ダンツィ管楽五重奏団, ホリガー(Heinz Holliger) の Zeitgenössische Musik für Bläser を聴く

ダンツィ管楽五重奏団(Danzi-Quintett)の管楽室内現代音楽集ですね。1968年と古い録音で、時代背景から行くと5曲とも混迷も含めて前衛現代音楽絶頂期の作品という事ですね。当時はもちろんLP、今思うととても興味深い感じです。

「Zeitgenössische Musik für Bläser, 管楽器のための現代音楽」演奏は以下のメンバーになります。当時29歳の天才オーボエ奏者ハインツ・ホリガー(Heinz Holliger, 1939/5/21 - )がシュトックハウゼンのツァイトマーセでイングリッシュホルンで入ります。

Danzi-Quintett
・Bassoon – Brian Pollard
・Clarinet – Piet Honingh
・Flute – Frans Vester
・Horn – Adriaan Van Woudenberg
・Oboe – Koen Van Slogteren

・English Horn – Heinz Holliger (No. 5: Zeitmasse)

Zeitgenössische Musik für Bläser / Holliger・Danzi-Quintett
(Malipiero/Fortner/Henze/Stockhausen/Becker)
DanziQuintett-Holliger_ZeitgenössischeMusikFürBläser

Musica Da Camera (1959年) for wind quintet
 イタリア人現代音楽家リッカルド・マリピエロ(Riccardo Malipiero, 1914/7/24 – 2003/11/27)は、私も好きなジャン・フランチェスコ・マリピエロ(Gian Francesco Malipiero)に作曲を師事しています。
十二音技法ですが、「室内音楽」四楽章の通りの古典構成で旋律や動機が存在して機能和声的展開です。ジャン・フランチェスコ・マリピエロに通じる心地よさがあります。技法は現代音楽の新古典主義ですね。

Five Bagatelles (1960年) for wind quintet
 ドイツの現代音楽家ヴォルフガング・フォルトナー(Wolfgang Fortner, 1907/10/12 - 1987/9/5)はダルムシュタット夏季現代音楽講習会でも講師を勤め、教え子にはH.W.ヘンツェやB.A.ツィンマーマン等のビッグネームがいますね。
「五つのバガテル」ですから5小曲作品です。所々で音の跳躍が存在して音列配置の残影はありますが点描構成ではなく動機が存在します。カノンの様な機能和声方向で前衛ではありません。新古典と言うほどではありませんが、聴きやすいです。

Quintett (1952年) for wind instruments
 ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(Hans Werner Henze, 1926/7/1 - 2012/10/27)の初期作品で十二音技法の作品です。
三楽章楽曲「五重奏曲」です。初期のヘンツェらしく調性感を残しながらの移調・転調風の楽風です。上記二曲よりは前衛に近いとはいうものの、時代とした折衷的に聴こえたと思います。足枷から逃れた今の時代の前衛とすれば逆に違和感が少ないかもしれませんね。

No. 5: Zeitmasse (1956年) for five wind-wood instruments
 カールハインツ・シュトックハウゼン(Karlheinz Stockhausen, 1928/8/22 - 2007/12/5)については割愛w
ホリガーがコーラングレ(コール・アングレ,仏語 cor anglais またはイングリッシュホルン, english horn)で入っています。
「ツァイトマーセ」は、かの「グルッペン, Gruppen」と同じ時期・スタンスのポスト・セリエル楽曲で、基本セリエルで「群作法」です。この後「モメント形式」へ移るわけですね。
一楽章13’強の楽曲です。上記楽曲に比べると当然ながら前衛で点描的、音の跳躍が明確な音列技法の色合いが強い曲です。そしてポリフォニーパートがあり混沌が存在します。ただ、動機やユニゾンもあってシュトックハウゼンと、この時期の流れを味わえると思います。特にホリガーを意識する必要はなさそう...かな。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  Quinteto de Maderasによる演奏です。


Serpentinata (1968年) for wind quintet
 ドイツの現代音楽家ギュンター・ベッカー(Günther Becker, 1924/4/1 - 2007/1/24)は上記のヴォルフガング・フォルトナーに師事し、同じくダルムシュタット夏季現代音楽講習会で講師を務めました。
この「セルペンティナータ」は短い動機の反復と変奏がベースで、基本は点描で音列配置の感が強い前衛楽風になります。クラスターやノイズの様な音色で表情変化も豊か、ポスト・セリエリズムから出てきた今の時代に通じる前衛ですね。



シュトックハウゼンが入っている事もあって、この時代の前衛現代音楽の流れを楽しめるアルバムでおすすめです。前衛の衰退に入る、その間際の時代が味わえますね。
とても残念なのは入手が難しそうで、アマゾンでは再入荷見込みなし になっています。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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