ガリーナ・ウストヴォーリスカヤ(Galina Ustvolskaya)の ピアノ作品集(Piano Sonatas No.1-6, 12 Preludes)を聴く

超個性的なロシアの女性現代音楽家ガリーナ・ウストヴォーリスカヤ(Galina Ustvolskaya, 1919/6/17 - 2006/12/22)のピアノ作品集です。ショスタコーヴィチとの師弟関係等は以前に紹介済みです。

何と言っても後期のホモフォニーで単拍子のクラスター音楽は似た世界がありません。このアルバムでは1947年から1988年にかけてのピアノ・ソナタと1953年の12 Preludesが楽しめます。
ピアノはイワン・ソコロフ(Ivan Sokolov)です。ウストヴォーリスカヤのピアノ曲集は多数出ているので、本来ならヒンターホイザー(Markus Hinterhaeuser)らとの聴き比べが必要でしょうが、今回は楽曲のインプレになります。

Piano Sonatas No.1-6, 12 Preludes / Galina Ustvolskaya

■ ピアノ・ソナタ第1番 (1947年)
四楽章の音列配置的な楽曲です。第三楽章は緩徐楽章ですが、全楽章で打鍵の強さを感じますね。一つ一つの音が存在感を持つのはこの時代から既に確立されていた感じです。基本的には新ウィーン楽派ピアノ曲からの派生の様相です。

■ ピアノ・ソナタ第2番 (1949年)
二楽章で#1に似ている展開です。一つの音符に明瞭に打たれる強い打鍵音はウストヴォーリスカヤですが、全体としては音列配置風の音楽の域を脱しませんね。ただ、後半楽章で旋律的な展開や反復が見られる様になります。

■ ピアノ・ソナタ第3番 (1952年)
一楽章形式になります。反復が採用され、打鍵音には強弱の変化が大きくなります。基本的にはアルペジオ点描的音列ですが、表情変化が明らかに認められる様になりますね。

■ ピアノ・ソナタ第4番 (1957年)
時代はトータルセリエルからポストセリエルへの時代。四楽章形式に戻りますが、強弱のコントラストと旋律の存在、そして反復が明確になります。和音やトリル展開も入り、それが音列配置の中に何か超える楽風を見せ始めます。

■ ピアノ・ソナタ第5番 (1986年)
何と約30年を隔てて創られた一楽章のソナタです。いきなりの強音展開です。和音でのクラスター音は音塊です。基本に流れるのは反復構成で、緊迫感を増していますね。静音との対比で、それが一層感じられますね。後期のウストヴォーリスカヤらしいパワーが溢れています。

■ ピアノ・ソナタ第6番 (1988年)
一楽章で、よりおどろおどろしい気配が強くなります。執拗な反復と低音域の和音クラスターの組み合わせは単拍子で特徴的、ピアノがゴワ〜ンと共振しているのがわかります。無比のウストヴォーリスカヤのとんでもない素晴らしさです。

試しにYouTubeで聴いてみる?
 楽譜付です。♩=92の速度記号と1/4の拍子記号はありますが小節はありません。単拍子の楽譜が明瞭です。(拍子記号があるのに小節がないのも不思議ですが...)


12の前奏曲 (1953年)
ピアノソナタ第3番の翌年作品です。基本姿勢はpreludeだからと言って変わるはずもなく、ここでは小節はありませんが1/4と1/8の拍子記号はあります。(小節も拍子記号もない事が多い様です)
印象はsonata no.3と同じですね。

試しにYouTubeで聴いてみる?
 同じく楽譜付です。




何と言っても後期、ピアノソナタ第5番・第6番です。それも圧倒的に第6番の凄さで、一時代 人気を博したのがわかりますね。実にオススメです。

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