メシアン(Olivier Messiaen)の「彼方の閃光, Eclairs Sur L'Au-Dela…」聴き比べ

オリヴィエ・メシアン(Olivier Messiaen, 1908/12/10 - 1992/4/27)最後の管弦楽曲「彼方の閃光, Éclairs sur l’Au-Delà …」ですね。
この現代音楽のblogではビッグネームすぎて紹介の少ない一人です。でももちろん大好きな現代音楽家ですね。
本来なら紹介で『音価と強度のモード』から神学者・鳥類学者、そして『移調の限られた旋法 (Mode de transpositions limitées, MTL)』に触れながら、この曲に至るのですが 今更素人がとやかく書くのも無用でしょうw

今回聴き比べと言っても所有はチョン・ミュンフンインゴ・メッツマッハーの2枚です。
実はこの曲は私のBGMの一枚になります。何かやる時にかけておく、特に聴く物がない時に流す、といった大好きで耳に馴染んでいる曲ですね。

もちろん次週1/31日(火)のカンブルラン/読響の演奏の前にインプレしておこうと思ったわけです。(カンブルランもCDを出していますが、所有していません)

Myung-Whun Chung (cond.)
Orchestre de l'Opéra de la Bastille


Ingo Metzmacher (cond.)
Vienna Philharmonic Orchestra

11のパートからなる、緩やかな・調性感のある・幽玄な・美しい、といった印象が強い曲です。二人の指揮者(とオケ)の違いは次のようになりますね。

1. 栄光あるキリストの出現 (Apparition du Christ glorieux)
 美しい主題でとても似た演奏です。メッツマッハー(以下Metz.)は時折微妙な音バランスを挟み、ミュンフン(以下Myun.)は終始美しいです。
2. 射手座 (La Constellation du Sagittaire)
 鳥の声が出てきます。主題はパート1の変奏で美しく、Metz.の方が速めで煌めき、鳥はMyun.が良いですね。
3. コトドリと結婚の街 (L'Oiseau-lyre et la Ville-fiancée)
 鳥の声を生かしたテンポのある曲で、よく似た演奏です。
4. 刻印された選ばれし者 (Les Élus marqués du sceau)
 鳥の声のポリフォニーで、Metz.の方が尖った演奏ですね。
5. 愛にとどまる (Demeurer dans l'Amour...)
 静的に美しい弦楽緩徐曲です。よく似ていますが、Myun.はより甘美です。
6. 7つのトランペットと7人の天使 (Les Sept Anges aux sept trompettes)
 打楽器と管楽器のパート。Myun.は抑え気味、Metz.は打楽器音が華やか。(録音バランスかもしれません)
7. そして神はことごとく涙をぬぐい去ってくださる (Et Dieu essuiera toute larme de leurs yeux...)
 鳥が入るパートです。似た演奏ですが。Metz.は鳥の管楽器音が明瞭です。
8. 星々と栄光 (Les Étoiles et la Gloire)
 差が感じられるパート。Metz.はディナーミクとアゴーギクを振り表情変化と切れ味を強調してきます。
9. 命の樹にやどる鳥たちの喜び (Plusieurs Oiseaux des arbres de Vie)
 鳥のパート。Metz.の鳥の方が騒がしく、Myun.の後半は"鳥たちの喜び"を感じます。
10. 神の道 (Le Chemin de l'Invisible)
 衝撃的なパート。Metz.の方が切れ味がありますが、でも意外な事に似ています。
11. キリスト、楽園の光 (Le Christ, lumière du Paradis)
 5第パートの回帰、美しい最終章です。似た演奏、似た差異ですね。

流れを緩徐的に捉えて終始美しく奏でるミュンフン。間をとりコントラストと華やかな管楽器で煌めきを加えたメッツマッハー。それが顕著に表れているのがパート8「星々と栄光」でしょう。
とはいえよく似た演奏です。特にアゴーギクでの差異は少なく、それだけメシアンの完成度の高い曲と言えるのかもしれません。



ひたすら美しさに溺れるならミョンフン/パリ・バスティーユ管、ブーレーズにもつながる仏現代音楽の色彩と煌めきを感じるならメッツマッハー/VPOでしょう。もちろんオススメは後者です。^^
カンブルラン/読響のコンサートではもちろん後者方向を期待しながら、全体の流れと管楽器・打楽器に注目ですね。頭に流れるのが長く聴き続けた甘口演奏のミュンフン/パリ・バスティーユ管なのが困ったことですが…



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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