イェルク・ヴィトマン(Jörg Widmann) の Elegie を聴く

イェルク・ヴィトマン(ヨルグ・ヴィットマン Jorg Widmann, 1973/6/19 - )はドイツの現代音楽家でクラリネット奏者としても活躍していますね。作曲はヘンツェ(Hans Werner Henze)やリーム(Wolfgang Rihm)といったビッグネームにも師事しています。活躍の場としてフライブルクを選んでいるのも、現代音楽の主流派的かもしれません。

ヴィトマンの作品には、ミサやキリエといった宗教性とトッカータやノクターンといった古典的名称の曲が多く見受けられますね。

このアルバムのオケは、Christoph Poppen指揮、Deutsche Radio Philharmonieになります。

Elegie / Jörg Widmann

Messe fur grobes Orchester (2006年)
01-06 Kyrie (Introitus. Monodia - Interludium I - Contrapunctus I - Interludium II - Contrapunctus II - Interludium III), 07-08 Gloria (Antiphon - Contrapunctus III), 09 Crucifixus, 10 Et Resurrexit (Contrapunctus IV)
出始めの荘厳な宗教曲、若干の不協和音はありましたが、には驚きました。これはバッハのマタイ受難曲を元にしているとのこと。しかしその後は音数の少ない、調性はありませんがメロディアスな、澄んだ音色が空間の中に存在する感じです。そして強音パートは荘厳に再現しますが提示部の様な宗教色は薄くなりカオス的に展開します。主は空気の薄い大気圏のストリームの様な透明感のKyrieからGloriaです。
09 Crucifixusではパルス的な音で出し入れの強い展開が現れ、ラスト10 Et Resurrexitでは緩い混沌から荘厳に締めくくられます。
基本となる特別な作曲技法は存在するのでしょうか? 内容は不明ですね。(典礼文のないミサに関しての記述はありますが…)
前衛ではなく今の時代のクラシック音楽で、どこかのオケの委嘱曲であってもいい感じです。

Funf Bruchstucke fur Klarinette und Klavier (1997年)
11-15 Auberst langsam - Presto possibile - Sehr langsam, frei - Energiegeladen, sehr schnell - Notes equal 40
クラリネットとピアノのDuo曲です。ちなみにピアノは、ハインツ・ホリガー(Heinz Holliger)でピアニストとして初録音とか!! 一部低音側がプリペアードピアノの様です。曲は二人の特殊奏法を含むテクと音のやりとりでのパフォーマンス、即興的で前衛ですね。
 ★試しにYouTubeで観てみる?
  演奏は Ashley Smith/clarinet, Aura Go/piano です


Elegie fur Klarinette und Orchester (2005年)
クラリネット協奏曲で、流れはミサに近く空間音響系になります。途中で強音カオスが現れるのもヴィトマンのこの流れの特徴でしょう。



二つの顔を持っていますね。空(くう)の中に現れては消える空間音響系の世界と、即興前衛系の音楽。まさに今の時代の現代音楽ですね。インスタレーション系になっているのかは音だけではわかりませんが…


PS:読響の2017-18シーズンを見たら第574回でヴィトマン来日、クラリネット協奏曲「エコー=フラグメンテ」をやるようですね。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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