ラッヘンマン(Helmut Lachenmann)の Allegro Sostenuto, Pression 他を聴く
ビッグネームであり、好きな現代音楽家ヘルムート・ラッヘンマン(Helmut Friedrich Lachenmann, 1935/11/27/ - )です。何回もインプレ済みですから紹介は割愛です。
このアルバムはちょっと古い1960年代-80年代のソロとトリオ作品になりますね。
Allegro Sostenuto, Pression, Dal Niente, Interieur I / Helmut Lachenmann
■ Allegro Sostenuto (1986-88年)
[Clarinet] Eduard Brunner, [Cello] Walter Grimmer, [Piano] Massimiliano Damerini
クラリネット演奏者のエドゥアルト・ブルンナーの委嘱作品で、チェロ・ピアノとのトリオになります。楽風と評価の安定した'80年代後半の作品で、例によって間を十分にとりながら音数の少ない各楽器のポリフォニー風で空間に漂う緊張感が好きですね。もちろん後半の一部では音数が増えて饒舌なポリフォニーも現れます。
特殊奏法への依存が少ない感じで、ノイズ気配は薄く楽器同士の語り合いを強く感じます。
★試しにYouTubeで観てみる?
はじめ少し音が出ませんね。でも楽譜付です!
■ Pression (1969年)
[Cello] Walter Grimmer
バリバリのチェロ特殊奏法曲で静音と強音の対比はありますが、グリグリギギギィィ.....的です。(笑) 年代からいってそういう楽風の作品が予想されるそのものですね。一曲目との対比でラッヘンマンの推移がよくわかります。ライナーノートには特殊奏法の楽譜があり、面白いです。
ここから3曲は前衛の衰退へ向かう時期でラッヘンマンの特殊奏法と無音・静音の世界が出来上がる時期でしょうか。
■ Dal Niente (Interieur III) (1970年)
[Clarinet] Eduard Brunner
1年後のクラリネット独奏曲ですが、特殊奏法一辺倒ではありません。特殊奏法を絡ませながら流れる旋律を付けたり、弱音では特殊奏法で押したりと表情変化がありますね。
■ Interieur I (1966年)
[Percussion] Johannes Beer
パーカッション・ソロでマリンバやヴィブラホーンといった鍵盤打楽器も入ります。数多い楽器の配置がライナーノートに書いてあります。楽風と構成は変わらず、個々の楽器での特殊奏法というよりも鍵盤打楽器に対してタムタムの様な打楽器がそれに対応する感じです。当然ラッヘンマンらしい無と静音が生きています。
ラッヘンマンの楽風の変化がわかって面白いアルバムです。'80年代以降のダルムシュタットへ向かうラッヘンマンの進化を再確認できますね。いずれも無〜弱音での緊張感が素晴らしいです。
このアルバムはちょっと古い1960年代-80年代のソロとトリオ作品になりますね。
■ Allegro Sostenuto (1986-88年)
[Clarinet] Eduard Brunner, [Cello] Walter Grimmer, [Piano] Massimiliano Damerini
クラリネット演奏者のエドゥアルト・ブルンナーの委嘱作品で、チェロ・ピアノとのトリオになります。楽風と評価の安定した'80年代後半の作品で、例によって間を十分にとりながら音数の少ない各楽器のポリフォニー風で空間に漂う緊張感が好きですね。もちろん後半の一部では音数が増えて饒舌なポリフォニーも現れます。
特殊奏法への依存が少ない感じで、ノイズ気配は薄く楽器同士の語り合いを強く感じます。
★試しにYouTubeで観てみる?
はじめ少し音が出ませんね。でも楽譜付です!
■ Pression (1969年)
[Cello] Walter Grimmer
バリバリのチェロ特殊奏法曲で静音と強音の対比はありますが、グリグリギギギィィ.....的です。(笑) 年代からいってそういう楽風の作品が予想されるそのものですね。一曲目との対比でラッヘンマンの推移がよくわかります。ライナーノートには特殊奏法の楽譜があり、面白いです。
ここから3曲は前衛の衰退へ向かう時期でラッヘンマンの特殊奏法と無音・静音の世界が出来上がる時期でしょうか。
■ Dal Niente (Interieur III) (1970年)
[Clarinet] Eduard Brunner
1年後のクラリネット独奏曲ですが、特殊奏法一辺倒ではありません。特殊奏法を絡ませながら流れる旋律を付けたり、弱音では特殊奏法で押したりと表情変化がありますね。
■ Interieur I (1966年)
[Percussion] Johannes Beer
パーカッション・ソロでマリンバやヴィブラホーンといった鍵盤打楽器も入ります。数多い楽器の配置がライナーノートに書いてあります。楽風と構成は変わらず、個々の楽器での特殊奏法というよりも鍵盤打楽器に対してタムタムの様な打楽器がそれに対応する感じです。当然ラッヘンマンらしい無と静音が生きています。
ラッヘンマンの楽風の変化がわかって面白いアルバムです。'80年代以降のダルムシュタットへ向かうラッヘンマンの進化を再確認できますね。いずれも無〜弱音での緊張感が素晴らしいです。