先月発売の アムラン と ブニアティシヴィリ で聴き比べるラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番

ここ近々で発売されたセルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Rachmaninov, 1873/4/1 - 1943/3/28)のピアノ協奏曲第三番、注目の二枚を聴き比べてみようと思います。
言わずと知れた人気の超絶技巧ピアノ・コンチェルトですのでラフマニノフと曲の紹介は割愛ですね。
それにしてもジャケットもモノクロでタイトルが赤と似ていますよね。

HamelinBuniatishvili.jpg



かつてハマっていたアムランのCDは10枚以上インプレ済みだと思いますが、近年は来日がありませんね。
マルク=アンドレ・アムラン(Marc-André Hamelin)と書きますが、発音はマルカンドレ・アムラン。そんな事は音楽に関係無いと思いますが、こだわる人もいて日本語化は面倒です。

Medtner Piano Concerto No.2, Rachmaninov Piano Concerto No.3 / Marc-Andre Hamelin

ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番
 全体スローです。第一楽章の例のカデンツァ(長くなるのでオリジナルとオッシアの件は割愛w)は切れ味の効いた、これ見よがしの無いシャープさです。アムランらしいですね。第二楽章のエピソードなどもピアノの歯切れの良さは素晴らしいですね。通してピアノパートは派手さを抑えたアムラン・パターン、オケも控えめで落ち着いたコンビネーションです。pfはたとえ強音パートでも興奮より雄大さ。ユロフスキ指揮/ロンドンフィルも寄り添うように必要以上の盛上げを回避しています。全てで音の粒立ちの良さはアムランらしい さりげない超絶テク、まさにクール!
コンサートで熱狂を誘う様なあざとい演奏とは一線を画した、アムランのコンチェルトですね。

□ メトネル・ピアノ協奏曲第2番
 カップリングはメトネル(Nikolai Karlovich Medtner, 1880/1/5 - 1951/11/13)です。と言ってもアムランとイリーナ・メジューエワくらいしか浮かびません。アムランのアルバムで初めて聴いたのが正直なところです。ラフマニノフの7歳上、印象はロシア的ロマン派ですね。
まさにそんな曲ですが、ここでのアムランはラフマニノフよりも饒舌です。表情を強く出す様なディナーミクと見合ったpfの力を見せてくれますね。特別面白い曲でも無いのですが、打鍵の切れ味の良いアムランのpfが最大の魅力です。



見た目の肉感的(失礼!)な様相とは違うエモーショナルさが好きなピアニスト、ブニアティシヴィリ(Khatia Buniatishvili)です。この二曲は不安感でした。大向こうを唸らせる演奏が今のブニアティシヴィリの個性に合ってとは思えない気がするからですね、個人的にですが。

Rachmaninoff Piano Concertos Nos 2&3 / Khatia Buniatishvili

ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番
 速めでアゴーギクを振ります。第一楽章のカデンツァは濃い感じがブニアティシヴィリらしく無い気がします。速めな分、pfは技巧を見せつけたくなる展開ですがそこはブニアティシヴィリ、明るいパートやスローなパートでの情感あるエモーショナルさを聴かせます。この曲の持つ美しさを最大限表すブニアティシヴィリの良さですね。ただ、オケ(P.ヤルヴィ/チェコフィル)はもったいぶった陰影を付け過ぎのきらいが感じられます。強音パートでのpfのブニアティシヴィリも今ひとつ、そこでのネガティブ感が強いですね。プロデューサー、グロスの責任?w

□ ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第2番
 カップリングされたのは第2番、ここでも同じ事が感じられます。確かにこの二曲は重厚壮大さでコンサートでは大受けとなるわけですが、ブニアティシヴィリの良さを生かすのが本当にその王道でP.ヤルヴィ/チェコフィルの様なセットなのかなぁ、って思います。ブニアティシヴィリの感性を生かした解釈で新しいラフマニノフのピアノ協奏曲を作っても良かったのでは。今更リヒテルも無いでしょうし、アルゲリッチから脱却してもいいと思います。その手はラン・ランあたりに任せて、今の時代の新しい演奏が聴きたいですね。

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クールなヴィルトゥオーゾ、アムラン。際立つ超絶技巧を軽々と難なく見せつけるスタイルはやっぱり素晴らしく、買って損なし!!です。メトネルの情熱ある演奏も良いですね。久しぶりのアムランを楽しめました。
 一方ブニアティシヴィリは彼女らしい情感の高さを生かすも、重厚な興奮を求めたくなるパートでその良さが生かせず。もし、そのパートを音楽監督やプロデューサーが新しいオリジナリティを考えていたらもっと違った世界があったかもしれません。良い悪いはわかりませんが、期待したブニアティシヴィリではありませんでした。



テーマ : クラシック
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