽章は標準的なテンポ設定ですが、スローに感じますね。

【第四楽章】
序奏の暗闇からスピード感ある行進曲に乗り移り、hrのパッセージと絡んで突き進むと第二主題が軽妙に登場。王道的な流れです。展開部は速めに戻って#1ハンマーの後の行進曲はなんと強い緩急を付けた変則性を披露します。再現部も速めベースに爽快、ハイスピード騎行は格別ですね!!
もちろんコーダでは三発目のハンマーが待っています。


スピード感と切れ味のマーラー6ですね。重厚さを避けてシャープさに軸足の爽快感があります。

テンポを戻した緩徐らしさのアンダンテや、最終楽章で上手い変化も使ってコントラストもしっかり。完成度が高くで良いのかもしれません。






(#2)
Wiener Philharmoniker
[unitel] 1976-10 DVD


NYP(#1)の9年後。DG盤(#3)と同じウィーンフィルで、その12年前と言う事になりますね。ウィーンのムジークフェラインザールでのライヴ、映像付き録音です。


【第一楽章】
第一主題はここでもやや速めの切れ味、アルマの主題も優美さよりもシャープです。展開部はNYPよりも王道的重厚さが出て来て、挿入部も穏やかさが感じられます。再現部の二つの主題は殊更の色付けは避けている感じで、コーダはかなり速くラスト盛り上げです。
NYPよりも王道的な重厚さが出て来ました。

【第二楽章】
スケルツォの主要主題はテンポを控えめに変更して重厚さを増しています。トリオも程よいスローの優美さでメヌエットの様な印象ですが重心が低いですね。木管動機もその延長上にあって一体感があり、回帰パートは出し入れが強まっています。王道化がはっきり進んだスケルツォ楽章です。

【第三楽章】
主要主題はスロー強調の美しさ、第一トリオもスローの流れを継いで僅かに哀愁を加えます。中間部(第二トリオ)もスローですが明るい光が十分に射し込みますね。明確なスローで穏やかなアンダンテになりました。

【第四楽章】
序奏はやや緩急が強くなって、アレグロ・モデラートからのテンポ変化は明確。第一主題を歯切れ良くスッキリと、第二主題も約束通りの軽妙さで教科書の様な提示部です。展開部#1ハンマー後の行進曲の極端な緩急はここでも健在ですね。再現部のテンポは標準的になって、騎行はここでも快速で重さは控えめです。コーダには#3ハンマーですね。


王道的で安心して聴けるマーラー6になりました。テンポの適正化と加わった重厚さが最大の変化でしょう。

素晴らしいのですが、バーンスタインとしたらやや没個性的な印象が残ってしまうかもしれません。

ハンマーの台が随分低いですね。今はもっと台が立派になって響きます。






(#3)
★☆
Wiener Philharmoniker
[DG] 1988-9



(左の廉価版交響曲全集はコンパクトですが、曲がCD間に跨っています。右の全集はベターになり歌曲入り。ややお高いですが納得感も高いです)

(#2)の12年後、同じVPO(ウィーンフィル)との今更中の今更の大定番バーンスタインDG盤マーラー6ですね。


【第一楽章】
一気に増した迫力、そのベースはいつもの速め切れ味の第一主題、そして同じ様に華やかさの中に光る切れ味のアルマの主題の提示部。展開部は第一主題から力感と重厚さが出て、第二主題・挿入部とのコントラストもハッキリしましたね。再現部は第一・第二主題に激しさと広がりを組み合わせて、パワーとスピード漲るコーダで締めくくります。

【第二楽章】
スケルツォです。ここでは重々しさで入りますね。スピードを抑えて重厚感で進み、トリオは静の優美ですが緊張感あるメヌエットです。続く木管動機もスローになって重心が低くなりましたね。全体がアゴーギクで表情豊かに作り込まれて、重厚で聴き応えあるスケルツォ楽章になりました。

【第三楽章】
主要主題はスローの優しさ。この辺りはVPOの真骨頂でしょう、美しさが際立ちますね。第一トリオもその流れに哀愁のあるイングリッシュ・ホルンが象徴的な音色で色付け、哀しみを広げると中間部が穏やかな光に満ちた情景を作り上げます。ラストの山場は感情の高まりを壮大に見せ、優しさ溢れるアンダンテです。

【第四楽章】
序奏は闇の様な陰鬱で強烈な緊張感でトゥッティのモットーを派手に鳴らします。そしてアレグ ロ・エネルジコへと一気にテンポアップ。第一主題はキレキレの迫力で進んで、スロー気味のテンポで重心低くパッセージと絡みます。怒涛の先に第二主題が穏やかに現れますが、緩みはありません。展開部は第二主題を表情濃く大きく鳴らし、行進曲は例によって極端な緩急を見せながら気迫満点、後半も緩急を強く付けていますね。再現部も序奏から第一主題をアゴーギクで表情を濃く、騎行はもちろん怒涛のパワープレイです。コーダもスローにと、揺さぶりも入って重厚で切れ味抜群の最終楽章になりました。


四つの楽章のバランスが素晴らしく迫力と切れ味のマーラー6です。特にアレグロの一・四楽章とスケルツォの二楽章は見事ですよね。

この曲の標準原器ですが、個人的には美しくまとまり過ぎのアンダンテが好みにフィットしないのがいつも気になります。それでも鉄板の一枚に違いありませんね。





クラウディオ・アバド, Claudio Abbado (5録音)

アバドのマーラー6は非正規を含めるとかなりの数がありますが、今回はウィーン響, ウィーンフィル, シカゴ響, BPO, そしてルツェルンでのDVDです。

年代的にも1967-2006の39年間に渡り、第二楽章の再三の変更、第一楽章提示部繰返しカットと色々やっていますね。



(#1)
Wiener Symphoniker
[MEMORIES] 1967-5/24


(2CDset. アバド32歳. 初VPOで初ザルツブルクという歴史的第2番"復活"カップリングです)

指揮者デビューから8年後、若き日のアバド34歳でウィーン芸術週間「マーラーツィクルス」に招聘され、ウィーン交響楽団を振ったマーラー6ですね。


【第一楽章】
第一主題はクセのない力感の行進曲、アルマの主題もほどほどの華やかさで共にアクのない流れです。展開部も二つの主題は標準的に、挿入部の静もほどほど。再現部では少しスパイスを足して、コーダは速めに駆け抜けます。全体としてはやや速めの標準仕様と言った感じですね。

【第二楽章】
スケルツォです。主要主題は速く急いでいる様な緊迫感、トリオでも速めですがメヌエットさは辛うじて残しています。木管動機は速めあっさりですね。最後の主部回帰など爆速で全体速くてセッカチ、目まぐるしい変則スケルツォ楽章です。次の楽章との対比を考えたのでしょうか?
(CD記述は誤記で第二楽章アンダンテになっています)

【第三楽章】
主要主題はテンポはSTDに戻して程々の優美さ、第一トリオは流れはキープして哀愁を強めにして来ます。中間部(第二トリオ)は約束通りの明るさに。標準仕様ですが速めで淡々としたアンダンテですね。ラスト前の山場は派手に広げていますが、それがターゲット?!

【第四楽章】
序奏のディナーミクは録音が悪く不明ですがアゴーギクはしっかりと、第一主題はかなり速くシャープ、第二主題も軽妙ですが速めに流れます。展開部も基本速めで第二主題を派手に、行進曲もやたらと走りますが、全体速くてフラットに感じます。再現部も騎行で迫力のキレキレ爆速をみせますね。録音がまともだったらこれは結構好きかもしれません。


速めで奮い立つマーラー6です。流れの基本は標準的ですが、テンポは処々やたらと速くて個性的です。

と言うか、不自然さを感じるくらいの速さですね。アバドがシェルヘンやマデルナの様な変則テンポを使うとは思いづらいです。(非正規盤の#1, #2は納得出来ない違和感を感じます)

おまけに録音は音楽を何とか聴けるレベルでmonoである事をお忘れなく。






(#2)
Wiener Philharmoniker
[FKM] 1972-7/30 CD-R

(#1)の5年後、ウィーンフィルとの非正規LIVEですね。
(演奏会記録によると1972-8/20の, GustavMahlerSoundArchiveによるとウィーン交響楽団, の可能性もあります)


【第一楽章】
標準的な第一主題と抑え気味のアルマの主題で(#1)と似た提示部ですが、なんと繰り返しカットです!! 展開部も切れ味はありますが標準的、再現部は両主題にスパイスを加えています。一部でアゴーギクの揺さぶりが入って、少し変化を見せますね。コーダのテンポは戻りました。速さが薄まっただけでここでも標準仕様に近い第一楽章です。

【第二楽章】
アンダンテに入れ替えです。主要主題は(#1)と似たSTDテンポで程々の優美さ、第一トリオは少しスロー化して哀愁に、中間部でもクセなく明るさを見せていますね。そしてラスト前の山場は大きく鳴らして、5年前のテンポダウンver.の様相です。

【第三楽章】
主要主題は速いですが(#1)の様なセッカチ感までは行っていません。ありげ範疇の速さです。トリオも程々のスロー化で古典の香りもそれなりに残して、木管動機もトリオの流れに合わせていますね。最後の主部回帰は速いですが異常値ではありません。標準的なスケルツォ楽章で、ここでも5年前のテンポダウンver.です。

【第四楽章】
序奏の陰影はスローに統一されて、提示部第一主題も標準的なテンポと乗りに、第二主題も安心テンポの軽妙さになっています。展開部の行進曲も異常な速度は無くなって気持ち良く聴ける様になりました。(#1)の異常な速さが改善されて、切れ味ある標準仕様になりましたね。


ほぼ標準仕様のマーラー6です。5年前のVSOを少しテンポダウンした感じですね。
ただ、極端な変更があって次の2点です。

① なぜ今回だけ第一楽章提示部の繰り返しをカット?!
② 今回第二楽章を入替え、次で戻してまた入替え?!

この後のカラヤンもザルツブルクで第一楽章提示部の繰り返しをカットに出ていますが、本当に不思議ですね。共に1970年代で、そう言う時代の末期ではありましたが。
ちなみに録音はこれも劣悪、内容にも違和感大です。






(#3)
Chicago Symphony Orchestra
[DG] 1979-2


7年後、シカゴ交響楽団との演奏です。この年アバドはロンドン響の首席指揮者に就任していますね。


【第一楽章】
第一主題は気持ち速めの落ち着いた行進曲、アルマの主題では華美を避けたクールな華やかさです。もちろん提示部繰返しを使っていますね。展開部の第一主題は勇壮に、挿入パートは弱音効果を強調しています。再現部は約束通りに主題群に激しさをプラスしていますね。王道で基本的にはそれまでと同じスタンスです。

【第二楽章】
スケルツォに戻しています。主要主題は速めで重さ控えめ、トリオでスローと静を強調してきます。このスロー静が今回のCSOの特徴的な構成ですね。木管動機はいっそう流れにフィットさせている感じで、主部ラスト回帰もしっかり鳴らします。スロー静はありますがVPO時代と同じスタンスで、スッキリしたスケルツォ楽章です。

【第三楽章】
主要主題は緩やかで抑え気味の美しさで、第一トリオでも少しスロー化して哀愁にチェンジとそれまでと変わりません。ハープが導く中間部もほどほどの陽光感です。抑えた流れはラスト前の山場で一気に感情を溢れさせます。山場にフォーカスしたアンダンテですね。それがアバドの狙い、一貫した流れです。そこへ向かう道が少し緩さを感じますが…

【第四楽章】
序奏はここでもスロー縛り、提示部行進曲は気持ち良く速めの勇壮感、第二主題も軽快さ重視で、王道ですね。展開部のコントラストも安心、第二主題をスカッと鳴らして行進曲は切れ味良く前進します。再現部も前半の二主題を緩急コントラストを付けて、騎行でテンポを上げて勇壮さで突き進みます。興奮や重厚感よりも勇壮爽快感の最終楽章ですね。


クセのない安心感のマーラー9です。基本は速め勇壮で静音パートをより静に少しスローに落とすのが特徴的ですね。(実は始めから第一楽章第一主題のパッセージはそうだったのですが、それが広がっただけかとw)

7年前と違うのは録音レベルとそのスロー拡張で、完成度を高め王道へ進んでいます。それでも何か一つ足りない感じ、で次があるわけですね。






(#4)

Berliner Philharmoniker (BPO)
[DG] 2004-6


マーラーを聴くなら後期のアバドはハズレやクセがなく、右のベルリンフィルとの全集を購入するのがベターかも。
(2番だけルツェルン祝祭管ですが、素晴らしい名盤ですね)

(#3)の25年後、2002年にベルリンフィルの首席指揮者・芸術監督を退任した後の録音ですね。この演奏の前年2003年にルツェルン祝祭管弦楽団の音楽監督に就任しています。


【第一楽章】
テンポはSTD化しましたが落ち着いた流れの第一主題、パッセージは静に落として、アルマの主題も過度の情感は広げません。アバドの考え方は1967年から統一されているのがわかりますね。展開部も第一主題を力感を込めて、挿入部では極端な静スロー化はしていません。再現部も約束通りに両主題に色合いを加えています。興奮を避けたクールな力感です。

【第二楽章】
再びアンダンテを持ってきました。静から入るやさしく優美な主要主題、第一トリオも落ち着いた哀愁で悲しみを広げます。中間部も控えめな陽光で、抑え目の流れからラスト前の山場を劇的な哀愁感で壮麗に鳴らします。美しさと哀しみが磨かれました。そして一貫して変わらないのが山場をターゲットに目指すスタイルですね。

【第三楽章】
主要主題は速めで重厚さを回避、トリオはスローで静に抑えて、変わらぬパターンですね。木管動機も殊更の主張はしていません。そして最後の主部回帰をしっかり鳴らす、スッキリとしたスケルツォ楽章になっています。

【第四楽章】
序奏はコントラストが付いて迫力が増しました。提示部行進曲は端切れ良く、パッセージと絡んで緊迫感を上げます。第二主題は淡々として主張しません。展開部も強弱メリハリが強まり、行進曲も心地良い爽快さそのものです。再現部は序奏に激しさが付いて第二主題もヌケが良くなりました。派手で大きな第一主題からの騎行はテンポアップで見晴らし良く闊歩します。
やっぱり興奮や重厚感よりも勇壮爽快感の最終楽章ですね。


高バランス完成形のマーラー6です。必要以上の激情や重厚さは無く、澱みの無い見晴らしの良さ、これぞアバドでしょうか。シカゴ響にあったスロー静も気にならなくなりました。

入替えなどあっても、各楽章の構成も当初から一貫されていて磨きがかかっています。バーンスタインVPO[DG]との双璧の名盤の一枚ですね。個人的には完成度より興奮が好きかも…w






(#5)

Lucerne Festival Orchestra
[EuroArts] 2006-8/10 DVD


BPOの2年後、ルツェルン祝祭管弦楽団の音楽監督時代の映像付き音源。アバドが設立したマーラー室内管弦楽団をベースにしたオケですね。


【第一楽章】
第一主題がスロー化して重厚感が付いています。アルマの主題も華やかさに派手さが加わりましたね。展開部でも第一主題に揺さぶりを入れて刺激性が増し、静の挿入パートも極端なコントラストは付けていませんが心地良さがあります。再現部は力感を少し足して、コーダは重心を下げた葬送から第二主題を大きく鳴らします。
それまでのクールさから堂々への変身の第一楽章ですね。

【第二楽章】
ここでもアンダンテで、主要主題は静を強調して入っていますがスローの中にディナーミクを振って来ました。コーラングレの哀愁がスローに映える第一トリオは抑えを効かせて澄んだ流れ、高まりはコントロールしていますね。中間部(第二トリオ)の陽光はやっぱり抑え気味で、そこから山場を今まで通りに大きく深く鳴らします。明確な山場強調路線は変わりませんが全体の情感が少し深まりましたね。

【第三楽章】
主部主題は勇壮さに重心が下がりました。トリオでも少し揺さぶりを入れた優美さに、木管動機も程よく変化を効かせる様に。各回帰も揺さぶりを入れて色合いを濃くしましたね。メリハリあるスケルツォ楽章になりました。

【第四楽章】
序奏では必要以上の揺さぶりを避け、提示部行進曲からパッセージは落ち着いた切れ味、第二主題はここでも程よい軽快さにしていますね。展開部前半は抑えてvc動機を強調、第二主題をテンポアップし強めにとコントラストを上げ、行進曲も激しさよりもキレキレの爽快さです。再現部も神経質な鬱スローで入り、華やかに鳴らす第一主題から騎行は興奮を排除しながらの切れ味で突き進みます。重厚, 興奮より華々しい勇壮さの最終楽章です。

BPOに色合いを足し重心を下げたこれぞ王道マーラー6になっています。それまでのクールな路線からこの曲らしい重厚さと力感に。アバドですからクセは無く、個人的にはメリハリあるこちらを押しますね。映像付きで演奏の様子も楽しめて失敗のない選択肢でしょう。


ラストはアバドが息を整えるのを待つ長い静寂の後に拍手喝采とスタンディングオベーション、そして団員の足踏みと起立を拒否して指揮者にオーディエンスの拍手を譲る姿、素晴らしいコンサートに付き物のアプローズがありました。アバドの嬉しそうな顔、そして吉井瑞穂さんが第二オーボエで入っているのも楽しいですね。





ヘルベルト・フォン・カラヤン, Herbert von Karajan (3録音)

カラヤンのマーラー6はDGの一枚だけで勿論セッションですね。とは言えカラヤンの非正規ライヴに凄い演奏があるのは知れた事実。6番にも有名な非正規盤があります。変な演奏もありますがw
オケは全てベルリンフィル(BPO)です。



(#1)
Belriner Philharmoniker
[DG] 1975-1, 4


カラヤンBPOのマーラー6番、得意のセッション盤ですね。


【第一楽章】
第一主題の行進曲は速めの勇壮さで、アルマの主題も大きな広がり、速め雄大な提示部です。展開部も速めをキープして、第二主題挿入部で静スローに大きくチェンジ、コントラストを明確にしますね。再現部は第一二主題を迫力に戻して、コーダは鬱なのに速い第一主題、そして第二主題を華々しく鳴らします。快速ハイコントラストの第一楽章です。

【第二楽章】
スケルツォです。主要主題は締まりよくシャープ、トリオはスロー軽妙で優美、木管動機は淡々としてますがフィットしていますね。テンポが標準化して切れ味良く、第一楽章の再現性を否定した流れですね。

【第三楽章】
主要主題はスロー優美な弦楽奏に、第一トリオも哀愁の濃さをスローの中に表現します。エモーショナルさを強くした流れから、中間部(第二トリオ)もスロー穏やかに明るい光を投げかけます。最後は哀しみに溢れ、スロー静そして情感ある素晴らしいアンダンテです。

【第四楽章】
厄介な序奏は鬱を避けて見晴らしの良いやや速めの流れ、アレグ ロ・エネルジコからの第一主題は勇壮そのものです。hrのパッセージもシャープに絡んで、第二主題はまさに軽妙チェンジ、上手いですよね。展開部の重いvc動機を珍しくスローに鳴らし、第一主題回帰からの行進曲は見事勇壮で快感!!です。再現部は序奏から第二主題を落ち着いた流れで入ると、第一主題を派手派手に鳴らしてこの曲の聴かせ処 怒涛炸裂の騎行に突入!! そしてコーダを鎮めてラスト一撃で見事に作った勇壮・雄大さの流れを締めくくります。


全パートを見通した高完成度のマーラー6です。個々の楽章・主題・トリオが持つ情景を掴んで構築していますね。

パートの個性毎に明確にテンポ設定を変えているので、その流れが全体統一感にはネガティブな印象を与えるかもしれません。

実は隠れファンなので本来です。付けていないのは、次の演奏があるからと言う事になります。






(#2)
(★)☆
Belriner Philharmoniker
[eternities] 1977-6/17

非正規盤ながら評判の高いパリ・シャンゼリゼ劇場のBPOライブですね。DGの録音から二年後で演奏時間は少し長くなり、カラヤンの非正規LIVEの9番(1982-5/1録音)ほどの狂気興奮はありませんが名演奏の誉れ高い盤です。


【第一楽章】
第一主題の行進曲から壮絶激情で、DG同様速めです。アルマの主題も情感が強いですね。展開部では凄い切れ味で第一主題を作り、第二主題挿入部でスロー静に大きく落としますが、最後は激しい流れになって再現部になだれ込みます。第一主題に壮烈な色合いを加えて激情的に突進、アルマの主題は優美にコントラスト付け。コーダ第一主題はハイテンポで激しく派手に変わり、華やかな第二主題で壮大に鳴らして終わります。DG盤と同じ構成ですが刺激のスパイスが大きく効いていますね。

【第二楽章】
スケルツォです。主要主題はシャープでキレキレに締めて一切隙がありません。トリオは淡々としていますが少し速く優美さの裏の緊迫感を感じますね。木管動機もここではシャープさを見せて、主部回帰は激しさが満ち溢れます。DG盤と違い第一楽章の延長線上の鋭い切れ味ですね。

【第三楽章】
主要主題はスローを殺してテンポを戻し、優美ではあっても甘美ではなく緊張感を感じます。第一トリオはDGと似てスローで哀愁の濃い流れを作り、情感を高めながら進めて中間部(第二トリオ)は雲を退けて壮大に光輝きます。哀愁と美しさ、そして大きなラスト山場、情感コントラストの高いアンダンテです。

【第四楽章】
序奏はDG盤と同じく鬱に溺れず、提示部第一主題で突撃性の高い行進曲へ。hrのパッセージもそこに絡んで流れを速めると、第二主題がハイテンポ軽妙に現れます。展開部のvc動機はDG盤同様スローに、第二主題のピークは盛大、#1ハンマー後の行進曲は興奮を避けながらの爽快さから力感を見せます。再現部も序奏を鳴らして第二主題を抑えると、第一主題が派手に登場。そこからの騎行は激しさと華やかさまで感じる素晴らしさです!! コーダはDG盤同様に鎮めてから一撃です。
過度の興奮や炸裂を避けつつビシッと締まった最終楽章です。


緊迫感ある流れで通した刺激的マーラー6です。こうなるとアンダンテの情感を高めた流れがいっそう生きて来て、高次元のバランスになりますね。

基本はDG盤ですが、正規セッションとは異なるカラヤンのもう一つの顔。本人が認めなかったLIVEに聴ける情熱のこもった演奏です。

今回も非正規盤で困った事ですが音質もADDで正規レベル、やっぱり一押しです






(#3)
Belriner Philharmoniker
[FKM] 1977-8/27

(#2)の2ヶ月後、同じくベルリン・フィルとのザルツブルクでの非正規LIVE録音ですね。


【第一楽章】
第一主題は一層のテンポアップで速さが主役に、木管コラールでテンポを少し下げて アルマの主題は華やか優美に奏でます。えッ? 提示部繰り返しカット!!
展開部第一主題を速めに、第二主題でほどほどのスロー静に約束通りに落とします。再現部も第一主題は猛烈に速く刺激的、コーダの両主題も速いです。猛烈な速さと提示部反復カットの不可思議さが際立つ第一楽章になりました。

【第二楽章】
スケルツォです。主要主題も速いですね。緊迫感もあるのですが、速さばかりが気になります。それでもトリオはメヌエット風に洒脱に落としています。このコントラストが凄いですw 木管動機はあっさり流されます。主部回帰は荒っぽさも見せるのですがとにかく速い!!、そればかり印象に残ります。

【第三楽章】
主要主題は緩やかマイルドになり、DG盤に戻った印象です。第一トリオもスローの哀愁感が強いイングリッシュ・ホルンが特徴的で、中間部(第二トリオ)も明るさを伸びやかに鳴らしてきます。ラストの溢れる哀愁は何とも盛大に。アンダンテは速さから逃れましたね。

【第四楽章】
序奏は例によってスロー鬱に埋もれず、提示部第一主題は予想通りの爆走になっています。第二主題もハイテンポ軽妙でいつもらしさです。展開部のvc動機はやっぱりスローに一発目を、そして行進曲はもちろんスカッとしています。再現部も第一主題の派手さから騎行を最大限の切れ味で突進していますね。破綻を来さないのがカラヤンBPOらしさでしょう。最終楽章も今までの流れをトレースしています。


第一楽章が大変貌のマーラー6です。猛烈に速く 提示部反復のカット、なぜ今更…?! 曲の内容よりも奇妙な変貌に驚きです。

カラヤンは9番のLIVEで色々なパターンを試している事がわかっていますが、これは極端。確かにアンダンテと最終楽章は今までの流れですが、あまりに一二楽章がチャレンジャブルです。

内容的に同じFKMのアバドの(#2)と共通した違和感があります。





ヴァレリー・ゲルギエフ, Valery Gergiev

London Symphony Orchestra
[LSO] 2007-11


(右は全集です)

ゲルギエフが、2007年から2015年まで主席指揮者を務めたロンドン交響楽団とチクルスを進めた時の6番ですね。


【第一楽章】
第一主題は速く軽めですが、アルマの主題で情感を高めます。提示部の繰り返しで第一主題の重厚さは増している気がします。本来そんな事はないはずですが… 展開部第一主題は力感、挿入部スローパートは落ち着いた静寂、再現部は重量級ですが速めで締まりを良くしていますね。コーダはスロー静の葬送と第二主題を速く力感とコントラストをキッチリ付けます。速めの設定で個性を見せる第一楽章です。

【第二楽章】
アンダンテを持ってきています。主要主題も速めの美しさですが哀愁の響きを感じ、第一トリオはいっそうの哀愁色を奏でます。中間部(第二トリオ)は厚い音色で華やかに鳴らして、ここまではっきりと作るのも珍しいかも。速めですが優しさ美しさを上手く表現している感じですね。

【第三楽章】
主要主題は徐々にテンポを上げて力感と低重心、トリオはスローダウンさせて軽めのメヌエット風に対比させています。上手いですね。続く木管動機は抑えずにしっかり主張させる珍しさ、テンポ変化のコントラストが効果的なスケルツォ楽章です。

【第四楽章】
序奏は陰影のコントラストを強めに、アレグ ロ・エネルジコからの第一主題は切れ味抜群!! hrのパッセージの緊迫感と絡むと第二主題は快速軽妙のフィットを見せます。展開部は第二主題・vc動機を速めに切れ味を付け、行進曲はもちろん速く爽快さとパワーの快感です。再現部はスロー鬱に落として入り第一主題を派手派手しく鳴らし、一気に騎行へ突撃!! 強烈なハイスピードで爆走、そして怒涛爆進の快感です!!


速めの個性を上手く光らせたマーラー6です。速さの中に力感や優しさを見事に対比させていますね。

全体的には明確な緩急強弱コントラスト付けの構成でトータルの爽快感もしっかり作っています。を付けたくなっちゃいますねェw





小澤征爾, Seiji Ozawa

Boston Symphony Orchestra
[DECCA] 1992/1/30 - 2/4


小澤さんが長年主席指揮者(1973-2002)を務めた手兵ボストン交響楽団とのマーラー6ですね。


【第一楽章】
リズムの良さと低重心で小澤さんらしい第一主題、アルマの主題は美しさと華やかさですね。展開部でも第一主題をしっかり鳴らして、第二主題からの挿入部をスロー静の穏やかな雰囲気で満たします。王道の安心感です。再現部も必要以上の主題の興奮は避けて、キレの良いコーダからフィニッシュです。力感よりも安定感の第一楽章ですね。

【第二楽章】
スケルツォです。主部主題は速いテンポで進みますが重厚さは付けません。トリオはスロー緩やかなメヌエット色を強くしてコントラストを付けていますね。木管の動機も淡々と流れに乗せています。落ち着いたスケルツォ楽章です。

【第三楽章】
主要主題は美しく流れ良く、第一トリオは哀愁感を強く出して来ますね。気持ちが入った先の 中間部(第二トリオ)は明るい日差しをスロー緩やかに照らします。聴かせ処のラスト山場もコントロールが利いています。

【第四楽章】
適度な陰影付けの序奏から、提示部第一主題行進曲は締まり良く突き進みます。ここで初めてスカッとした流れが見えました。第二主題もフィットした切れ味の軽妙さで、盛り上げて進みます。展開部は静的パートからの山場のコントラストが良く、行進曲も締まりと切れ味があります。再現部も第一主題からの騎行を気持ちハイテンポで飛ばしてシャープにまとめていますね。テンポも良く、やっと見晴らしの良い楽章に出会えました。


マイルドカレーの様なマーラー6です。クセが無く感情移入も少なめ、メリハリ不足?! 最終楽章だけが小澤さんらしい締まりの良い王道で、アンダンテ以外そうして欲しかった?!

なんであれ、もう少し刺激物が欲しい感じですよね。





井上道義, Michiyoshi Inoue (2録音)

井上さんは2CDの録音がありますね。好きな指揮者の一人ミッキーのマーラー6も良い演奏が残されています。

(#1)
Royal Philharmonic Orchestra
[CANYON] 1988-5/3, 4


(所有盤とは異なりますが同録音盤になります)

ミッキーこと井上道義さん(1946/12/23 - )が41歳の時にロンドン・ロイヤルフェスティバルホールでロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団を振ったマーラー6ですね。


【第一楽章】
第一主題はややスローに入ってテンポを戻します。第二主題もスローで感情を抑えた入りからテンポを戻すパターンですね。展開部は第一主題の力感が効果的で挿入部スローとの対比が決まりました。ただスローが長く間延び感を作ってしまいますね。再現部も第一主題を力強く、コーダもスローの葬送から第二主題をしっかり鳴らしています。スローを効かせた端正な流れの第一楽章です。

【第二楽章】
スケルツォ主部もスローです。マーラーの指示通りの重さが感じられますが、第一楽章第一主題の様な迫力は控え目ですね。トリオもややスローで決して軽妙ではありませんし、続く木管動機も重心は低いです。コーダ前の山場はスローで大きく鳴らします。

【第三楽章】
主要主題は静で感情を抑えて進み、第一トリオも哀愁を薄めて静かな流れを作っています。中間部はhrが暖かみのある心地良い音色を鳴らして心地よさがありますね。ラストで強音の表現をしますが、全体は感情を表に出さない静の流れのクールなアンダンテになっていますね。

【第四楽章】
序奏の陰影強い上手い表現からアレグ ロ・エネルジコでスカッとした提示部の行進曲(第一主題)へ入ります。第二主題は小洒落た流れを作り、心地良い構成ですね。展開部は第二主題を派手に、行進曲も気持ち良さです。再現部は第二主題でスローを使っていますが、単に静パートの印象しかありません。第一主題から騎行も迫力を見せますが、三楽章までとのギャップが大き過ぎです。それまでと違いスローを避けた標準的楽章になってしまいました。せっかくなら何かスローのクールさが欲しかったですね。コンサート受け狙いの構成?!


第三楽章までは個性が光るマーラー6です。スロー軸足で落ち着いた流れで、力感は付けても興奮は排除しています。よく練られた感じですね。

ところが最終楽章だけが標準仕様的になってしまい本当に残念。えッ? その流れじゃないでしょ!? って言う感じです。






(#2)
新日本フィルハーモニー交響楽団
[EXTON] 2000-3/9


ミッキーがRPOとの録音から12年後、演奏時間がさらに伸びています。(第二楽章を除く)
 ・第一楽章 23:50 → 24:58
 ・第二楽章 14:04 → 13:58
 ・第三楽章 15:07 → 15:51
 ・第四楽章 30:20 → 31:28


【第一楽章】
入りの第一主題はややスローで重厚さ重視、アルマの主題はスローで情感強く表現される様になりました。展開部の挿入部スロー静の間延び感が改善されコントラストが着き、後半山場から再現部第一主題もスローを回避して力感が押し出されています。(#1)のスローからテンポを戻す変化は無くなって表情も明確化、スローを見せつつ堂々明瞭な第一楽章になりました。

【第二楽章】
スケルツォ主部はここでもスロー重厚で少し揺さぶりも感じます。トリオでは優美になってメヌエット色が出てきましたが、木管動機はスローで重めのままです。スロー重厚さに揺さぶりも入って濃い表現になりましたね。

【第三楽章】
静の緩徐で優しさを感じる様になった主要主題、第一トリオも標準的な哀愁に。中間部の暖かみは(#1)に似ていますね。ラストの山場は感情が溢れて、クールなアンダンテから情感を見せるアンダンテになりました。

【第四楽章】
序奏は細かいパートをうまく組合せて、提示部行進曲はシャープに、第二主題がクールなって出て展開部へつなぎます。ここでも第二主題を鳴らして、行進曲は力感がましていますね。再現部第二主題のスローは引き継いで、第一主題・騎行もパワープレイが光ります。今度は全ての楽章の流れがフィットしましたね。


スローを基本に王道方向へ舵を切ったマーラー6です。(#1)の第四楽章に全体を合わせた様な流れになりましたね。

新日本フィルも好演で応えていて、か悩むほど完成度は高くなりましたが個性が薄まり、心の片隅に(#1)のクールな流れの完成版が聴きたい気持ちが…

マーラー9でも同じ様に見事なミッキースローが残されていて、井上マーラーを味わうならそちら(EXTON 2000年録音)が一枚上かも。





ジョルジュ・プレートル, Georges Prêtre


Wiener Symphoniker
[WEITBLICK] 1991-10/10


今年(2017)一月に亡くなったフランス人指揮者ジョルジュ・プレートルは不思議な存在だった気がします。大騒ぎしたマーラーの5番での印象だけで、個人的にはそれ以外で聴くことはなかったですね。
終身名誉指揮者だったウィーン交響楽団(VSO)を振ったマーラー6です。


【第一楽章】
勇壮な行進曲が明瞭な第一主題、美しく柔らかなアルマの第二主題。展開部第一主題は少し荒っぽく、挿入部の静とコントラストを付けますね。再現部も第一主題のパワーが際立って、ほどほどのアゴーギクと程よい力の入り具合がフィットした第一楽章です。

【第二楽章】
第一主題はやたら速く第一楽章からの繋がりを拒否。トリオで一般的な古典風スロー優美に戻しますが、それでも少し速めかも。続く木管動機はほどほどに納めますが、トリオの回帰は大きく揺さぶってクセの強さを見せ、極端な高速第一主題と変則性の高いスケルツォ楽章を作ります。

【第三楽章】
アンダンテ主要主題は美しいですがスローの揺さぶり、第一トリオもその流れにあって哀愁方向に鳴らします。情感を高めた後の中間部(第二トリオ)はhrが気持ち良く鳴らして明るさを披露。出し入れの強い緩徐楽章です。

【第四楽章】
序奏は出し入れ強く、提示部第一主題の勇壮さは強烈なハイテンポを効かせて、第二主題で肩の力をフッと抜くように落ち着かせます。展開部もテンションは高く、冒頭の第二主題も静の緊張感があって 行進曲は絶好調の爆走。再現部も第一主題を大音響で炸裂させると、騎行は怒涛の渦の様に狂乱爆進して辺りを破壊する勢いです!! 強烈なハイテンションの最終楽章ですね。


荒っぽくアゴーギクで揺さぶるマーラー6です。行け行け的流れでコンサート受け間違いなし、最終楽章の行進曲・騎行の迫力はトップクラスで白眉ですね。

アゴーギクの揺さぶりも強めですから変則的な印象が常に着いて来ます。ハイテンションのマーラー6を聴きたい貴方にピッタリです。







直近のコンサートですと、先々週 2017年5/18のサロネン/フィルハーモニア管の第6番は良かったです。ハッとする様な新鮮な演奏に出会いたいですね。




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