カイヤ・サーリアホ(Kaija Saariaho) の Trios を聴く

前回に続きフィンランドの女性現代音楽家 カイヤ・サーリアホ(Kaija Saariaho, 1952/10/14 - )、好きな現代音楽家の一人です。
印象は物静かな大女(失礼!!)、サーリアホの室内楽集です。前回紹介の「Let The Wind Speak」はフルートをフィーチャーしたソロ、デュオ曲集でしたが、今回はタイトル通り三重奏曲のアルバムになりますね。

演奏は以下です。
 ・Alto Flute – Mikael Helasvuo
 ・Cello – Anssi Karttunen
 ・Percussion – Florent Jodelet
 ・Piano – Tuija Hakkila
 ・Soprano Vocals – Pia Freund
 ・Viola – Steven Dann
 ・Violin – Ernst Kovacic

Trios / Kaija Saariaho

Mirage, for soprano, cello & piano (2007年 Chamber version)
女性自身を歌うTextはメキシコ人シャーマンの祈祷師、Maria Sabinaのトランス状態の言葉を元にしているそうです。
この年代のサーリアホらしい楽風で、チェロとピアノは主従の関係から対位的位置づけになりポリフォニカルです。トリル&トレモロの反復は、その旋律と響で空間音響系音楽に感じられます。激情性も絡み、面白いですね。もちろん一時期の調性感はなく無調です。
オーケストラ版ではピアノがオケに変わります。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  ちなみにオーケストラ版はこちら



Cloud Trio, for violin, viola & cello (2009年)
1. Calmo, meditato, 2. Sempre dolce, ma energico, sempre a tempo, 3. Sempre energico, 4. Tranquillo ma sempre molto espressivo
弦楽三重奏曲でノイズ系になります。グリッサンド、トリル、反復が基本で "ギロギロギロ..." 系です。三つの楽器は対位的であったり主従(旋律vs伴奏)であったり、曲風は幻想的であったり早いペースであったりと様々です。

Cendres, for alto flute, cello & piano (1998年)
唯一の20世紀作品で得意のフルートが入ります。基本はノイズ系でポリフォニー、静的な流れの混沌無調の中に旋律や刺激が挟まれます。サーリアホらしい作品と言う感じがしますね。好きなパターンです

 ★試しにYouTubeで観てみる?


Je sens un deuxième coeur, for viola, cello & piano (2003年)
1. Je dévoile ma peau, 2. Ouvre-moi, vite!, 3. Dans le rêve, elle l'attendait, 4. Il faut que j'entre, 5. Je sens un deuxième coeur qui bat tout près du mien
ノイズ系ピアノ三重奏曲です。基本的な構成は一つ前の「Cendres」似ていてバリエーションは広く表情変化が楽しめますね。ただ基本に流れるのは静的ではなく、part.2や4の様な徹底した反復クラスターの強烈さを見せてくれるのが特徴的です。

Serenatas, for percussion, cello & piano (2008年)
1.Delicato, 2.Agitato, 3.Dolce, 4.Languido, 5.Misterioso
パーカッションが入る事で色彩鮮やかになりますね。反復強音パートもあり、前曲の進化系的な音楽です。鍵盤打楽器を駆使していますが、現代音楽にマッチしていると思います。



電子音楽から調性感へ、そしてサーリアホが無調に回帰?した混沌の中に強音パートや旋律が存在する今の音楽が楽しめますね。
欧州エクスペリメンタリズムを楽しむなら、この辺から聴き始めるのも"あり"かと思いますね。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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