メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲 5CDs聴き比べ:やっぱりハイフェッツ?!

フェリックス・メンデルスゾーン(Felix Mendelssohn, 1809/2/3 - 1847/11/4) のヴァイオリン協奏曲はもう一曲存在していますが、一般的にこの「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64」(1844年)を指すことはお約束ですね。稀に「第2番」と記されることもありますが、作曲者・題名を知らずとも誰でも一度は聴いたことがある超有名曲。
もっともコンサート以外、ブログで紹介することはないでしょうが。今回も週末25(金)のパリ管/ハーディングの予習で聴き比べしてみましたw



Anne Sophie Mutter(vn) / Karajan(cond.), BPO
 例によって聴く前から想像のできるムター/カラヤンBPOで、ともにヴィルトゥオーゾの勿体ぶった演奏ですね。好みははっきり分かれるでしょうか。濃厚なポタージュです。
 1981年アンネ=ゾフィ・ムター10代の録音です。
第一楽章第一主題は表情豊かなvn、そして重厚派手なBPOです。第二主題も朗々とした音色を響かせます。カデンツァは揺さぶりが強く聴かせに入りますね。コーダは豪華です。
第二楽章は一転緩さを強調する様にオケはまろやかさを見せ、vnも穏やかさと繊細さを鳴らします。第三楽章第一主題・第二主題ともに表情を軽妙さに変えて軽やかに走ります。ラストは当然の豪華さです。
スローな展開、見事な構成と表現はこのセットの真骨頂でしょう。



Anne Sophie Mutter(vn) / Kurt Masur(cond.), Gewandhausorchester Leipzig
 細く切れる様な音色のvn、でしゃばらないオケです。好みの神経質な音色ですが全体としては印象は薄いかもしれません。でもこちらのムターの方がいい感じ。選りすぐられたコンソメです。
 ムターのもう一枚、カラヤンBPO録音の27年後の2008年作品。
第一楽章第一主題を細く切れ上がるように奏で、オケは重厚に対応します。テクニックを見せた後の第二主題も神経質な音色で悪くありません。カデンツァは冷静、コーダはキレキレです。
第二楽章の主題は緩徐な美しい音色ですが、細くシャープな切れ味は十分。第三楽章主題は軽快に飛ばして第二主題も軽やかですね。
ムターのvnはカミソリの刃のような切れ味を感じました。BPOとの録音より全体的に速めです。現代音楽も得意とするムターも今や53歳、昨年見た時はあまりにガリガリで驚きましたが…



Hilary Hahn(vn) / Hugh Wolff(cond.), Oslo Philharmonic Orchestra
 個性は薄いですが、流麗な音色を聴かせるハーンとオケのバランスが良いですね。こう言うクドイ曲には自然体の演奏がしっくりくる気がします。ちょっと淡白かもしれませんが…
 鳴りの良いハーンの第一主題とバランスの良いオケから、流れるようなvnテクニックを見せます。カデンツァでも、これ見よがしではなく落ち着いた演奏ですね。シャープなコーダです。
第二楽章主題は優美さを見せる音色ですがクールです。ただ流れがフラットで飽きますが… 第三楽章の第一主題はハイペースで切れ味があります。スピード感を持ったまま第二主題も進みハーンのvnの見せ場的です。



Chad Hoopes(vn) / Kristjan Järvi(cond.), MDR Leipzig Radio Symphony Orchestra
 オケの個性が強くvnの印象が残りません。それがクリスチャン・ヤルヴィなのかMDRなのかはわかりませんが…
 以前カップリングのJohn Adamsで紹介した若手のチャド・フープスです。
第一楽章第一主題はオケの迫力が強くvnが細く感じてしまいます。美しい音色ですが、テクニックパートでも際立つものはなく淡々と弾きます。第二主題も悪くないのですが、オケが勝ち気味。カデンツァは可も無し不可も無し的でしょうか。コーダは締まっています。
第二楽章はちょっとモッサリ感があります。緩徐楽章ですが引っかかるような落ち着かない感じは、オケの揺さぶりでしょう。何れにしてもこの楽章は難しい感じです。第三楽章、第一主題は流麗さよりトゲトゲしく、第二主題でもクセを感じます。その辺がフープスの個性でしょうか。でもラストはスピードに乗って決めています。



Jascha Heifetz(vn) / Charles Munch(cond.), Boston Symphony Orchestra
 ダイナミックな中に心地よさを感じる流れの良さが、このセットの一番の魅力でしょうか。安心して楽しめますね。なんでもスロー重厚に演奏する傾向の近年に警鐘を鳴らしているかの様です。
 何回も再発が繰り返される盤、ヤッシャ・ハイフェッツ/ミュンシュBSOです。
第一楽章第一主題、速いのですが切れ味よく揺さぶるvnとオケのバランスは重厚な中に良い流れを感じます。この時点で他のアルバムより良いと思ってしまうくらいです。ハイフェッツの音色は安心感があります。第二主題も美しい音色が優美です。カデンツァはやや平凡かな。
第二楽章主題は緩徐楽章らしさを見せる上品な優美さです。ペースもよく、飽きさせませんね。第三楽章の第一主題はオケと足並み揃えた軽快さが生きています。古臭さを感じなくもないですが、最後まで気持ち良く聴けますね。




心地よい安心感のハイフェッツが一番、切れ味のムター/ゲヴァントハウスがまぁ次? あまり興味の湧く曲ではないので、コンサート当日は前半曲ということもありのんびり聴きましょう。メインはマーラー5番ですね。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kokotonPAPA

Author:kokotonPAPA


ものずき、おっさん じいさん、わがままきまま、すきほうだい、しななきゃなおらない.

 kokotonPAPAのブログ  ホームページtop  メールtop



1.このblogで言う現代音楽
2.マーラー交響曲第5番 150CD
 (名盤・珍盤 聴き比べ)

カテゴリ
個人的お奨め度*
★   こんなもん?
★★  悪くないね
★★★ 最高です!
☆   +0.5
お友達ブログ
kokotonPAPAカウンター
unique-access