トリスタン・ミュライユ(Tristan Murail)の代表作 Winter Fragments を聴く

スペクトル楽派創始者の一人、フランスの現代音楽家トリスタン・ミュライユ(Tristan Murail, 1947/3/11 - ) は好きな現代音楽家です。同じく創始者の故グリゼーの即興性に比べると空間音響性が明確で聴きやすいのも事実ですね。

このアルバムは印象的な代表作「Winter Fragments 冬の断章」が入っている事でしょう。早世したグリゼーの代表作「空間音響」のモチーフを用いて作られました。
一曲を除きスタイルが確立された1980年以降、2000年前後の作品になります。
演奏は、指揮:Michel Galante, フルート:Erin Lesser, 室内楽:Argento Chamber Ensemble です。

Winter Fragments / Tristan Murail

Winter Fragments (2000年), for ensemble & electronics
グリゼーの「空間音響」ミの自然倍音の第3倍音のシを基音として同じモチーフで作られているそうで、煌めきと共鳴の空間音響音楽です。細やかな各楽器の旋律が、空間に広がるように響ます。pfは打音と残響音です。そして何と言ってもミュライユらしいキラキラとした音がいいですね。
 ★試しにYouTubeで聴いてみる?

Unanswered Questions (1995年), for flute
フルートのソロ曲ですが、ここでも展開は同様ですね。幽玄幻想の響です。能の笛、能管のイメージに近いでしょうか。

Ethers (1978年), for flute & ensemble
この曲だけが古く、転機となった1980年のIRCAMでの情報理論の研修以前の作品になります。音数がやや多く、各楽器間の絡みもポリフォニー的で密度が高いです。間や空間を感じられる余地がまだ少ないですね。明らかに作風が異なります。

Feuilles a travers les cloches (1998年), for flute, violin, cello & piano
各楽器が緩い音階を奏で、空間を音で形作る様です。密度の薄めな音と対照的に緊張感は高く、それも空間を意識させますね。

Le Lac (2001年), for ensemble
一曲目の Winter Fragments はこの曲で完全な締めとなる、とライナーノートにあります。それは自然界の音の音響解析と、それらのelementsによるスコアのアイディアにあるそうです。
曲は煌めきを抑えて、やや暗めの印象です。間と響の空間に変わりはありません。音数による表情とクラスター的な音は増えています。音響解析からの鳥の鳴き声風な音もここで出てきますね。
乱暴な言い方をすれば、メシアン - ブーレーズ からの流れを感じられますね。
 ★試しにYouTubeで観てみる?
 英国初演。John Stringer指揮、Chimera Ensemble による演奏で、楽器構成が見られます。




個人的には一二曲目の静的世界が好きですね。何がここまで空間を印象付けるのでしょう。ふと日本の能の世界を思いましたね。そんな音と空間の関係を感じます。最後のLe Lacも興味深いです。
やっぱり良いですね



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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