バイエルン国立歌劇場公演 歌劇「ラ・ファヴォリータ」をNHKプレミアムシアターで観る

言わずと知れたイタリアのオペラ作曲家ガエターノ・ドニゼッティ(Gaetano Donizetti, 1797/11/29 - 1848/4/8)、その後期(1840年)作品ですね。初演はその年の12月2日、パリ・スカラ座ですからいかに人気があったかわかります。
個人的には馴染みのない「ラ・ファヴォリータ La favorite (全4幕)」ですが、なんといってもレオノーラを演じるMSガランチャのファンですから これを観ない手はありません。

■超あらすじ
国王アルフォンソの愛人レオノーラに恋をした修道士フェルナンドは、修道院を出てレオノーラを射止める為に武勲をたてます。その褒賞として王からレオノーラとの結婚を得ますが、王の愛人である事を知りません。式で修道院長であるバルダッサーレに知らされ屈辱と失望で修道院に戻ります。
フェルナンドの元に瀕死の尼僧姿のレオノーラが現れ許しを請います。許されたレオノーラはフェルナンドの元で息を引き取ります。
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新演出 になり原作フランス語版で、時代は現代に置き換えられていますね。舞台は前衛ではありませんが、血まみれのキリストが蠢いたり、プロジェクションマッピングの使い方でそれなりの特異性が感じられます。ただ、ストーリー展開では知見がないのでニーアマイアが何か変化球を投げているかはわかりませんw

舞台・衣装 は現代的にシンプルに、これも今の時代の主流のパターンでしょう。
スーツが基本で派手な絵柄を排し、暗めの照明や具象的なもののない舞台と合わせて時代背景を排除していますね。その中でレオノーレの赤のコート、王のブルーのスーツでの色のコントラストや、暗い舞台に斜光のライティングは特徴的です。

配役 ではフェルナンド役のポレンザーニのテノールは悪くありません。表現ある演技と合わせて楽しませてくれました。ちょい役の二人、イネスのブノワのソプラノとガスパーロのミルズの声も良かったですね。
バルダッサーレ役のカレス、アルフォンソ11世のクヴィエチェンは声の表情が薄く感じましたね。
そして何と言ってもガランチャのメゾソプラノですね。声量があり伸びも素晴らしく、ちょっと臭い演技と合わせて楽しませてくれました。演技はドラマトゥルギーのカーリチェックの範疇かもしれませんが。

音楽 は特に違和感や主張を感じませんでした。同歌劇場2011年9月29日の来日公演の演奏でも奇をてらわない印象をインプレしてありますから、方向性は同じかもしれません。

気になった事 があるとすれば、フェルナンドの性格がおよそ修道士とは思えないほど激情的。最後に瀕死のレオノーラが現れるのがあまりに唐突。そしてオペラ内容とは違いますが、日本語字幕にかなり違和感を感じた事でしょう。



全体では舞台演出や重厚さのパートに目が行ってバイロイトのワグナーの様な気配を感じましたね。もちろん全体を流れる曲調は全く異なります。ただこのオペラ自体にも山場のメリハリや、王と神(ここではキリスト)との葛藤等、そして最後の救済で十分なストーリー展開があり楽しめました
40歳になったガランチャは艶やかな声に落ち着いた磨きがかかり素晴らしいのですが、思いの外出番が少なかったですね。


<出 演>
・レオノーラ (アルフォンソ11世の愛人):エリーナ・ガランチャ [Elīna Garanča]
・フェルナンド (レオノーラに恋する修道士):マシュー・ポレンザーニ [Matthew Polenzani]
・アルフォンソ11世 (カスティーリャ国王):マリューシュ・クヴィエチェン [Mariusz Kwiecień]
・バルダッサーレ (サンティアゴ・デ・コンポステーラ修道院長):ミカ・カレス [Mika Kares]
・ドン・ガスパーロ (廷臣):ジョシュア・オーウェン・ミルズ [Joshua Owen Mills]
・イネス (レオノーラの侍女):エルザ・ブノワ [Elsa Benoit]

<合 唱> バイエルン国立歌劇場合唱団
<合唱指揮> ゼーレン・エックホフ
<管弦楽> バイエルン国立歌劇場管弦楽団
<指 揮> カレル・マーク・チチョン [Karel Mark Chichon]

<美 術> アレクサンダー・ミュラー・エルマウ [Alexander Müller-Elmau]
<衣 装> キルシュテン・デフォフ [Kirsten Dephoff]
<脚色・ドラマトゥルギー> ライナー・カーリチェック [Rainer Karlitschek]
<照 明> ミヒャエル・バウアー [Michael Bauer]
<演 出> アメリ・ニーアマイア [Amélie Niermeyer]


収録:2016年11月3日、6日 バイエルン国立歌劇場(ドイツ・ミュンヘン)


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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