ベルンハルト・ラング(Bernhard Lang) のオペラ『モーツァルトは嫌いだ (I Hate Mozart)』を観る

このブログでもオススメの現代音楽家の一人、オーストリアのベルンハルト・ラング(Bernhard Lang, 1957/2/24 - ) です。紹介済みなのでキャリアや楽風は割愛です。
このアルバム、実は買ってから何年も経っています。歌劇のストーリーを調べたりとか面倒だったので後回しに…(笑)
でも前回のDonaueschinger Musiktage 2015の "Killing Bach・バッハを殺す"(Francesco Filidei)がとても面白かったので急に鑑賞する気になりました。

刺激的題名が似てますよね。でもモーツァルトを否定した音楽ではありません。(そうなら挑発的で面白かったのですがw)
歌劇のストーリーから出てくる表題になりますね。"Killing Bach"もバッハとどう向き合うか、という事でバッハ殺しの曲ではありませんでしたが。^^;

2006年11月に Viennese Mozart Year 2006 の委嘱作品で、アン・デア・ウィーン劇場(Theater an der Wien)で上演された時のライヴです。

メンバーも興味深いですね。指揮は現代音楽家としても好きなカリツケ、演奏はベアト・フラーが結成した現代音楽室内管弦楽団クラングフォールム・ヴィーン、配役にはラングのDW14+DW9や"月に憑かれたピエロ"でも注目されたサロメ・カンマーが入っています。

本アルバムはCDx2, DVDx1のセットになりますね。オペラですから まずはDVDで楽しんでみましょう。

I Hate Mozart / Bernhard Lang

【脚本】マイケル・スターミンガー(Michael Sturminger)
【指揮】ヨハネス・カリツケ(Johannes Kalitzke)
【演奏】クラングフォールム・ヴィーン(Klangforum Wien)
    ヴォーカル・アンサンブル・ノヴァ(Vokalensemble Nova)
【キャスト】
 ・Florian Boesch (as Adriano Morado):アドリアーノ、指揮者
 ・Dagmar Schellenberger (as Grace Moor):グレース、歌姫ソプラノ歌手
 ・Andrea Lauren Brown (as Simona Chodovska):シモーナ、若手ソプラノ歌手
 ・Salome Kammer (as Franziska Zimmer):フランチェスカ、メゾソプラノ歌手
 ・Mathias Zachariassen (as Johannes Weiner):ヨハネス、テノール歌手
 ・David Pittman-Jennings (as Ludwig Zellinsky):ルードヴィヒ、エージェント
 ・Rupert Bergmann (as Intendant, GM):支配人

BernhardLang-IhateMozart.jpg

あらすじ》2幕21シーン
オーディションシーンから始まるモーツァルトの「魔笛」をめぐる役や指揮者の舞台裏の人間模様を描いています。
指揮者アドリアーノは、パミーナ役を歌姫である妻のグレースの代わりに浮気相手の若手シモーナを推します。エイジェントのルードヴィヒと支配人はグレースを選び、気に入らなければアドリアーノを変える検討もしています。
一方リハーサルではアドリアーノとパミーノ役のテノール,ヨハネスと確執が生まれます。シーン7.NightMare2でヨハネスが“Why do I have to sing Mozart, have to sing Mozart all the time? … I hate Mozart…” と口にしますね。(舞台をめぐる様々なゴタゴタで『モーツァルトが嫌いだ』という話です)
人間関係が錯綜して結局パミーナ役はグレースとなり、次のコベント・ガーデンではシモーナが演じることとなります。
プロローグとエピローグはアドリアーノの悪夢のシーンに帰結したりして、ストーリーはややありきたり感がありますね。

舞台
ごく現代のシンプルな設定で、シーン毎に回転・せり上がりして替わります。衣装も含めて特に凝った事はありませんね。時折配役がフリーズしてモーツァルトの亡霊の様なものが現れたりすのがイレギュラーなくらいです。

音楽
反復、電子音ノイズ、テープ、ジャズ、特殊奏法、といった手法で、混沌やノイズではなく旋律や動機は存在します。モーツァルトの引用もサンプリングとループ処理で出てくるのですがしっくりきません。各シーン毎に楽風の変化を与えているので、音楽として聴くなら映像なしの方が楽しめるでしょう。
また 反復は執拗で、演奏のみならず歌詞を含め反復が徹底されています。vocalで音の飛躍も一部あり現代音楽を感じさせますが、殆どのパートで声域は狭く語り風ですね。シュプレッヒゲザングではありません。

試しにYouTubeで観てみる?
 超ダイジェストで画質劣悪ですが、気配はわかるとおもいます。
 DVDは英訳字幕が出せるので安心です。




現代音楽のオペラとしてみるとあまり面白みがありませんね。そもそも映画音楽も含めて現代音楽は使われるので、音楽自体もしくは舞台がもっと極端でないと普通のオペラです。特に現代音楽を意識しないで観たらちょっと尖ったオペラで面白い?! 本邦初演を期待します。
CDで聴いた方がまだ音楽を楽しめますが2時間はちょっと長いですねw
ライナーノートにはセリフと場面設定が英訳で載っているので助かります。(4面開きのデジパックから取れないのは不便ですが…)



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